桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

ラストナイト

2013-05-23 | Weblog

昨夜は、ニヨン最後の夜。参加者一同の反省食事会だったが、団長以下、幹部5名が、ジュネーブ駅まで飲み屋に入り、20分弱の遅刻。
これもエピソードだった。上田大使のシャラップ発言があって、最後の食事会も盛り上がったが、レマン湖対岸の街に射し込む夕陽が、1つ場所を輝かせて、実に綺麗だった。
驚くのは、この光景は午後8時45分過ぎだということ。ヨーロッパは、夜が長い。

日本審査

2013-05-23 | Weblog
ニヨン市内を連れ合いと歩いた後、ジュネーブ駅まで行き、買い物をし、それからパレ・ウィルソンに行った。
パレ・ウィルの守衛は、俺がパスポートを出したらば「OK、アイ、リメンバンー、ユウ」と言う。覚えられたようだ。
日本審査は3時から。
法務省、警察庁、外務省の順に回答していったが、言われたことを理解していないと言うか、全く世界の常識を理解しない回答ばかりで呆れてしまった。
日本の回答を録音して来たので、帰国後に、その馬鹿さ加減を披露するつもりだが、日本政府の馬鹿さ加減を示すエピソードが上田大使の発言だった。
拷問禁止条約委員会の委員が、日本の回答に対して再質問し、「日本の取り調べの在り方は中世的だ」と、かなり鋭く指摘した。我々は、よし!と喜んだが、上田大使は面白くなかったらしい。最後の発言で、「日本は世界の先進的な近代国家だ!」と、大声で反論した。
もちろん、我々は大使の激怒と反論の馬鹿馬鹿しさに笑ったところ、「シャラップ!」と2度も叫んだのだ。公式会場で、こともあろうに大使たる者が、感情を露にしてシャラップと叫ぶとは、中世的なのは司法だけではなくて国家そのものだと、上田大使は暴露してしまったねぇ。
最後の最後に上田大使がシャラップと叫んだのを聞いて、今回の傍聴に参加した意味があった。
散会後、大使たちと一緒に部屋を出て、「上田さん、日本は中世的ではないですよね。世界に較べて30年くらい遅れているだけですよね」と言ってあげようとしたらば、同行者に止められてしまった。残念!
我々が玄関広場に揃ったとき、最後に来た女性代表が携帯カメラを構えて俺たちを撮影するような態勢をしたので「誰を撮ってんの?」と聞いたらば、「彫刻を撮りたいが、逆光で」とか言ってた。「権力は監視が好きだからねぇ」と言ったらば真っ赤になっていたけど、「ポーズを取りましょうか?」とでも言えば良かったなぁ。上田大使並みの反応になってしまった、と反省。

原因不明

2013-05-23 | Weblog
この前のネパールでもだったが、突然に圏外表示になり、携帯が使えなくなった。仕方なく、発信予約にしておくだけにブログを書いていたが、今朝、起きたらば、また携帯が通じるようになっていた。
ただ、溜まっていた60通のメールは、俺のミスで消えてしまった。
ジュネーブに来ても、訳の判らない迷惑メールは順調に届いていたので、その過半数は迷惑メールだと思うが、もしメールを送ってくださった方がいたらば、ごめんなさい!

ニヨン散策

2013-05-23 | Weblog
同行の皆さんは、ジュネーブ旧市内見学組と、鈴木弁護士推薦の山組とに別れて行ったが、俺たちは市内散策をした。
ニヨン市街は狭いから、すぐに周回が終わってしまうが、店を見学したり、土産を探したりで、結構、時間を食った。
最後はニヨン城。前回は無料だったのに、今回は8フランの入場料だったが、まあ維持費には仕方ないか。城内は、かなり改修されて小綺麗になっていた。でも、その分、荒々しさは消えて、何となく物足りなかった。
あぁ綺麗になって物足りないと、最上階に入って衝撃。旧牢獄跡には、明らかに拷問によって残されたことが明らかな血飛沫が、何ヵ所にも残っていた。前回は、ここは見られなかった。いゃあ生身の痛みを直接に触れるのは衝撃だ。
人の歴史は無残なものが多い。
昼飯は、結局、店に入らないでホテルでカップ麺。ニヨンでのカップ麺な、なかなかだった。

新なエピソード

2013-05-23 | Weblog

前回のジュネーブ訪問のとき、佐竹さんは航空チケットを紛失したと、みんなの前に大荷物のバックを開けて下着まで開陳しての騒動だった。
今回も、まずエピソードワンは佐竹さんだった。
財布を盗まれたか落としたかしたらしく、お金は入れてなかったらしいが、カード3枚も紛失。日本との国際電話であれこれと失効手続きをしていた。
昨夜、麒麟で、俺は「高清水」を試しに飲んだ。
大体、ジュネーブで飲む酒が美味いはずはなく、安いはずもない。俺は1本で充分に「こんなモノ」を堪能したが、生江さんは2本目も注文した。そして、1本2千円と聞いて驚いていた。皆さんに笑われていたが、可哀想に!

会食

2013-05-23 | Weblog
昨夜の夕食は、ジュネーブの日本料理店「麒麟」で中華料理だった。
麒麟の由来も判らないし、そもそも日本料理店で中華料理と言うのも可笑しな取り合わせだが、味の方は、ジュネーブならば仕方のない味だろう。
社会権規約委員の韓国出身、申さんを囲んでの食事会だったが、圧倒されるような韓国の状況を聞かされた。事、細かくは忘れたが、法務省を離れた第三者機関は存在するし、人権を守る組織も法務省内に作られていると言う。もちろん、それを切り崩そうとした法務省からの攻撃はあるようだが、確実に反撃して許さない活動をしているらしい。さすがに軍事政権下で戦いを続けて来た韓国だ!と感動したし、人権後進国日本も頑張らなければいけないと刺激を受けた。
素晴らしい夕食会になった。

日本審査

2013-05-23 | Weblog

今日は、午前10時から日本審査。
小雨の中、ホテルからニヨン駅に。何時もは、大して客もいないのに、今朝は月曜日で、沢山の乗客がいた。
ジュネーブの駅に着いたらば雨は上がっていて、パレウイルソンへ。
2度目だし、前回の中村千恵子さんの絵手紙外交もあってにこやかに守衛が迎え入れてくれた。
日本審査の会場は、俺が発言したと同じ場所だった。日本からの政府代表は16名。上田と言う大使が、まず政府としての基調コメント。それに対して、各委員からの質問が、午後12時過ぎまであった。
ただ、その各委員の質問は、少し的外れがあったりして、余り「鋭い!」と感じるものがすくなかったのは残念だった。
明日の日本政府答弁が楽しみだ。

またニヨンに

2013-05-23 | Weblog
同じホテルに戻ったが、今度は部屋も違い、今回は他の部屋の音には悩まされないと思ったが、甘かった。ニヨン辺りの四つ星ホテルは、隣部屋の音が漏れ聞けて当然のようだ。
夕食は、初めてホテルで食べたが、これは満足出来た。
やっと風邪も治り、明日からは普通に戻れるのではないかと思う。
今回の隣部屋の音は、茨城県から参加の佐竹さんが発する声。佐竹さんは、これまでに2度、布川サポーターとしてジュネーブに来ているが、何を無くした、忘れた!とエピソードを作る人で、今回は銀行カードを紛失したと、日本との電話のやり取りが筒抜けだった。
いゃあエピソード王!

ベルン観光

2013-05-23 | Weblog









ニヨンに帰っても時間が早いと言うことで、今日はスイスの首都、ベルン観光になった。
ベルン駅に着くと、駅構内に警官がいて封鎖の紐が張られてビール缶などが散乱している。昼まで封鎖とのこと。
何事ならん!と思ったが、地上に出たらばサッカー場で上がるのと同じ歓声が、どこからか湧き上がり、すぐにサッカーの試合によるものだろうと判った。
道を進んだらば、赤いサポーターが左手、青いサポーターが右手と別れて陣取る広場に出た。赤い多勢のサポーターが盛り上がっていた。地元チームがチューリッヒチームと最終戦を行うのだとか。
国会議事堂、かの有名なスイス銀行、大聖堂、アインシュタインの住んでいた家などを見て、世界一幸せな熊が住んでいると言われる牧場へ。熊はベルンのシンボル。
そこから、更に歩いて行く人と別れて、俺は何人かと昼飯場所を探しならば駅に戻ったが、良さそうな店はサポーターで一杯。俺以外はケーキ屋に入ったが、とても食べる気持ちになれないので駅近くに1人で戻ったらば、また歩行が規制され、回された場所は、先ほど2、30名だった青いサポーターが群衆となって群れていて歩けないほどになっていた。
どこの国も若者は同じで、ところ構わないゴミや空き缶の散乱、放尿、何とか人を掻き分けて駅に辿り着いたが、とうとう昼飯は抜きなった。ツアーなのだから、昼飯くらいは場所を決めるのが当然なのにと腹が減るのを忘れるほどに腹が立った。
ベルンの街は美しいが、印象は最悪だなぁ。