ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

ボトルサイズのよるコルクのこと

2014年10月19日 02時02分13秒 | ワインの事
ソムリエにとってはコルクを抜く、というのは当たり前の事。
「苦手なコルクがあるねんなあ・・・・」では仕事になりません。

が、抜きやすいコルク、抜きにくいコルク、というのは確かにあります。
これがプロでない人にとっては更に大変なんですねえ・・



例えば屑コルクを集めて圧縮したもの(お安いワインにかつて多かったですね)は固くて大変、ってことがあります。


或いは古いコルク=30年以上たったものは柔らかくなって崩れやすい状態になっています。


樹脂を使った疑似コルクは崩れたり、硬すぎたりしませんので比較的抜きやすいかな・・・・


新しいコルクでも大きなサイズ、特に4倍サイズ=ジェロボアムとかダブルマグナムとか言われます=以上の大きさの場合は気を付けないといけません。

理由は・・・・・

普通サイズと同じヴィンテージでも需要の差があります。
つまり動いていないのですね。
更にセラー棚にしっかりと寝かせていられないこともあります。
もっというとセラーに納められないので外に放置、という事もあり得ます。

「今ここにあるまでの経緯」が読めないのです。
つまりコルクの状態が乾燥や収縮をしているかもしれないし、ボトルの口径も広いので、基になるコルクの収縮度の差や口径の微妙な差で密閉度に差が出たりするのではないかと推測します。

ボトルネックに固く引っ付いていたり、収縮してスカスカであったり・・・・


じゃ、どうすればいいのか?

まずはスクリューは古いワインと同じように力を垂直にかけずに先端だけチョコッと刺し込んだ後は捻じ込む力は下にかけずに水平に回すに尽きます。
またスクリューは一杯に差し込みます。
ま、古いワインと同じですね!!

文章では判りにくいかも知れませんが、軽い力です~~っとコルクが入った時は危険ですから、コルクとボトルの接着面に爪型のコルクリフトやナイフを入れて抵抗を減らすなどの方法も有効であったりします。

逆に捻じ込み時に固い時は接着の力より強い力で捻じ込むとコルクが下に落ちることもあります。
こういうときこそ軽い力が必要なんです。
力を入れれば入れるほど固くなりますよ!!

どんなサイズでもあり得ることですが、特に大きなサイズは「勢いで抜かない」という事なんですね。

折角の貴重なワインです。
コルクをボロボロにしてしまわないようにしましょうね!!

あ、だめな時は中に落として茶漉しでコルク屑を取りのぞいて召し上がってください!!
「捨てちゃった」という人も時折おられるようですが、全く問題なく飲めますから。


抜き方に自信のない方は、そむりえ亭のカウンターで私の抜き方を遠慮なく見てください。

お声をかけて頂ければスローモーションで実演しますよ!!

お待ちしています!!


                         樋口誠