桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

袴田事件集会

2013-06-30 | Weblog
大津から清水市に行き、会場の清水テレサに着くと、まだ青木理さんが話をしていた。
青木さんの講演の後は、弁護団の報告だった。
長く袴田事件弁護団をしている田中先生は、捜査が行った証拠捏造に裁判所が焦点を当てた今に感慨があるせいか、実に思い入れ深く話してくれた。
俺も、少し話したが、時間がなかったからね。話したい思いの、ほんの少し。
懇親会は、大出先生も参加されて自由にワイワイだった。
袴田さんの衣類だと味噌タンクに、怪しげな衣類を仕込んだのは、警察か検察か?
どっちにしても殺人行為、袴田巌さんを死刑囚にする証拠捏造行為だ。これをした連中は裁かれなければならない。
これまで証拠捏造の犯罪行為を許して来た裁判の歴史が警察や検察を増長させたよね。
正しく人の行為を裁く、警察や検察の不法行為を裁く社会を作りたいし、近い将来、そうなると、俺は確信してる。
なぜ?
俺が千葉刑務所から出て北16年前、冤罪の言葉を読める人が少なかった。でも、今では中学生が学校で冤罪を勉強する。
これから16年後、もはや検察が証拠を独占して司法を自由にねじ曲げることなど、あり得ない。
証拠は、裁判員をする国民のモノとなっているだろうし、警察や検察が証拠を捏造して許される時代ではなくなっていると、俺は確信する。
さて、どうなる!

柿木さん激励集会

2013-06-30 | Weblog
浜大津駅側にある会場で、午前10時から始まった集会は、用意した席では足りなくなる、80名を越える参加者だった。
なかには、柿木さんが教師として教えた子供の保護者も来て、柿木さんの教師としての人柄も判る集会になった。
弁護士さんの高裁判決批判は、その前提事実を知らない人には理解し難い部分はあったが、とにかく警察官の変転する証言だけを頼りとした判決であることは良く判った。そして、「冤罪ファイル誌」に、この事件を書いた里見さんの話を聞いて、事件の問題性が、実に良く判った。
たまたま痴漢車両に乗っていて、警察官たちの行動を見ていた証人の証言を退け、警察官たちの証言だけを信じて有罪にするならば、何時でも、誰でもが犯人にされる、暗黒国家になる!と言った。
高知白バイ事件も、全く柿木さんの冤罪と同じだが、高知白バイ事件と同様に、柿木さんの冤罪は、絶対に晴らされなければならない!

激励の夜

2013-06-30 | Weblog
昨夜は、痴漢冤罪で有罪にされた柿木さんご夫婦と大津駅に近い居酒屋で一杯やった。
冤罪事件を背負う苦しみは、罪に重いと軽いはあっても、その苦しみに然したる違いはない。覚悟を決めなければならない重罪よりも、却って痴漢冤罪などの方が苦悩は深いこともある。菅家さんやゴビンダさんのように、真面目に生きて来た人ほど、冤罪で受けた傷を回復出来ないのだが、柿木さんご夫婦も真面目に生きて来られたから、なぜ証拠もないままに犯人にされてしまうことに、人生を失うような痛みを味わっている。
昨夜は、俺の体験も話しながら柿木さんご夫婦の話を聞いて、少しは元気になってくれたようだが、本当の解決は無罪判決しかない。何とか最高裁で勝って欲しいと願うばかりだし、俺も可能な限りに支援するつもりだ。

昨日のこと

2013-06-30 | Weblog

俺の携帯に登録されていない番号から電話があった。誰だろうと出たらば、今日が集会の袴田事件関係者からのだった。

名前を名乗られた後、いきなり「杉山さんは来られないそうです」と言う。はあ?思わず言ってしまった、「え?、どういう意味ですか?」。

杉山は杉山の価値観で「冤罪仲間」のために活動しているのだろうし、俺はおれでやっている。杉山の参加不参加は、全く俺の行動には関係ないことで、わざわざ知らせる意味が理解できなかったが、杉山が参加しないと俺が参加しやすいとでも思ったのかも知れないと、電話切った後、苦笑だった。

 


判るような気がする

2013-06-29 | Weblog
俺はツイッターはやらない。短い呟きなんて、俺には合わないからだが、これが人気なんだね。
今日の新聞には、これを使う人で1番人気は橋下徹だとあった。圧倒的に橋下の呟きを見る人、フォローする人が多いらしい。
これが原因だね、橋下が慰安婦問題で自説を語り続け、平然と自分の発言を捻り曲げたり、新聞社が間違ってる、と嘘を言うのは。
歴史的事実を知らずに、安倍政権の語ることが真実だと思う無知は、橋下発言に共感してツイッターに賛同する。この無知の多さが、また橋下を錯覚させているようだ、自分の発言は国民の多くが支持してる!と。維新の選挙公約も発表されたが、残念ながら「国際的な名誉回復」は、安倍発言や橋下発言では成せないだろう。
余りに偏狭な視野と錯誤した歴史観は、ますます国際的な孤児になるだけだ。中国や韓国だけではなくて、このままではアメリカ政府も、やがて厳しい指摘をすると判らない、この橋下。狭い世界の喝采だけしか見ていないからだと、少しだけ、橋下の心境を知った思いだ。

農作業

2013-06-29 | Weblog
昨日は、連れ合いの実家に行って草刈りをした。
父親の生存中は、実家に行っても草が生えていることはなかった。何時も草取りをしていたようだが、主を失った実家は、母親1人。ときどき東京から来る義兄がやっているが、とても草の繁殖力には追い付かない。
俺は土方作業で草刈り機を使った作業はお手ももの。昼前から夕方までに、ほぼ予定の範囲を刈り終えた。目に付くところだけを掃除して陶板浴に入り、着替えずに、真っ直ぐ帰宅して風呂。夕食で一杯飲んだらば、9時前に眠くなってしまった。
久しぶりの肉体労働だったが、俺は働くのが好きだと、改めて感じた。汗を流し、動き回れるのは最高だ!もう1度、土方をやりたいなぁ。

辛抱治郎の冒険

2013-06-28 | Weblog

コメンテーターと言うか、司会者と言うか、読売テレビの番組をしていたが、俺は嫌いだった。公正を装っているが、所詮は権力の代弁者、あたかも客観的なことを言ってるようで強き人々の代弁をしているのだから最悪だと思っていた。

この人、弱者に冷たい政治家の語る「自己責任」を、同じように語るのも好きだった。

高遠さんが外国で事件に巻き込まれたときも、声高に自己責任を語り、高遠さんに責任があるかのように語っていたけど、天に唾すると自らに降りかかるものだねえ。

太平洋横断のヨット冒険に出かけたらば、不運にもクジラに衝突してしまい、ヨットは浸水、海上自衛隊によって救助された。救助されたことは良かったが、これ、自己責任だよねえ。

何でも日本テレビ番組、夏の名物「24時間テレビ」の中で、この太平洋横断冒険は、タレントのマラソンと並んで目玉にするためだったと聞く。

ますます自己責任。で、救助費用の自己責任と言われているようだが、あの時外国の紛争で苦しむ人のために活動して事件に巻き込まれた高遠さんに「自己責任、費用を自分で支払え!」と、テレビで語っていた辛抱さん、苦しい立場だねえ。

言論人の責任、どう考えているか知らないが、まあ権力の味方なんて、こんなもの。自分のときは知らぬ顔の半兵衛。また元気になって、他人の苦しみには自己責任!と語ったりして。


荒井政男さん

2013-06-27 | Weblog

東京拘置所内で出会った人に、荒井政男さんがいた。

三崎事件と呼ばれる事件で冤罪に巻き込まれたと言っていて、2階の荒井さんと3階にいた俺は、時々、手紙のやり取りをしていた。事件内容も聞かされたが、犯人は2階の犯行現場から1階まで、駆け降りたらしいが、荒井さんは足が悪くて片方の足を引きずるように歩いていた。「この足では駆け降りられない」と言っていたが、生き残った被害者の高校生の息子が「この人だ」と、証言したことなどで有罪になり、死刑囚として東京拘置所にいたが、お気の毒に2008年に病死した。獄死させられてしまった。

昨日、法廷前に弁護士控室に入ると、氷見事件の支援している山際監督がいた。「今日は何ですか?」と聞くと「三崎事件の再審で、良い鑑定結果が出た」と教えてくれた。

荒井さんの車のトランクにあった大工道具袋に付着した血液は「被害者の物」として有罪の根拠になったが、被害者家系の人の協力を得て、「ミトコンドリア方式のDEA鑑定」をしたところ、被害者の血液ではないことが判ったのだと言う。

娘さんが再審を引き継いだそうだが、今日の新聞にも、この鑑定のことが記事になっていた。

良かったねえ、と言っても、もう荒井さんには、この喜びが伝わらない。

無実の人が冤罪に囚われたまま塀の中で死ぬことほど、悔しいことはない。今、名張事件の奥西さんも厳しい状況であることを思うと、この悔しさのために俺は闘うのだと、感じるものがある。


mox燃料

2013-06-27 | Weblog

原発にプルサーマル計画というのがある。原発で使った燃料から取り出したプルトニュームをウランと混ぜて、再び原発の燃料として使うことを言うらしいが、これ怪しいよね。

一度事故となったらば、燃料にはプルトニュームが入っているのだから、これまでの被害規模とは違うことになる。それに聞くところでは「100%のMOX燃料は制御が利きにくい」らしい。暴走が始まったらば終わりということだ。どう考えたって、夢を見ているとしか思えないねえ、この計画は。

何十万年も土に埋めて放射能が消えるのを待つしかない廃棄物を作り出して、今の繁栄しか考えないのは、人類に対する犯罪だよねえ。

電力各社の株主総会も終わり、いよいよ原発稼働の蠢きが本格的になりそうだ。良いのかねえ、こんなことで。