2001年に「インドの教え」、2007年「インドのアチャールくん」として、世にデビューしたアチャールくんですが、2020年秋口に上梓予定の「アチャールくん完全リメイク版」(仮称)はけっこう時間がかかっていますね〜。
いや、これは別に仕事をサボっているわけではなく、いくつかの事情がありますので、ちょっとご説明をいたします。
最初の「インドの教え」は、ストーリーを練るのと、企画を通すのに2年程の期間をかけたました。
ところが、いざ企画が通ってみれば、諸事情によって3ヶ月でペン入れを完了しなければいけないことになり、突貫工事で作品を完成させたということがあります。
急場に迫られて仕事をすると、緊張感を持って集中できるため、その時でないと描けない仕事ができます。ただ、締め切りを守ることが最優先なので、納得できなかった絵を直すことは時間的に出来ませんでした。
また2001年「インドの教え」も、2007年「インドのアチャールくん」も、版元から旅行本としての要望があったため、インドに関する知識を盛り込まなければならず、その分だけ文字数が増えてしまいました。
「読みにくい」「読みづらい」
そんな声も多々あって、作者とすると不本意ながら、それは受け入れるほかはありませんでした。どんなに良いことが書かれていても、読みやすくするための工夫がなされていないと、作品としては不十分です。
今回の「アチャールくん完全リメイク版」は、元々、私自身が描きたかった、ひとりの少年が運命に翻弄されながらも、前向きに生き抜いていく物語に昇華させていきたいと考えています。
もちろん、当時でないと描けなかった絵もありますので、それを残しつつ修正し、新ページ、新エピソードなどを加えていってます。
担当の編集者は「中学生にもわかる仏教」を担当した、もう20年近い付き合いになる方ですが、
の人と妻が異口同音に…。
「こういうストーリーでしたっけ?」
いやいや、ほぼ筋は一緒なんですが、きっとまったく違う印象を残す作品に仕上がると思います。
今回の作業は、最初の突貫工事で仕上げた3ヶ月をとっくに過ぎてしまいましたが、その分、良い仕事になると思います。
どうぞ、みなさまお楽しみに!
▼こちら、描き直したページの一部です。