スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

名人戦&理性と能動

2007-04-26 22:23:46 | 将棋
 名人戦は一昨日と昨日,第二局が指されたのですが,今日は10日と11日に指された第一局を振り返ってみます。
 森内俊之名人に挑戦するのはA級順位戦で優勝した郷田真隆九段。振駒で郷田九段が先手となり▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩。ごきげん中飛車の立ち上がりですが先手が▲2五歩を決めずに▲4八銀でしたので後手が△3三角~△2二飛と角道を止めない力戦向飛車に変化。森内名人としては乱戦歓迎という意図であったと思いますが,先手の方から13手目に▲6六歩と角道を止め,持久戦に。その後,双方から仕掛けられそうな局面はあったものの互いに自重し,相穴熊になりました。
 2日目,後手から40手目に△3五歩と仕掛けて戦いに。48手目の△6五同飛から△3五飛と転回し,後手が3筋にと金と龍を作る間に先手は玉頭に厚みを築きました。この後,85手目に▲6八銀打と右から打ったのが受けの好手,89手目の▲7三角は後手玉に迫りつつ△9五桂も防ぐ攻防の手。敗着はおそらく92手目に△6九龍と逃げた手で,ここは△8六桂打としておけば,あるいは後手が押し切るという展開になっていたかもしれません。
 この後,95手目の再度の▲7三角も好手でここからは先手の一手勝ちでしょう。最後は受けなしに追い込み,即詰みに討ち取って郷田九段の先勝となりました。直近の対戦で郷田九段は森内名人に6連敗していましたので,ここはそれをとめるという意味でも大きな1勝だったといえるのではないでしょうか。
 相穴熊の将棋というのは一方的な展開になりやすいという印象が僕にはあるのですが,この将棋はかなりの熱戦で,見応えがあったと思います。

 明日は西武園記念の2日目優秀があります。確実に並ぶと思うのは平原-手島の関東と,石丸-小川の岡山。村上-岩見の近畿中部も並ぶでしょう。光岡が岩見の後ろで近畿中部結束なら残った岡田-白戸でしょうか。ただ岡田-光岡で白戸が単騎ということもありそうです。ちょっと分からないので予想は割愛。

 人間が理性によって事物を認識(第二種の認識)する場合,それによって生じる観念に対してその人間の理性,あるいはその人間の精神は十全な原因となっているがゆえに,この場合は第三部定義二により,人間精神がある能動をなしている,あるいは人間精神は能動的であるということになるわけです。したがって,一般に人間精神が能動的であるということは,人間が理性に従って事物を認識する場合であるということになります。これで人間が能動的である場合の責任という概念のあり方を考察するために,なぜ僕が第四部定理三五を取りかかりとして選択したかは理解してもらえるのではないかと思います。
 ごく当たり前のことですが,受動と能動というのは一般的な概念として反対という意味でひとつの組合せを構成します。これを人間について考えるならば,受動感情としての欲望が人間が受動的である限りで人間の本性を示す(第三部諸感情の定義一)のですから,人間にとって受動とは受動感情としての欲望に従うことであり,能動とは理性に従うことですので,受動感情としての欲望と理性が,反対の概念としてひとつの組合せを形成します。
 そしてこのことから,受動感情としての欲望が,受動的である限りの人間の本性であるように,理性というのは,能動的である限りにおける人間の本性を示すということも明らかだと思います。
コメント
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