ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

マデイラ

2009年11月01日 04時02分33秒 | ワインの事

ポルトガルの沖、約1000キロの所にマデイラ島はあります。よく言う「マデラ酒」の産地です。

過去にも触れたことがあるかもしれませんが、先日最大のメーカー「バーベイト社」のワインメーカーが来店いたしましたので改めて・・・・

このワインは酒精強化ワインの仲間です。ポートワイン、シェリー、マルサラなどがそうです。しかしマデイラはちょっと違うのです。普通は発酵途中の葡萄果汁にアルコール添加し発酵停止によって甘みを残したり、熟成に耐える強さを身につけるのですが、ここのは他の産地ではやってはならない「エ~~~~~ッ」てな事をやってしまうのです。

つまり「暑い部屋(カンテイロと呼ぶ)に置いて酸化、熱変を起こさせる」「樽に長期間入れ蒸発を促す」なんて事をするのです。よってワインは茶色くなり、しかも酸化風味がハッキリ出ます。他の産地ではワインが傷んだときに「マデラ化した」と言うほどに大変な勇気ある造り方です。また、ほとんどの日常用のそれは料理用として有名で、飲むものではない、と思っている方も多いのです。

が、旨いんだなあ、これが。通常、飲用のものは5種類の白葡萄のいずれかから造られ、5年以上の熟成位からが食後酒として使われます。更に10年、20年、30年と10年刻みでボトルに表記されます。ヴィンテージ入りは20年以上の熟成が義務付けされています。

この長い間に、何が起きるか?蒸発、酸化、糖の凝縮、酸分の凝縮などです。

酸化は下手をすると「劣化」につながりますが、マデイラのそれは昇華です。やや甘口からしっかり甘口までありますが全て凝縮された旨みと酸に支えられ口中を満たしますし、なんと言っても香りに比類がありません。

チョコやパイ類、ドライフルーツ、或いは結構肉類との組み合わせもOK。これは、お嫌いな方もありますが、紫煙とのマリアージュもよく言われるところです。

そむりえ亭ではいつも最低一種類はご用意していますので、ご用命ください。他のお酒の10年熟成のものは値が張るものが多いのですがマデイラに関しては安心価格です。

10年前に訪れたマデイラ島、また行って見たくなりました。


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