スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ドバイワールドカッデイ&消極的な説明

2007-04-01 22:46:56 | 海外競馬
 ドバイの国際レース。数が多いので日本馬を中心に簡単に回顧します。
 レース順にまずゴドルフィンマイルGⅡ。フサイチリシャールは無理なく好位につけての競馬。残り400メートル辺りでは手応えもよく上位争いが可能ではないかと思ったのですが,ばててしまい勝ち馬から9馬身強離されての6着。やはりダートでは厳しかったようです。
 UAEダービーGⅡ。ビクトリーテツニーは最後方から。直線はそれなりに伸びて5着。この馬は日本でも最上位クラスの馬ではありませんので,着順としては健闘したといえると思います。ただ,圧勝した勝ち馬からは16馬身も(とはいえ1着と2着が9馬身半もありましたが)離されましたので,レースそのものに参加したという感じではなく,強い勝ち馬についていってばてた馬が多かったのに乗じたという気はします。
 ドバイゴールデンシャヒーンGⅠ。これは直線コースで,セパレートのような競馬になったので,どのような位置取りだったか把握しかねます。結果的にアグネスジェダイが勝ち馬から9馬身強差の10着,シーキングザベストがさらに半馬身差の11着。この路線は日本が世界的なレベルにありませんのでやむを得ない結果でしょう。はっきりスピード不足を露呈してしまいました。
 ドバイシーマクラシックGⅠ。このレースは馬群が一固まりの競馬となり,ポップロックは後方から2・3頭目を追走,直線は外に持ち出して6着。とはいえ3馬身ほどの差ですから,道中の位置取りがもう少しうまくいけばさらに上位が狙えたのではないかと思えます。ちょっと残念なレースでした。
 ドバイデューティフリーGⅠ。ダイワメジャーは先行集団の外,アドマイヤムーンは中団の外での競馬。直線に入り,ダイワメジャーが先頭に立ったところ,アドマイヤムーンが普段より早めにこれを交わして先頭に。後方から外を追い上げたアイルランドのLingariに半馬身まで詰め寄られましたが,着差以上に余裕をもっての優勝となりました。この馬はGⅠはこれが初勝利。武豊騎手は先週の高松宮記念から連勝。管理する栗東の松田博資調教師は昨年のJBCクラシック以来の大レース。ダイワメジャーは2着から4馬身以上離されましたが3着。この馬は瞬発力の勝負には弱く,もう少しレースを引張ってくれる馬がいた方がよい成績を収められたかもしれません。
 メーンはドバイワールドカップGⅠ。ヴァーミリアンは3番手のインでの競馬でしたが,直線では抜け出したアメリカの2頭に突き放され4着。1・2着馬は強いのでこれは仕方ありませんが,ほぼ同じ位置にいた香港のブリッシュラック(昨年の安田記念の優勝馬)にも5馬身以上置かれてしまったのは残念です。

 人間は元来が無責任なもの,あるいは責任を負いたがらないようなものであって,その人間の性質を利用して,それがある共同体の維持を困難にする行為,すなわち,同じ共同体を構成する他者の自然権を侵害するような行為へと人を向かわせるような感情に対する相反する感情を生じさせるようなものとして,責任という概念があるというのは,確かにスピノザの哲学における責任という概念のひとつのあり方として,成立するような考え方ではあると思います。
 ただ,僕がこの考え方にやや難点があると思うのは,これが責任という概念を消極的な仕方で説明しているところです。つまりこの説明というのは,責任という概念がある場合に,人間はなぜそれを果たさなければならないのかということを説明しているのではなく,なぜそれを果たさないということが否定されるべきであるのかという観点から説明されているように思うのです。もちろん,共同体を構成する各人がその自然権を過度に侵害されないということは非常に重要であるということは僕もそう思うのですが,自然権の保護という目的のための責任という概念という仕方でなく,より積極的に責任という概念がそれ自体で果たされなければならないようなあるものとして,スピノザの哲学から生じてくるような要素がないものか,もう少し考えていきたいと思います。
コメント (1)
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