ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

もう13年前のことです。

2014年08月29日 02時16分15秒 | ちょっと休憩

2001年9月11日。

いわゆる9・11と呼ばれるニューヨークでの航空機テロのあった日です。

衝撃的なあの映像を見た人は「映画?」と目を疑ったに違いありません。

その興奮冷めやらぬ翌日、当時勤務していたホテル日航大阪でコニャック「ヘネシ―」のセミナーがあり、私はコメンテーターを務めさせて頂きました。

私の隣に座るのはその時のチーフブレンダ―のトリコワ氏。

この話を頂いたとき「我が意を得たり」と小躍りしたのを覚えています。

つまり・・・・

高濃度のアルコールを持つコニャックは氷や水で割るのもいいが、ストレートでやるなら冷凍庫で冷やすに限る、というものでした。

「ウォッカやオー.ド.ヴィ類は冷やすのに何故コニャックは冷やさないのか?

まして人間の体温で温めたりしたらアルコールが揮発して《美味しい香り》がマスクされてしまうし、舌の上で焼けるような感覚が早く出てしまう。

キチンと熟成したコニャックは冷凍の温度でも充分に香るし、むしろ香りの「良い部分」だけを感じさせてくれる。

それから、古いバルーンのグラスではなく細めのグラスでの方が不要なアルコール臭を防げる。

云々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

というようなお話を事前に頂き、もやもやとしていたものが吹っ切れたのが、13年前なのです。

それまでも「冷やしたほうがいいんちゃうの?」とうすうす思っていましたが「伝統」「風習」に飼いならされ、大きな声で言えませんでした。

実はその時の通訳をした頂いた方のご主人は前日ニューヨークにいたそうで、気が気でなっただろうなと思ったり、「いいセミナーのお手伝いが出来た」と思える不思議な気持ちの一日でした。

という訳でそむりえ亭では全ての蒸留酒は冷凍庫です。

なにしろ「天下のヘネシ―」のブレンド責任者からお墨付きを得たのですからね!!

設備が充分なら、グラスも冷やしたいところですが、そこはご勘弁頂きたいと思います。

コニャック、カルヴァドス、マール、グラッパ、オードヴィードフリュイ・・・

食後にキンキンのブランデー。

美味しいですよ!!!