桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

消息

2013-05-30 | Weblog
もう何年前になるか、布川事件捜査に係わった警察官の所在地を調べたことがあった。
まず、茨城県下の電話帳を1枚ずつめくり、記憶にある氏名を書き抜いて行った。次に、その判った住所からゼンリンの地図で場所を確認した。
意外と判るもので、大体、8割の警察官の所在地を割り出したが、かなりの方が亡くなっていた。
もうどうでも良い話になったが、一昨日、また1人の所在地が判った。
薗部省一さんの訃報記事だった。当時、薗部さんは24歳。刑事になるとかで、取手署の留置場看守勤務をしていた。何でも、留置場で犯罪者を観察して、それを捜査に生かすのだとか聞いた。
まだ巡査だったが、「元ひたちなか西署警部」とあり、享年69歳ともあった。薗部さんは歌が上手くて、良く唄っていた。そう悪い人には見えなかったが、あの頃から40年ほど、警部になって終わった警察官人生では、果たして何人の冤罪者を作ったろうか。
俺が生きて来た歳月と較べて、どっちが幸せだったかなぁ。

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