桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

ジュネーブ

2008-08-30 | Weblog
昨年、杉山と惠子さんが国連へ行って、布川事件を訴えて来た。
今年は、この俺に参加しろとの指示。嫌だよね、長い時間の飛行機!恐怖だけど、その意義を考えたらば、そして、獄中にいる冤罪仲間の思いを考えれば、やるしかないと決心した。
今度は、俺が行って、俺に出来ることをしてくる。
今日は現地調査の一日目。会場の土浦市は桜川が氾濫警報。連日の集中雷雨。波乱の現調になりそうで、これも異常な検察官の特別抗告に相応しいかも。
俺は月曜日の旅券発行手続きがあるため、これから水戸へ。

最高裁判所

2008-08-29 | Weblog
布川事件は、これまでに二度、最高裁を経験している。どちらも有罪、棄却と悪い判断を覆すために弁護側が求めたものだ。
今回、三度目となる最高裁は、検察が申し立てた抗告だから、今までとは違う。その最高裁で、今日は最初の朝宣伝だ。
雨模様で参加者を案じたが、10名も来てくれた。
昼のマリオン前宣伝には、11月に立教大学である立教祭の打合せで来た若い女性を含めて20名に近い参加者があって、有り難かった。
初めての最高裁要請行動は15名。打合せてが長引いて、俺は遅刻したが、職員の対応は、実に穏やかだった。やはり高裁で勝利し、しかも検察の理不尽さが判っているのかも知れないと感じた。
要請に参加した人の言葉は、一人ひとりが納得と言うか、その通りだよなと思わせることばかりで、改めて、我が闘いは正義なり!の思いを深めた。

樋渡検事総長ドノ

2008-08-29 | Weblog
検察がした特別抗告で、樋渡さんに手紙を書いても詮の無い話。しかし、黙っているのも癪な話。気楽なメールにした。
樋渡さん、検察が可視化を一部だけで逃れようと、何か法律紙に言ってるね。
アンタが何を言っても、後ろめたく無ければいい。
問題は、樋渡さんが何を言っても、所詮は言い訳。
世界を見て御覧よ。今や韓国でさえも全面可視化だよ。韓国警察が言ってる、「反対だったが、今は良かった。犯人が否認しても、その姿をありのままに映せば、裁判では真実は判る。今は可視化によって尋問技術も上がった」とね。
アナタが一部可視化で良しとするのは、何をどう言ったところで、そう出来ない違法、不法な取り調べを続ける警察に負けてるだけ。検察には全面可視化出来ない理由があるだけのこと。いや、長く書き過ぎた。これは、また樋渡さんの発言を読んで後、その詭弁をたっぷりと反論してあげますよ。
今日、書きたいのは、特別抗告書に付いてだ。
樋渡さん、これ読んだの?中身が無いし、かなり低レベルだよね。
これまで特別抗告批判を書いて来たが、結局は「最高裁が詳細に検討して有罪にしたのだから、それを覆すのはならん」ってことだよね。
それにしても、もう少し、何か無いの?新しい証拠を加えるとか、鑑定をするとか。
検察は即時抗告をして、僅かに二点の証拠を出すだけでしたね。まあ、それで充分、高裁は逆転出来ると思ったのかな?
但木さん、会ったけど、官僚だったなぁ。検察官ではなくて官僚。樋渡さんの前の総長だよね。
甘く見たかな、高裁。名張を逆転させた門野さんが来た、よし!裁判官僚は検察の軍門に降った!とね。
樋渡さん、甘いよ、この特別抗告書。
最高裁は、確かにアナタたちに近い。あの連中は、司法じゃない。行政官。政治権力に覚えめでたい連中ばかり。似てるよね。所詮は政治権力におもねるアナタたちに。
だから、最高裁ならば、俺たちに味方する!ってね。検察の主張に味方する!かな。
甘いよ、樋渡さん。
証拠を隠しちゃ、ダメだよ。嘘を言っちゃ、ダメだよ。これからは社会人の正常な感覚が裁判に関わるんだよ。こんな証拠隠しをして裁判官を欺いて有罪にさせた行為を反省もせずに、欺かれた判断にしがみ付くなんて、人間を社会を馬鹿にし過ぎる。
田中森一さん、アナタの仲間だったね、今は刑務所にいるけど、彼の著書に検察の裏金、あったね。読んでる?警察の裏金は、今や公然たる事実。是正する姿勢も無い。検察も同じかな?だから、検察が道理を主張したら警察の窮鼠に噛まれる恐怖。指揮官たる検察は警察の僕。
恥ずかしいね、樋渡さん。嘘付きは泥棒。判る?耳に痛いな、俺。
裁判で嘘を言ったら犯罪。当たり前だよ。
医療過誤、医師は逮捕される。司法過誤、何で許されるの?
樋渡さん、医師は間違いを犯罪にされるんだよ!
公務員たるアンタたちが証拠を隠して、誰も罪に問われない裁判制度は間違ってる。
俺は生涯を掛けて、アナタのような人が、アナタの論理が育っような組織が罪に問われる制度になるように声を上げ続ける。
この前、水戸駅宣伝をしたとき、北口の布川事件に対して、水戸地検か南口で裁判員制度で宣伝してたらしい。記者が教えてくれてね。事前に知っていたらば、我々も南口でやって検察の嘘付きを直接に言えたのにと、残念でしたよ。俺たちが経験をかたり始めたら、立ち往生でしょ。検察は黙って逃げるかな?樋渡さんも、かなり裁判員制度で街頭などに出てますよね。そのうち、アナタの前で、我が布川事件を語り、いかに検察が汚いかを社会の人に訴えたいと思ってますよ。そのときはアナタが社会に支持されるか、俺が支持されるか、やり合いましょう!
お互い、頑張りましょう!

狂い咲き

2008-08-28 | Weblog
公園で昼飯を食べた。
カレーを作ったから、何年振りかの弁当。
食べ終わり、水のみ場へ容器を洗いに行ったらば、近くにあるサツキに花が咲いていた。8月末、狂い咲きだ。
俺たちは29年を獄中にあり、人生を花に例えれば咲く時期を持ち得なかった。今、花が咲いたように過ごしているが、時期を逸したことは否めない。
咲いてしまったことが良いのか、咲かずにいた方が良かったのか、なかなか微妙なところだね。

人波

2008-08-28 | Weblog
そんな言葉があるが、ビラ配りなどの宣伝をしていると、良く判る。
人の流れは、多かったり少なくなったり、正に人波だと感じる。
波は、何にでもある。
俺は社会に帰って以来、不思議なほど、恵まれた時間を過ごして来たが、どうやら波は消え始めたかも知れない。
長い人生には、どうしようもない大波に翻弄され、逆境に立たされてしまうことがある。俺の周りに、今、そういう人が何人かいる。不運を人並み以上に味わった俺は、人の不運や悲しみに、誰よりも心を寄せて来た。それが俺だと思ってたのに、ふと不運な人の生き方に言葉を発していたことがあった。
傲慢、不遜、人の不運や哀しみに寄り添えない者が満ち足りた時を過ごせるはずはない。
俺の人生は変わり始めた。そんな気のする41年目。41年前の今日、布川事件が起きた。

時代の変化

2008-08-28 | Weblog
梅雨の晴れ間的な昨日、昼飯を食べた公園は、まるで盛りのように蝉が泣いていた。余りに煩いので、どこでと探したら、いるわいるわ、無数にいた。
この蝉たち、逃げないんだよね。
昔、俺たちが子供のころは、傍に近付いたら逃げた。高いところのをトリモチや蜘蛛の巣を巻いた棒などで採ったものだ。
今は蝉を採る子供など、見たこともない。蝉も採られないと意識が変わったのか、手を伸ばしても逃げる気配すら見せない。
これも時代の変化の反映だろう。

悩み

2008-08-25 | Weblog
人間が生きていて、悩みが無いとうことは有り得ない。
俺は、何も無い人間。地位、名誉、金、財産。本当に何も無い。
だから、かなり呑気に生きている。無いから、こだわらない。無くしても、得られなくても、同じことという感覚なのだが、俺にも悩みがある。
正直、今度の高裁決定では、闘いは終わったと思った。だよね、検察官は証拠を隠してきたんだもの。ところが、検察は隠してきた証拠は「信用性が無いわずかな証拠」だと言う。上手いよね、この論法。自分たちの不正を隠し、かつ、ゆえに有罪だ!と言う。伊達に司法試験は受かってないね、検察官は。「検察は正しい、証拠は信用性が無いから出さなかった。」この言い方、上手いけど、でも汚いよね、
俺は、本当に頭に来たね。この連中は、日本の正義を歪めてる、社会を捻じ曲げてる。
もうすぐ我が家は崩壊する。でも、どうするか判らない。なるようになる、けど、住む家の不安定って、かなりスリルだよね。俺の悩み、かも知れない。
でも、悩んでこそ人生。この思いが、俺にどんな結果を残すか、少しだけ楽しみだどね。

雨休み

2008-08-25 | Weblog
土方は、雨では仕事にならない。今日も会社に行き、現場にも行ったが、そこから雨が降り始めて、中止。休みになった。
大体、俺がひと月に仕事をする日は10数日。再審の活動をしていると、なんだか知らないが、お金が消えて行くんだよな。働きたいけど、働けない、の俺には、予定した仕事が、雨休みになるのは、かなり痛い。
今日は、家に帰って、少し寝た。それから買い物に行き、大根と烏賊の煮物。カレーライスを作った。
来月は、また北海道の予定があり、それからは大阪の大学での講演、ジュネーブと予定が入り、かなり俺の財政は厳しい。
まあ無くなれば働けばいいだけ。どうってことないが、シャバに出てきて12年、生活を省みないで走ってきた毎日は、そろそろ限度、そんな雨の一日だった。


法務省

2008-08-23 | Weblog
そのトップは事務次官になるわけだが、実際の省内は検察官の巣窟。実態は検事総長の配下になる。
米軍人の犯罪に対し、裁判権を放棄した密約があり、その資料の公表をしないようにと、法務省から国会図書館に要請があったとのニュースがながれた。
これは、司法、立法、行政の三権分立からどうだとか、今朝の報道は批判的だったが、まあ検察庁らいしよね。
米軍に屈服した姿を国民に知られたくないから公表に横槍。これが法治国家だと言うから笑える。
日本人は中国が無法とか、ロシアは野蛮とか言う。まあ当たってる部分はあるが、日本もいい加減な国だよね。アメリカの言うことさえ聞けばいい、か。情けない。
こんな感覚の輩だからこそ、裁判で証拠隠しをして平然としていられる。
昔から、こんな国だったのかなぁ、日本は。ただアタマがいい、お勉強的にアタマのいい輩が国家を私物科してる。
変えたいよね、正義と道理の通る国に。

特別抗告批判第9弾

2008-08-22 | Weblog
俺たちを犯人にするために、当時の捜査指揮者が行った不正行為は、これまでに書いた通りに沢山ある。
その一つに看守勤務者だった者が「桜井の犯行告白の独り言を聞いた」とする捜査報告書のでっち上げがある。
その捜査報告書を引用して俺のアリバイが成立しないと、大林高検は書く。
この捜査報告書を書いたのは、確かに1967年10月15日に勤務をしていた二人、諸岡さんと関根さんだったが、内容はでっち上げ、嘘だ。
大体、独房に入れられてる者が、看守勤務者に聞こえるように「俺は杉山と二人で殺した。これから自白をするんだ。兄貴の住んでるところは警察には話さない」など、センテンスも明確に独り言を言うかい?
これは独り言じゃない。犯人役のセリフならばピッタリだ。
既に批判として書いたから、ここでは詳細は書かないが、大林高検は「桜井についても、10月15日朝、桜井が本件当日は「競輪にきて夕方布川の栄橋上で布川中宿で海老原治さんと立ち話したまでは覚えているがその後何をしたか忘れてしまったな」などと言っており、自ら主張するアリバイが虚偽であることを漏らしていたことが認められる」ごとく言う。
本当に検察は、この捜査報告書を信じてるのだろうか?
誰かと話していたと言うなら判るが、この独り言もひどいでしょ。
俺は、こんな話をした覚えがない。あり得ない。
大体、本人が確認しようもない捜査報告書の内容を使い、かつ常識外の独り言を真実であるごとく主張する特別抗告は、犯罪行為以外の何物でもない。