スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

桜花賞&第三部諸感情の定義二・三

2007-04-08 21:50:19 | 中央競馬
 第67回桜花賞
 好発のアマノチェリーランが先手を奪って逃げました。注目の3頭は,発走後の向正面でやや掛かり気味に上がっていったアストンマーチャンが最も前で2番手,ダイワスカーレットがこの2番手を追う集団の一番外,ウオッカはこの3番手集団の直後からでした。前半の800メートルは47秒8で,これは極端なスローペース。
 直線に入りアストンマーチャンが先頭に立つと満を持してダイワスカーレットも追い出し,これを交わします。さらに外からウオッカも伸びてきて,この2頭で後続を離したのですが,ダイワスカーレットの脚が最後まで衰えず,振り切って優勝。ウオッカは2着までで,直線で一杯になったアストンマーチャンは7着まで後退,3着には道中はダイワスカーレットと共に3番手集団の一角を占めていたカタマチボタンが食い込みました。
 優勝したダイワスカーレットは重賞はこれが初勝利。昨年のJRA賞の最優秀短距離馬のダイワメジャーの半妹にあたる馬。スカーレットインクの一族から3頭目の大レース優勝馬となっています。
 手綱を取った安藤勝己騎手はこれがJRA通算700勝目。今年はフェブラリーステークスに続く大レース2勝目で,桜花賞は昨年に続いての連覇です。
 ウオッカは2着でしたが後続には決定的な差をつけていますので,ある程度の能力は発揮しての結果と思います。この2頭はオークスでも有力でしょう。
 アストンマーチャンは発走後に掛かったのがすべてで,1600メートル十分に能力を発揮するにはやや長いようです。

 第四部定理八は定理ですので証明が必要です。しかしそのために事前に確認しておかなければならないことがふたつほどあります。まず,喜びという感情,悲しみという感情のスピノザの定義をみておきます。
 喜びは第三部諸感情の定義二。
 「喜びとは人間がより小なる完全性からより大なる完全性へ移行することである」。
 悲しみは第三部諸感情の定義三。
 「悲しみとは人間がより大なる完全性からより小なる完全性へ移行することである」。
 これらの定義はこれだけでは理解しにくいと思うのですが,まず前提にあるのは,人間の身体が外部の物体と関係することによって,その力が増大あるいは促進されることもあれば,減少あるいは阻害されることがあるという点です。次に,スピノザの哲学に特有の平行論,あるいは第二部定理一三第二部定理七から,人間の身体の力が増大あるいは促進されるなら人間の精神の力も増大あるいは促進され,逆に人間の身体の力が減少あるいは阻害されるなら人間の精神の力も減少あるいは阻害されることが分かります。そこで人間全体(人間の身体と精神)の力が増大あるいは促進される場合,それを人間の本性の完全性がより大なる状態に移行するといい,逆に人間全体の力が減少あるいは阻害される場合には人間の本性の完全性がより小なる状態に移行するといわれます。完全性(実在性)というのは力という観点からみた限りでのその事物の本性そのものと僕は理解していますので,この解釈は妥当であると思います。
コメント
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