今週は早番のため7時半からの勤務に備えて6時半には自宅を出る。
いつも使っている給油所が24時間営業に変わって便利になったから通勤途中に立ち寄った。
すると見覚えのあるクルマが隣のレーンから出ていこうとしていた。
そのクルマはずいぶんと背が高い。
私のクルマは小さいから見上げるように隣を見るとクルマの主は私と前の職場で良からぬ因縁があった人物であった。
視線を送る主が私だろうと気づいたとは思うがカラんでくるようなことはなかったのでホッとした。
それにしても、平日の6時半という時刻に彼の住所からはやや離れた魚津市内にいるということは気になった。
私の前職の始業時刻は9時で、彼が引き続きその職場で続いているとすれば平日の6時半なら彼自身はまだ自宅で寝ていてもいいくらいの時間であるが彼は確かにクルマに乗って魚津にいた。
過去、自身より意欲もあり能力もある人物をことごとくいじめ抜いて追い出してまで仕事場にしがみついてきた当人も、ついに自分自身もいられなくなる何かがあったのかもしれない。
自分の居場所を何とか守り抜こうと乱暴な方法も含めて必死で工作して最後には相手を追い出すまでやってしまえば短期的には勝ったように見える。
しかし時を経て自分自身もその居場所を失うことになれば、勝ったように見えていたものもそうではなくなり実質は負けとなる。
今彼がどんな立場で、どんな契約形態で働いているのかは(そもそも働いているのかどうかも)知る由もないが、私自身は災い転じて何とやらで、数か月の雌伏ののち正社員という立場で今の会社に拾ってもらえた。
私からすれば、負けたように見えていたものがそうではなくなったわけである。
彼の顔を見て1年あまり前のイヤな出来事を思い出してしまったが、仕事の時間になってしまえばそんなことは忘れてしまった。
応分の投資と時間を使って得たせっかくの資格を存分に生かして仕事できている今は幸せである。
今の現場にだって私の活躍を「望まない」勢力も少なからずいることは確かで、単に社歴が長いとか社内事情に精通しているとかのアイマイな根拠に基づく変なプライドは一丁前に持っている。
「オレより後から来た人間だからオレよりはできない知らない」などという脳内設定は、日々私自身の手によって目の前で粉砕してあげているはずなのだが、その事実には残念ながら気づいていただけてはいないようだ。
長く生きてきた結果、他人に期待しすぎない冷酷な人間になってしまったので、今の職場でもこれからもいろいろとあるだろう。
対立するまではなさそうな人でも、関心事が違いすぎるためか特別に仲良くなれる感じではない。
あくまで仕事場では仕事、と割り切ってあまり心をザワザワさせないでいくのがいいのだろう。