ある葡萄のシノニム=異呼称=別の言い方です。
その有名なほうの葡萄というのはイタリアワインの王様、バローロや弟バルバレスコに使われるネッビオーロです。
世界中で有名なワインの葡萄品種が植えられ、更には成功を収めていますが、このネッビオーロは難しい品種。
かつてカリフォルニア産のネッビオーロを体験しましたが似ても似つかないものでした。
似ていないだけなら良いのですが、バランスが悪かったのですね。
少なくてもブラインドテースティングをしてわかる人は殆どいないだろうな、と思われる他の土地でのネッビオーロは実は本拠地ピエモンテのすぐ隣のロンバルディーアだと「どうなるの?」てなもんです。
少し前までは、やや薄っぺらい印象がぬぐえませんでした。ま、少し前といっても私の場合20年くらい前の話なんですが・・・
で、表題のキアヴェンナスカはロンバルディーアでの異呼称。所違えば味も違うので名前も違ったほうがいいな、と思ったものでした。
事実、この地方では「薄っぺらい葡萄」の凝縮を上げてワインを強く造る方法を採用していました、スフルサート或いはスフォルツァートと呼ばれる陰干しした葡萄によるものです。
しかし、温暖化でしょうか、栽培方法が変ったのでしょうか、最近は陰干ししなくてもピエモンテのネッビオーロに近づいているのではないかな?と感じています。何が原因か判りません。
葡萄の成熟の遅いこの葡萄特有の酸のボリューム、長い時間をかけて土中から吸い上げたミネラルや鉄分。以前は感じにくかった成分が感じられるようになってきているのです。
逆に言うと若いうちは「硬さ」と「鋭さ」が旨味や香りを閉じ込めて美味しく感じにくい葡萄です。
さてワインの名前はヴァルッテリーナ。
さすがに10年くらい経つといい感じでほぐれてきます。
今月は99年のヴァルッテリーナ.スペリオーレを手に入れましたのでお試し頂こうと思います。
えっ、99年って高いんじゃないの?と思われるかも知れませんが、安いんですねえ。
と言う訳でバローロやバルバレスコがお好きな方は、手軽なネッビオーロ=キアヴェンナスカで造られるヴァルッテリーナを試さない手はないですね。
合わせるなら鉄分の多く、脂肪は少な目のお肉が良いですね。例えば鹿とか牛のイチボとかです。ソースはあまり甘くしないほうが良いと思います。
ちなみにキアヴェンナスカ、ソムリエ志望の方は覚えておくべき異呼称です。
例えば「20年前」の印象は、イタリアン専門の方から見れば「古すぎる」ことでしょからね。
軽い気持ちで読み流してください!!