スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典スパーキングレディーカップ&神の意志と人間の意志

2020-07-16 18:58:39 | 地方競馬
 ホクトベガメモリアルの昨晩の第24回スパーキングレディーカップ
 ゲートの中で頭を上げるなどしていたマルカンセンサーがやや立ち遅れて1馬身の不利。外からサルサディオーネがハナに立ち向正面にかけて1馬身半くらいのリード。2番手にファッショニスタで3番手はワンダーアマービレとメイクハッピー。5番手以下はメモリーコウ,サラーブ,マルカンセンサー,フラワーオアシス,ピコタンと続き,ここまでは集団。ナムラアヴィだけが大きく取り残されました。前半の800mは50秒4のミドルペース。
 残り800mから一気にペースアップ。サルサディオーネ,ファッショニスタ,メイクハッピー、メモリーコウの4頭が雁行で直線に。メモリーコウは直線に入るところでやや外に膨れてしまい,競り合いからは脱落し,残る3頭の優勝争い。一旦は外のメイクハッピーが先頭に立ったのですが,真中のファッショニスタが内から差し返して優勝。メイクハッピーが4分の3馬身差で2着。サルサディオーネがクビ差で3着。
 優勝したファッショニスタは昨年のスパーキングレディーカップ以来の勝利。連覇で重賞2勝目。その後も勝てないまでも大崩れなく走っていて,ここはメンバー構成的に大チャンス。サルサディオーネの単騎での逃げが予想され,展開的に有利な上,馬場状態も前にいった馬が止まりにくくなったので,そのあたりがどうかとみていましたが,あまり離されずについていったのがよかったのだと思います。外の馬に前に出られましたが,差し返したのは底力の差だったといえるでしょう。
                                        
 騎乗した川田将雅騎手と管理している安田隆行調教師は連覇でスパーキングレディーカップ2勝目。

 神Deusが本性naturaの必然性necessitasによって働くagere限り,第一部定理一六により,そこからは無限に多くのinfinitaものが無限に多くの仕方で生じます。これは,自然Naturaのうちに実在するすべてのものに対して,神が原因causaとして働くという意味です。一方,神の本性に自由意志voluntas liberaが属する場合には,神の自由意志を原因としてあらゆるものが実在することになるといわなければなりません。神は万物の創造者でなければならないからです。したがって,本性の必然性によって働くにせよ自由な意志によって働くのであるにせよ,神は自然のうちにあるものすべての起成原因causa efficiensでなければならないことに変わりはありません。
 スピノザが第一部定理一七備考でいっているように,原因と結果effectusは異なっているがゆえに一方が原因といわれ他方が結果といわれます。このことは別にこの備考Scholiumに依拠せずとも自明の理といえるかもしれません。そこで,人間が何かを意志するということがあると仮定しましょう。これは,現実的に存在する人間がある個別の意志作用volitioをなすことがあると考えてもいいですし,人間を一般的に考えて,その人間の精神mens humanaのうちに意志という思惟の様態cogitandi modiがあるとしても構いません。このとき,神はこの人間の意志の起成原因でなければならないということは,上述のことから明白でしょう。そこでもし神の本性に自由意志が属し,神がその自由意志によってすべての事柄の起成原因であるとしたら,人間の意志の起成原因は神の自由意志であることになります。ところが,原因は結果と異なるものであるがゆえに原因といわれ,結果は原因とは異なるものであるがゆえに結果といわれるのですから,神の自由な意志と人間の意志とは,同じように意志ということばで表現されているとしても,異なるものであると解さなければならないことになります。これが,神の本性に自由な意志が属するという意見opinioが有する最大の難点なのです。
 なおこのことは,おおよそ人間が思惟の様態として有し得るものであれば何であっても妥当します。たとえば知性intellectusであれ精神であれ,神の知性や精神があらゆるものの原因であると仮定すれば,それは人間の知性や精神の原因なので,ことばの上だけで一致しているのです。
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