先の松江出張は日程に余裕をもって行ったので、2日目は出雲方面に出かけました。
会社員時代、上司だったSさんが松江に居を構えていたので、その方の案内で出発!
目的地は修復中の出雲大社ではなく(行きましたが)、
最近ひそかにパワースポットとして注目を浴びている韓竃神社(からかまじんじゃ)です。
私はツイッターのフォロワーのブログで、この神社の存在を知ったのですが、
昨年、どこかのテレビ局が取り上げて以来、マニアの間では人気上昇中なんだとか。
とはいえ、友人の神社通も知らなかったマイナーな存在で、
言うまでもなく、車でないと行けないような不便な場所です。
韓竃神社については、Sさんも私から聞いてはじめて知ったそうで、
カーナビのない彼女の車で行くのはけっこう大変でした。
なんせ、名前が知られるようになったのは最近のこと、
「韓竃神社」と描かれた標識を真っすぐ進んでみたものの、
何時まで経っても目的地に到達せず、
突然山の中に現れた集落の一軒に道を聞いてみることにしました。
さて、集落のある一軒のベルを鳴らすと、なぜかお隣の家からおばあちゃんが顔を出し、
自分の家に私たちを招き入れてくれました。
「ああ、嫁の一家は出かけてるけんね。
暑いけえ。ええから、こっちへ上がりんさい。どちらから、いらしたんじゃ?」
(って、こんな方言だったかは不明)。
「あ・・東京です」
「ああ、東京は遠いけんねえ、よーいらしたもんじゃ。
ささ、かまわんけん。上がって漬物でも食べんさい。
田舎料理じゃけえ、どれもここの畑で採れたもんじゃ。体には良いけえ、食べんさい」
「あ、ありがとうございます。
あの、韓竃神社というのを探しているんですが、どちらでしょう」
「ああ、”かんかまさん”かい。かんかまさんじゃったら、こことは反対方向じゃ。
来た道戻りゃええが、あんたら、こっちまで来たら、黄泉の洞窟言うのがあるけえ、それも見るとええけえ。
それからな、かんかまさんからすぐそばに鰐淵寺(がくえんじ)言うお寺もあるけん、
それも見るとよろしい。
それよか、これ、旨いじゃろ。シソの葉にカツブシ入れて炒めたもんじゃけえ、
これがな。孫の大好物でな・・」
「ありがとうございます。では、そろそろおいとまを・・」
「ええけえ、うちで採れたブドウも食べていきんさい。
ほりゃ、かんかまさんも”がくえんじ”さんもあるけえ、この辺はけっこう見るものが多いんよ。
あんた、どなたかこの辺りを宣伝してくれる方おらんかねえ。
みな、不便じゃいうて出ていくんよ。
おかげでこの一体は年金で暮らしとる人ばかりでな(以下30分、この会話)」
ネットにも、道に迷うと懇切丁寧に教えてくれると書いてましたが、まさかここまでとは思いませんでした。
お時間も豊富にあるのでしょうが、誰か来たら親切に教えるという文化がこの地にあるのでしょう。
近所の紅花ばあさんを思い浮かべながら、頃合いの良い時に切り上げ再出発いたしました。
目的地の韓竃神社ですが、噂に違わずまさにパワースポットという面持ちです。
山の冷気で涼しくなっていることもあって、
ネットで書かれてるほどは、辛い道のりではありませんでしたが、
たしかにあの岩の参道は雨が降っていては登れません。
噂に聞く、幅45cmの岩の裂け目を通り(通れました!)、簡素なお社に礼拝すると、
切り立った下り坂を慎重に下っていかないといけません。
沿革によれば、社名の「韓竃」は朝鮮渡来の「釜」に由来するそうです。
出雲地方は青銅器と鉄器が同時に発掘されたという希有な場所です。
ここから近くの鰐淵寺や出雲大社の沿革をみても半島との関わりが深かった場所なのでしょう。
スサノオノミコトが祭礼をおこなったという岩船もあり、それも興味津々でした。
さて、韓竃神社から黄泉の洞窟、諏訪神社、鰐淵寺などを堪能したあと、
出雲大社の参道にある蕎麦屋さんで、遅い昼食を摂った時のこと。
御不浄に席をはずして戻ってみると、蕎麦屋のおかみさんが目を輝かしながら、
「それは善いことをなされましたね」
とSさんに話かけています。
「何のことですか?」と聞いてみたところ、蕎麦屋のおかみ曰く、
私たちが韓竃神社に行ったことが良いことだというのです。
ををを、さすがは出雲大社のお膝元!
神社に行くこと自体が良いことなのですね。
ましてや人里はなれたお社に行って、手を合わせることは素晴らしく善いことなのでしょう。
この一言で私たちはすっかり気持ち良くなり、
それまで暑い中、アップダウンを繰り返した披露もすっかり吹き飛んでしまいました。
それにしても「神社に行ったこと」が「善いこと」と、自然に出てくるのが素晴らしい。
そうか、私たちが神社に行けたのは善いことだったのですね!
写真は韓竃神社のお社です。
バックに岩の切れ間が見えますが、45cmの細いものはお社の下にあります。
会社員時代、上司だったSさんが松江に居を構えていたので、その方の案内で出発!
目的地は修復中の出雲大社ではなく(行きましたが)、
最近ひそかにパワースポットとして注目を浴びている韓竃神社(からかまじんじゃ)です。
私はツイッターのフォロワーのブログで、この神社の存在を知ったのですが、
昨年、どこかのテレビ局が取り上げて以来、マニアの間では人気上昇中なんだとか。
とはいえ、友人の神社通も知らなかったマイナーな存在で、
言うまでもなく、車でないと行けないような不便な場所です。
韓竃神社については、Sさんも私から聞いてはじめて知ったそうで、
カーナビのない彼女の車で行くのはけっこう大変でした。
なんせ、名前が知られるようになったのは最近のこと、
「韓竃神社」と描かれた標識を真っすぐ進んでみたものの、
何時まで経っても目的地に到達せず、
突然山の中に現れた集落の一軒に道を聞いてみることにしました。
さて、集落のある一軒のベルを鳴らすと、なぜかお隣の家からおばあちゃんが顔を出し、
自分の家に私たちを招き入れてくれました。
「ああ、嫁の一家は出かけてるけんね。
暑いけえ。ええから、こっちへ上がりんさい。どちらから、いらしたんじゃ?」
(って、こんな方言だったかは不明)。
「あ・・東京です」
「ああ、東京は遠いけんねえ、よーいらしたもんじゃ。
ささ、かまわんけん。上がって漬物でも食べんさい。
田舎料理じゃけえ、どれもここの畑で採れたもんじゃ。体には良いけえ、食べんさい」
「あ、ありがとうございます。
あの、韓竃神社というのを探しているんですが、どちらでしょう」
「ああ、”かんかまさん”かい。かんかまさんじゃったら、こことは反対方向じゃ。
来た道戻りゃええが、あんたら、こっちまで来たら、黄泉の洞窟言うのがあるけえ、それも見るとええけえ。
それからな、かんかまさんからすぐそばに鰐淵寺(がくえんじ)言うお寺もあるけん、
それも見るとよろしい。
それよか、これ、旨いじゃろ。シソの葉にカツブシ入れて炒めたもんじゃけえ、
これがな。孫の大好物でな・・」
「ありがとうございます。では、そろそろおいとまを・・」
「ええけえ、うちで採れたブドウも食べていきんさい。
ほりゃ、かんかまさんも”がくえんじ”さんもあるけえ、この辺はけっこう見るものが多いんよ。
あんた、どなたかこの辺りを宣伝してくれる方おらんかねえ。
みな、不便じゃいうて出ていくんよ。
おかげでこの一体は年金で暮らしとる人ばかりでな(以下30分、この会話)」
ネットにも、道に迷うと懇切丁寧に教えてくれると書いてましたが、まさかここまでとは思いませんでした。
お時間も豊富にあるのでしょうが、誰か来たら親切に教えるという文化がこの地にあるのでしょう。
近所の紅花ばあさんを思い浮かべながら、頃合いの良い時に切り上げ再出発いたしました。
目的地の韓竃神社ですが、噂に違わずまさにパワースポットという面持ちです。
山の冷気で涼しくなっていることもあって、
ネットで書かれてるほどは、辛い道のりではありませんでしたが、
たしかにあの岩の参道は雨が降っていては登れません。
噂に聞く、幅45cmの岩の裂け目を通り(通れました!)、簡素なお社に礼拝すると、
切り立った下り坂を慎重に下っていかないといけません。
沿革によれば、社名の「韓竃」は朝鮮渡来の「釜」に由来するそうです。
出雲地方は青銅器と鉄器が同時に発掘されたという希有な場所です。
ここから近くの鰐淵寺や出雲大社の沿革をみても半島との関わりが深かった場所なのでしょう。
スサノオノミコトが祭礼をおこなったという岩船もあり、それも興味津々でした。
さて、韓竃神社から黄泉の洞窟、諏訪神社、鰐淵寺などを堪能したあと、
出雲大社の参道にある蕎麦屋さんで、遅い昼食を摂った時のこと。
御不浄に席をはずして戻ってみると、蕎麦屋のおかみさんが目を輝かしながら、
「それは善いことをなされましたね」
とSさんに話かけています。
「何のことですか?」と聞いてみたところ、蕎麦屋のおかみ曰く、
私たちが韓竃神社に行ったことが良いことだというのです。
ををを、さすがは出雲大社のお膝元!
神社に行くこと自体が良いことなのですね。
ましてや人里はなれたお社に行って、手を合わせることは素晴らしく善いことなのでしょう。
この一言で私たちはすっかり気持ち良くなり、
それまで暑い中、アップダウンを繰り返した披露もすっかり吹き飛んでしまいました。
それにしても「神社に行ったこと」が「善いこと」と、自然に出てくるのが素晴らしい。
そうか、私たちが神社に行けたのは善いことだったのですね!
写真は韓竃神社のお社です。
バックに岩の切れ間が見えますが、45cmの細いものはお社の下にあります。