桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

矯正展

2013-05-31 | Weblog
今日は科学技術館での全国矯正展。例年通りに来てみたが、年々、買いたいと思う物が少なくなっている。わざわざ全国矯正展に来るメリットも少なくなっているのか、刑務所として名前を見なくなった所もあるし、規模も小さくなって来ている。
今回の目的である本棚も、何とか見っけたが、他は、これと言う物が見つからなくて、結局、靴を買って帰って来た。
見知った職員の顔は、今年もなくて、社会に帰って17年になる歳月を感じる。

四面楚歌

2013-05-31 | Weblog
四方を敵に取り囲まれた状況から生まれた諺が、四面楚歌らしいが、橋下徹の状況は三面楚歌くらいだろうか。
慰安婦問題にしやしゃり出た発言は、それで政治的な流れを自分と維新に取り戻そうとしたのだろうが、橋下徹という人物の人権感覚の乏しさを知らせただけの結果になったよね。
それだけではないか、橋下徹が口先だけの人物だということも世間に知らせただろう。
「慰安婦が必要だったのは、誰にでも判ること」と言った発言に、まさか自分が入っていないなんて、橋下以外には語り得ない弁明だろう。しかも、朝日や毎日の誤報だと言うに及んでは、この男が人間として信じてはならない人物だと、自ら公言する愚行だろう。
アメリカ軍に風俗の利用を奨めた背景は、橋下が飛田新地の風俗業組合の顧問弁護士をしていた過去があったらしいけど、金が総ての弁護士稼業者では、この程度の人権感覚なのも当然かも知れない。
大阪の弁護士から懲戒請求がなされたのに対して、いろをなして反論しているが、自らはテレビを使って「光市事件弁護団」を誤解して懲戒請求を煽ったことがあったはず。あの的外れな煽動に較べれば、慰安婦などに対する数々の妄言は、立派な請求理由だろう。
橋下徹には、当然の結果だが、四面楚歌になりつつあるが、公明党と言う訳の判らない政党は、まだまだ橋下徹を利用する方針らしいから、三面楚歌程度だろうか。
次の選挙が楽しみだねぇ。

もう終わり?

2013-05-30 | Weblog
アベノミックス、株高、円安、絶好調!支持率、人気、絶好調!と、持て囃されているが、先日から株価が下がり始めて、もう先行き不安が囁かれ始めた。
まだ半年だよね。
そもそも株高が、なぜいいの?
株高になったって、そんなのは株を持ってる大企業や金持ちが利益を得るだけであって、日本経済を支える国民の懐が豊かになる訳ではない。
円安って、そんなにいいの?
輸出国日本と言ったって、今や日本は製造業の6割が外国に工場を持っているのだもの、輸出品で円が入るのと、輸入品で円が出るのとでは、どっちが良いのか、簡単には決められない時代だろう。
日銀を捲き込んで銭で社会を動かせば、それは一時的に動きはするだろうが、長続きする筈もない。
大体、日本の不景気は、もう何年も続いている。その間、好景気と言われた時期もあったが、企業は、ひたすらに内部留保を増やし、自分たちが儲けるだけで社員の賃金を増やすことはしなかった。
だもの、アベノミックスと言われる、この人為的な「好況」で企業が社員の賃上げをすることはあるまい。人為的な好況など、必ず終わる。ならば、また企業は内部留保を増やすだけだ。週刊誌などには、もうアベノミックスの終焉を書くところもあるが、結局、一般国民には金が回らないうちにお仕舞いだね、これは。たった半年かょ!
頑張れ、アベノミックス!

同意

2013-05-30 | Weblog
菅官房長官が、中国の王外相の発言に反論したが、俺も。菅さんに同意して中国政府に抗議したいねぇ。
沖縄と尖閣諸島の帰属に異を唱える中国政府の考えは、実にあざとい。
もし尖閣諸島周辺に資源が発見されなければ、絶対に中国政府の「尖閣諸島は中国領土なり」宣言はなかったろう。
確かに、沖縄は日本ではない。はっきり言って琉球王国だったろう。そこを薩摩が攻めて領土化し、占奪し、更に日本領土になった。しかし、中国領土であったことは、金輪際ないし、中国領土たる根拠は、どこにもない。
それなのに堂々と「中国領土」と主張でき得る中国人と言うのは、利となれば、何でもなし得る信の置けない存在だとなるだろう。
人は利にて動かず、信にて動く存在でありたいものだ。
中国は信に足りる存在だと思いたいが、夢かねぇ。

消息

2013-05-30 | Weblog
もう何年前になるか、布川事件捜査に係わった警察官の所在地を調べたことがあった。
まず、茨城県下の電話帳を1枚ずつめくり、記憶にある氏名を書き抜いて行った。次に、その判った住所からゼンリンの地図で場所を確認した。
意外と判るもので、大体、8割の警察官の所在地を割り出したが、かなりの方が亡くなっていた。
もうどうでも良い話になったが、一昨日、また1人の所在地が判った。
薗部省一さんの訃報記事だった。当時、薗部さんは24歳。刑事になるとかで、取手署の留置場看守勤務をしていた。何でも、留置場で犯罪者を観察して、それを捜査に生かすのだとか聞いた。
まだ巡査だったが、「元ひたちなか西署警部」とあり、享年69歳ともあった。薗部さんは歌が上手くて、良く唄っていた。そう悪い人には見えなかったが、あの頃から40年ほど、警部になって終わった警察官人生では、果たして何人の冤罪者を作ったろうか。
俺が生きて来た歳月と較べて、どっちが幸せだったかなぁ。

思うように行かないのが人生

2013-05-28 | Weblog
いかに好意で行っても、却って迷惑がられることもある。
長い刑務所生活で、大概のことには慣れているが、それでも社会は複雑だから、俺は好意でしても理解されないばかりか、批判されたりもしてウンザリさせられることもある。
冤罪を被れば、誰もが心に傷を負う。俺だって負っている。負っているからこそ、負けないために意識して明るく行動して来た。
不思議なもので、明るく行動を続けてみると、それが自分の習い性となり、自然と行えるようになる。
そのせいか、俺は冤罪者に厳しい。特に、冤罪の心の傷だとか抜かし、たらたらしてる奴を見ていると、尻を蹴り上げたくなる。
真面目に人生を生きて来て冤罪になった足利事件の菅家さんも、一時的に心の傷は行動として現れたが、今では昔の菅家さんはこうだったろうと判る、実に穏やかで優しい人になった。
確かに心に傷は作っても、必ず元に戻れるのだが、そこが判らない人もいる。
同じ冤罪の苦悩を味わった仲間だと思えばこそ、何かの力になりたいと、疲れた身体を運び、長い時間を使って行動しても、お前には愛がない、と言われたりするが、これも人生かねぇ。

氷見国賠

2013-05-27 | Weblog
久しぶりに傍聴に来たが、証人尋問に入っていて、今日は、氷見事件で3件の被害者の聴取にあたった中越と言う女性警官の尋問だった。
もちろん、警察官だから正直に話すはずはなくて、今日も警察側からの質問には、明確に答えるが、原告側からとなったらば、途端に返答が鈍った。
二人目は、島田と言う被害者から話を聞いて似顔絵を描いた警官だったが、この男が、また強かだった。
1月事件、3月事件、そして柳原さんの逮捕となり、似顔絵は重要な位置を占めるのだが、誰が見ても2枚は違う人物になっている。被害者から純粋に聞いて描いた物か、後日、意図を持って描き直した物か、疑問の残る似顔絵になっている。
1月事件の似顔絵が、真犯人に似ていて、3月事件の似顔絵が柳原さんに似た感じなのに、島田は「3月事件の似顔絵の方が、真犯人に似ている」と、証言するのだから呆れる。
定年まで無事に勤めあげるには、こういう嘘を語るしかないのが警察官職。自然と嘘付きになる。
哀れな職業だねぇ。

富山

2013-05-27 | Weblog
これで来たのは、何回だろうか。
何時も、駅前のアパホテルで、昨日は5時過ぎに到着した。松山駅を発ったのが9時15分。岡山と新大阪での乗り継ぎ時間が、それぞれに15分と30分ほどだったから、実質7時間以上は電車に乗っていた勘定だ。松山から富山は予想以上に遠かった。
昨夜は外に出ないで、コンビニで買って来た物で夕飯を食べて、気が付いたらば寝ていた感じだ。
今朝は、やっと平常な感覚になったが、まだ眠い。

尖兵

2013-05-26 | Weblog
ジュネーブの拷問禁止条約委員会でも橋下の慰安婦問題発言は取り上げられた。今朝の新聞では、初めて橋下が自分の発言を取り消したと、報道されていたが、この問題は、単に橋下だけが問われる性質ではないところに根の深さがある。
橋下と石原は維新の共同代表だが、この二人は自民党の尖兵と言って良いだろう。彼らの歴史観と基を一にする自民党政治家は、数多いる。もちろん、安倍首相も、その一人だ。
戦争中は、どこの国だって慰安婦がいた!日本だけが悪く言われる筋合いはない!
橋下発言は勇ましいねぇ。沖縄のアメリカ軍に「風俗を活用せよ」とした進言は撤回したようだが、勇ましい発言も、必ずや窮地に陥るね。
天皇の軍隊、帝国軍は、アジア諸国を侵略した、いわば強盗集団だった。だからこそ、朝鮮国などの女性を軍に隷属させる不倫理行為をもなし得たのだ。
連合国軍は、日本とドイツ、イタリアの帝国軍からの略奪を阻止した聖戦として戦った。だから、一部に橋下の言うようなことがあったとしても、その発言は聖戦に参加した国家、国民への侮辱と解されるだろう。必ず、橋下発言は橋下の政治生命を脅かす。
問題は、安倍首相も、心の中では同じように思っていることだ。だからこそ、安倍首相は、積極的に橋下発言を咎めない。村山談話を否定する戦争史観などは、黙認しているが、このことは、必ずや安倍首相にも影響があるが、安倍首相は、まだ判っていないような気がする。
尖兵が倒れたらば、次は本隊!

日本の国土

2013-05-26 | Weblog

スイスで感じたのは、国土が綺麗に管理されているということだ。
一般の住宅地に限らず、耕作地ま山林も、きっちりと人の手が入っていると判った。スイスだけではなくて、ミュンヘンにしても同じだった。
松山から児島大橋と言うのかな、瀬戸内海を渡り、岡山から新大阪、琵琶湖の湖西線を走って敦賀を通り、富山への鉄道の旅をしたらば、実に日本国土は荒れていると感じた。
変なところばかりに管理や監視をする国家なのに、美しい国土を管理し、監視するような意識は、どこにもない日本という国家が、この風景からも読み取れよう。
安倍首相の言う美しい日本とは、この放置された耕作地、荒れ果てたままの山林を言い、やんごとなき存在を復活させて号令一下、命を捨てるのをいとわない集団を作ることだけにあるのだ。
そんなことを感じながら美しい季節の風景を見ている。