桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

和歌山刑務所

2011-02-28 | Weblog
大阪の目覚めは雨音だった。3時過ぎに目覚めてしまい、それからうつらうつらして二度寝したのが、5時を過ぎたころだったろうか。
8時過ぎに朝飯を食べ、取材と言う記者と大阪駅で待ち合わせて和歌山へ向かった。
途中、濃い霧が出たりしたが、予定通りに和歌山に着き、すぐにタクシーで刑務所へ行った。
もう2度、面会に来ているが、住所氏名、年齢に生年月日、更には、それらを証明出来るモノを出せと求められるのは嫌な気分だった。
今回は担当者だろうか、出て来て「面会は許可しますが、裁判に付いての話だけということで」と言った。青木さんは、今までになく明るい雰囲気だった。やはり、今の情勢を感じているからだろう。そして、やっと刑務所に慣れて来たのだと俺の体験からの想いを重ねたて感じた。
「無期で冤罪の人は、みな男。女は、私だけ」と聞き初めて気付いた。「酷い」の言葉が痛かったが、何とか早く自由に出来るように、俺も力を尽くしたいと、改めて思って帰って来た。大阪は雨が上がり、日が射す中、帰路に付いた?

大阪の夜

2011-02-28 | Weblog
昨夜は、少し夜を楽しむ食事と酒と思ったが、あいにく日曜日。店は閉まっているところばかりだった。
仕方なくホテルの隣にある韓国料理屋に入ったらば、何だか知らないが定食のみと言う。定食を注文して生ビールを一杯飲み、早々とホテルに戻り、部屋で缶チューハイと酒を飲んで寝る、冴えない夜だった。

この程度?

2011-02-27 | Weblog
絶大な期待を持って見学に来た姫路城だが、拍子抜けした。
確かに城郭は広大で古い櫓も残存し、国宝に相応しい歴史は味わえたが、天守閣がないのではノンアルコールのビールと同じだ。昨年、案内された郡上八幡城の方が印象が強い。
やはり、この写真に天守閣がないと姫路城は姫路城ではないね。

百間廊下

2011-02-27 | Weblog
姫路城に暮らした千姫の足跡が刻まれた西の丸にあるのが百間廊下だ。
もう春を感じる陽気だから良いが、さぞかし冬は!と思われるのは、どこの城も同じだった。

陪審員裁判を復活させる会

2011-02-27 | Weblog
そういう会がある。
大正時代に行われていた陪審員裁判は、法律上、今は休止状態にある。
それを復活させる会が活動をしていて、今日は大阪での集会に招かれた。
初めの予定では、会を支える作家の伊佐千尋先生とご一緒に話を進めることになっていたが、先生が体調不良になられたとかで欠席され、俺が一人で話すことになった。
陪審員裁判を復活させる会は、裁判員制度を否定される方々の集まり。裁判員制度を認めている俺なのに、どうなることやら!
会場の本願寺津村別院は、通称北御堂(きたみどう)と呼ばれる、親鸞上人と蓮如上人の像が立つ、立派な聖堂だった。

大阪の休日

2011-02-27 | Weblog
今日は雨の予定だったが、爽やかに晴れている。
雨ならばホテルで寝ているつもりだったが、晴れているのでは蟄居は勿体ない。恒例のスポーツ報知を読みながら行き先を考えていると、親友の彼氏が奈良競輪場に出場しているのを知った。どんな走りをするか、この目で見てくるか!と思ったが、余りに爽やかに晴れた空。この空の下で姫路城わ見たいとも思った?
奈良競輪場か?姫路城か?決めかねて外に出たらば、やはり念願の姫路城だ!と思った。
奈良競輪場、45年振りの訪問も感慨深いものはあったろうが、何れ若き思い出を訪ねるとしよう。秋永選手、頑張れよ!

畏れ

2011-02-27 | Weblog
俺は話すことが上手と言われる。上手がどうかは判らないが、話すたび、自分の正直な思いを語れるとは感じている。自分の経験で得た確信的思想から沸いて来る言葉で話しているつもりだが、相手の言葉や質問に応える言葉は、その都度、自在に出てくる。
このところ、マスコミなどの取材が続いて、色々と自分の内面を語る機会も増えているが、語るたびに自己検証をしている感じで思いや言葉が深まるのも感じている。
先日、ある記者から「話しを聞いて以降、私も悔いない仕事をしたいと思って事に向き合っている。判決後は友達になって欲しいと思っている」と言われた。
俺には子供になる世代の若い記者の思いは、本当に嬉しかった。
昨日は、関西に住む女性が来て、将来の話を聞かされたが、要は、話を聞いて自己革命の生き方をする気になった、と言うことだった。新しい人生を歩み始める決意をして、自分に正直に行きると決めたと言う。
俺は、ただ自分の体験と体験から得た人生観を話しているだけだが、自分が思う以上に聞く人に影響を与えるのかも知れないと感じる二人の話で、徒や疎かに言葉を語れないと、少し畏れを感じた大阪だった。

春一番

2011-02-26 | Weblog
昨日は、まるで春本場の陽気だったが、春一番が吹いたらしい。
昨日、バスに乗ったらば、何と運転手が車内マイクで「今日はあったかいねぇ!」と客に声を投げて来たのだ。きっと、余りの温かさに心が浮き立ち、声を上げずにはいられなかったのだろうが、初めての体験で、その茨城弁に笑ってしまったっけ。
今日は、普通の気温に戻ったが、春は確実に近付いている。

この期に及んで

2011-02-25 | Weblog
まだ検察は、一部可視化でお茶を濁そうとしている。1度、この組織は解体しなければダメかも知れないね。
マスコミの取材を受けて話す度に思うが、検察は司法、法務省は行政。確か、そうだよね。
日本は司法、立法、行政の三権分立国家ではなかったのだろうか?
検察は法務省を支配し、課長以上は、大半が検察官だ。これはおかしくない?
肥大した検察官僚は、行政を通じて立法府にも影響を及ぼしているが、だから、この期に及んでも可視化は一部で良いなどと、ふざけた主張ん重ねるのだ。
多分、そのうち、前田ショックの検察批判は収まるし、元の木阿弥にして好き勝手な捜査や裁判支配を行えると甘く見ていようが、そんなに甘いかなぁ、今度は。
布川が無罪になった後、更に検察批判は強まる。真面目に捜査に協力した女性に対して、自分たちに不利なことを言うからと、嘘付き呼ばわりで公然と批判した検察の行為は、個人前田の犯した証拠改ざんよりも罪が重い。必ずや、その傲慢が検察の首を締めることになる。もちろん、首を締めるために俺も声を上げるが、どちらが社会の納得を得ることになるか、判決が楽しみだねえ。