小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

脳みそを緩ませるインド音楽

2011-07-01 09:55:35 | Weblog
昨日はヨガ歴20数年という友人に誘われて、五反田文化センターホールに、
インドのシタール奏者チャンドラカント・サラデシュムク氏のコンサートに行きました。


チャンドラカント氏は、8歳であのラヴィ・シャンカールを驚嘆させたという天才で、
インド本国はもとより世界的に活躍するインド・シタール奏者の第一人者・・・(プロフィールより)。

・・・なんて、私はこの演奏家のことを少しも知らなかったのですが、
いや、さすがに本物は違いますね!
何より驚いたのは、演奏を聴くことによって脳が弛緩することです。

もちろん脳がリラックスする効果はクラシックやポップスでもあるのですが、
アタマの緩む部分が違うとでも言いましょうか。

通常、クラシックやポップスの場合、
口ずさみたくなるメロディがあって、それが耳に心地よさを与えるのですが、
昨晩聴いたインド音楽には、そんな耳に残るようなメロディはありません。
私のような素人が聴くと、決まったメロディの判別は難しい。

逆に言うと、クラシックにあるような美しいメロディは、
自分の感情がその旋律にそぐわない場合だと、
不快に感じる(あるいは飽きてしまう)のですが、インド音楽にはそれがありません。

演奏はシタールの静かな独奏にはじめから、
タブラ、マリダンガムといった打楽器が徐々に加わり、
同じフレーズの反復が延々、30分40分にわたって繰り広げられます。

寝てしまうかな~なんて思いましたが、
音の反復が繰り返されることで、かえって脳が覚醒し、
脳みその芯が開いていく感触を覚えたのは不思議です。

(私の場合ですが、ストレスがあると脳の芯が絞まっていく感触を覚えるのですが
 この場合、反対にそれが開いていく感触ですね)。


実際にチャンドラカント氏はシタールによる音楽療法を行ってるそうです。
ご本人は「何ができるのか断言はできません」と言っているようですが、
たしかに昨日の音楽を聴くかぎりでは、そのような効果があるのかもしれません。

爆睡してた人もいますので、何とも言えないところですが(まあ気持ち良かったのでしょう)、
少なくとも私にはそんな効果があったのだと思います。
これはモーツァルトを聴いた時の生理的快感と、また少し違うのが興味深いところ。
(インド音楽を聴かせて、牛が乳をいっぱい出すかどうかは疑問ですが)。


おそらくは、インド音楽のルーツは、西洋音楽のような純粋なアートではないのでしょう。
ヨガや禅に共通する修行の一環として、
脳波や呼吸のコントロールを補助する役割があったのかもしれません。

いや、インドは深いわ!
コメント (4)
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