スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

キングヘイロー&第三部定理四

2007-04-10 20:12:07 | 名馬
 先月のダイオライト記念を勝ったキクノアローの父は日本で競馬をしたキングヘイローという馬。今日はこの馬を紹介します。
 父ダンシングブレーヴはヨーロッパでGⅠ4勝,母グッバイヘイローはアメリカでGⅠ7勝という世界的良血馬。1997年にデビューすると新馬,特別,重賞と3連勝し,クラシック路線に乗りましたが皐月賞は2着,ダービーは掛かり気味に逃げてスペシャルウィークの14着,菊花賞は5着。結局3歳時は勝利を挙げられませんでした。
 4歳になって緒戦の東京新聞杯で重賞2勝目,続く中山記念も勝ちましたが,GⅠでは5戦して11・8・7・2・3着。5歳緒戦ではダートのフェブラリーステークスにも挑戦しましたが13着と惨敗。しかし続く高松宮記念で待望のGⅠ初制覇。その後6戦して勝てずに引退しました。
 クラシック全戦に参加した馬で,勝ったGⅠがスプリントの高松宮記念というのも珍しい話。引退レースの有馬記念でも4着になっていて血統的にも,スプリンターではなく,スプリント路線のレベルの低さに救われた感もあるのですが,能力は間違いなくGⅠ級の馬でしたので,とにもかくにも勝てたことはよかったのではないかと思います。

 明日は川崎でクラウンカップ。展開面にやや不安を抱えていますが,力はヒデサンジュニア◎が上。これ以外は混戦で,順にエスプリベン○,ドミナンスデザート▲,エスプリベル△,ロイヤルボス△としておきます。

 第三部定理七の証明Demonstratioはここでは割愛しますが,これを補強するために第三部定理四だけ紹介しておくことにします。
 「いかなる物も,外部の原因によってでなくては滅ぼされることができない(Nulla res, nisi a causa externa, potest destrui.)」。
 この定理Propositioは証明するのが簡単です。まずある個物res singularisがあって,その個物が滅ぶ,あるいは死ぬということがあるなら,第一部公理三からして,それが滅ぶ何らかの原因causaがあることになります。そこでその原因はその個物の内部,すなわちその個物の本性essentiaのうちにあるか,そうでなければその個物の外部,すなわちその個物とは別の個物のうちにあるでしょう。ところが第二部定義二によれば,個物の本性というのは,それがあることによってその個物があることができるようになるあるものです。いい換えれば個物の本性はその個物の存在(あること)existentiaを定立するものであって,それを排除するようなものではありません。したがって,個物が滅ぶ原因がその個物のうちにあるということはありません。よってその原因はその個物の外部にあることになりますので,すべてのものは外部の原因によってのみ滅ぶということになります。
 もちろんこれが証明されたからといって,直ちに自己の有に固執する傾向conatusが個物の現実的な本性actualis essentiaであるということにはなりません。しかし少なくともそれとは逆のことが個物の現実的本性のうちに含まれ得ないということは明らかだと思います。
コメント (2)
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