38歳からの百姓志願~実践編。

霊峰・石鎚を仰ぎ、瀬戸内の陽光を望む愛媛県西条市、「有機菜園 藤田家族」無農薬・無化学肥料の野菜と暮らし。

NHKラジオ、有機農業。

2007年11月28日 | 農と暮らしの日記
毎日続く玉葱の植え付け、今日は自転車で苗運び。
というのも、”車検”なので。就農してすぐの頃は、よく自転車や一輪車(コンテナ・キャリー)で畑を行き来していたのだが、いつの間にか数百メートル、1km前後の移動も、鍬1本だけ持っていけばいいというような場合を除くとすべて軽トラになってしまった。

これ、大いなる反省点である。
少量多品目の有機農業は効率の悪いエネルギー消費をしてしまう面があるように思う。大量生産、大量出荷の慣行農業は”エネルギー多投”と言われたりするけれど、どちらがどうということは単純には言えない気がする。というか、うちの現状は食糧供給量に対する化石資源消費量が明らかに多すぎる。



野菜セットのない水曜の朝。
昨日のうちに収穫・調製しておいたスーパー用の野菜を仕上げ、「むらさき芋スコーン」とコーヒー、りんごの朝食(僕はりんごは食べませんでした)。むらさき芋スコーンはもちろん薫の試作品で、なぜだか内部がピンクフロイドみたいなすごい”ケミカル”?な色になっていた。

食後、スーパー出荷で市街へ。
戻って軽トラを急いで(簡単に)掃除し、車屋さんに引き渡す。1年9か月で約15,000km、とくに問題はないはずだけれど、無事戻ってきますように。

さて、野菜セットがないので終日、畑しごと。
おまけに車もないから、トラクタを使ってもいいのだが、とにかく急がれるのは今日も玉葱の植え付けである。貯蔵があるていど利くという品種の赤玉葱を薫とふたりで午前中に約800本。

昼は昨夜の「さつま芋カレー」。
食べながら、昨日の青年農業者の会議の報告をしたり、それに関連して12月に出ていく行事等の日程調整、昨夜作った「年末年始特別配送の案内状」の手直しの相談などなど。

午後、僕は玉葱の続き。
薫はクリスマス会の準備で幼稚園へ行ったり、いつも通りの家事その他なんやかんや。玉葱は「赤」をさらに200本ほど植え、さらに貯蔵用の普通品種にかかる。こちらは種播きから2か月ほどで、苗の大きさもちょうどいい(のが多いけれど、混み合ったせいか小さいのも混じっていて、はける割合も高く、本数が見込みより少ない)。約600本を植えたあと、明朝出荷ぶんの野菜を少し収穫し、自転車の後ろの荷台に積んで戻る。



玉葱を植えながら聴いていたのが、いつものNHKラジオ。
17時からの週替わりの「いきいきホットライン」は今週、「いま、農業に求めるものは?」がテーマ。

今日は「安心して食べるには」という題で、食品評論家の正木英子さんという方がゲストだった。
その方の話はどうも……と思いながら聴いていたのだが、電話で登場した方の話がとてもわかりやすく、しかもその話に対する正木さんの反応がとても素直で驚いた。

電話口の話し手は、静岡県の龍田純隆さんという有機農業者。
いまや”有機農業の里”みたいな感じで多くの若い就農者が集まってきているらしい芝川町(メディアによく出る「ビオファームまつき」さんもここ)に圃場があり、合鴨稲作もされているようだ。

その話、だいたいの内容はこうだ。
有機農業3年目で土が変わり、虫害が減った。土が蘇ったために、農薬や化学肥料が必要なくなったから。見栄えも収量も慣行農業の野菜と遜色ない。合鴨農法は除草、除虫、施肥を勝手にやってくれるし、成鳥も食べられるのでいいことばかり。手間はかかっても、こうした農産物を求める消費者はいるので経営面も大丈夫……。こうした話は一般的に語られる有機農業の特徴でとくに珍しいことはないけれど、龍田さんの話はわかりやすい。合鴨の古野さん埼玉県小川町の金子さんなどの名前も挙がって、「有機農業3分はやわかり講座」みたいな感じ。

正木さんもこの話を好意的に受け止めていた。
初めて聞く内容もあったようで、「有機農業がこんなふうにできるなら、若い就農者も増えるのではないか」というような感想を述べていた。そう、だから増えているのです。うちの畑はぜんぜんこんなふうにできてないけど。



晩ごはんは、新米の白米。
今年も無事田んぼが終わった記念に(?)1袋だけ精米したのがまだまだ残っているので。おかずは、豆腐ステーキしめじあんかけ、「新米用に」と買ってあった(のにもう明日が賞味期限の)イカ塩辛、もやしスープ。加工品はほとんどが「ゆうき生協」から。

<本日、野菜セットの出荷なし>
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