スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

エクリプスステークス&リアルな体験

2020-07-06 19:07:56 | 海外競馬
 日本時間で昨日の深夜にイギリスのサンダウン競馬場で行われたエクリプスステークスGⅠ芝1マイル1ハロン209ヤード。
 ディアドラは好発から2番手の外。出走した7頭が,前の3頭と後ろの4頭に分かれるような隊列で前半を経過。この途中で単独の3番手になりました。後ろの4頭が前との差を詰めてきましたが,位置は3番手のまま直線に。直線は外から被せられるような形となり伸びあぐねましたが,外に馬がいなくなると再び脚を伸ばしました。ただそれはレースが実質的に終ってからのことで,勝ち馬から5馬身強の差で5着でした。
 このレースは上位の3頭が世界最強クラスですから,ディアドラ自身の能力からすると順当な結果であったと思います。直線が上り坂なので,そのために伸びを欠いたという面はあるかもしれません。レースの内容だけで考えれば,もう少し控えた方が上位との着差は詰まったような気がしますが,勝ち馬は逃げ切ったのですから,勝ちにいくレースをした結果だといえるでしょうから,それは止むを得なかったと思います。

 僕は,平面上に三角形が描かれるとき,その内角の和は二直角でなければならないと考えます。いい換えれば,内角の和が二直角でない三角形が平面上に存在することは不可能だと考えています。ただ,僕がそのように考えている理由というのは,最高に完全summe perfectumであるというのがどういうことであるのかということと関係しているわけではありません。というか,それと無関係とはいいませんが,それよりももっと強く結びついている要素があります。それは第二部定理四三でいわれていることなのであって,僕はこの定理Propositioの内容を,論理的にあるいは理性的に理解しているのと同時に,リアルなものとして体験しているのです。このために僕は事物を真にあるいは同じことですが十全に認識した場合にはその真理性を疑うことができません。いい換えればそれが真理veritasではなく虚偽falsitasであるということは不可能であると考えるのです。したがって平面上の三角形の場合には,その内角の和が二直角であるということは疑い得ないことであり,二直角でないということは不可能であると考えるのです。そしてこのためには,最高に完全であるということを,スピノザがいうような意味で解する必要があるのであって,逆にいえば僕が最高に完全であるとはいかなることであるのかということについてのスピノザの見解に賛意を示すのは,第二部定理四三をリアルに感じているということの影響がないとはいいきれません。なお,この定理は真の観念idea veraについて言及しているのですから,ここではことばと観念が異なるということには十分に留意しておいてください。
                                   
 もしも神Deusの本性essentiaに自由意志voluntas liberaが属すると主張する場合には,平面上に描かれた三角形の内角の和が二直角であるということもまた,神の自由な意志によって決定されたといわなければなりません。したがって神は,その三角形の内角の和が二直角ではないようにすることもできたし,また現にできるといわなければならないことになります。つまりその内角の和が直角であったり三直角であったりというように,無限に多くのinfinitaケースがあり得るうちから,二直角になることが選択されたのだし,現に選択されているということになります。
コメント
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