さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

後は、リングの上で全てが問われる 宮崎亮、5年ぶりに再起

2021-07-11 16:15:15 | 関西ボクシング


宮崎亮、5年ぶりの現役復帰、というニュースです。
所属は新興の3150ファイトクラブ、とのことです。試合の日時などは未定。
このジムが、定期的に興行を打てるようなら、近々決まることでしょう。


まあ、多くの方々同様、私も、よりによってそのジムからとは、と思うクチではあります。
話の上辺だけ切り取れば、新しいジムにとり、有力選手がひとりでも多い方がよく、選手の方でも「環境を変えたい」「心機一転」という心境にあるわけで、実に納まりの良い話ではあります。

しかし、いくら話題性があるとはいえ、出来たばかりのジムからしか「引き」がない、それが宮崎亮の現状である、というのも、一面の事実です。
元世界王者とはいえ、無理な減量による体調悪化、その影響もあってか、危険なコンディションでのKO負け、世界再挑戦での大敗、ブランク、リング外の不祥事など...かつての才気煥発たる闘いぶりから、大きな可能性を感じさせた異形の才能たる宮崎亮は、残念ながら遠い過去の記憶です。


とはいえ、本人がもう一度闘いたいと望み、その機会をどのような形でもあれ、得たのであれば、後はもう、リングの上でどのように闘うのか...その内容でもって、全てを覆し、勝ち取ることも出来るわけです。
私のように、あれこれとやかくつべこべと言いたくなる者とて、そこで示されたものによっては、敬服して拍手せざるを得なくなる。
彼は少なくとも、それを可能とする場に、再び立つのです。


細かいことはこの際置いて、宮崎亮が、かつて放った輝きを、或いは歳月を経て新たに得た何ごとかを、リングの上で、そのボクシングを通じて、精一杯表現してくれるのなら、それは何よりも嬉しいことです。
結果どうこうはいいから、それだけが唯一の希望です。楽観的な気持ちにはなれそうにありませんが。



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7人陽性では、延期もやむなしか フューリーvsワイルダー、9月以降に?

2021-07-10 16:22:57 | 海外ボクシング



ということでまたしても悪い話といか、いまいましいというか何というか。
もう二週間後に迫って来た、タイソン・フューリーvsデオンテイ・ワイルダー第三戦ですが、フューリー本人含む、スタッフ7人からコロナ陽性反応が出たとのこと。
来月はパッキャオ、スペンス戦があるので、バッティングを避けて、延期するとなると9月以降との見通し。


試合まで少し間があり、これが本人のみなら偽陽性かも、ということもあり得るのでしょうが、スタッフなど7人陽性となると、延期は避けがたいのでしょうね。

ただ、この試合、本来ならフューリーvsアンソニー・ジョシュアの統一戦だったものが、裁判の結果を受けて急遽決まったものでした。
そのせいか、この規模のカードにしては宣伝期間も短めで、慌ただしく発表や会見やとやっていた印象もあり。
プロモーター側からすれば、その辺、延期になってさいわい、と思っている部分もあるのかもしれません。


まあ、ここのところ、週末毎に生中継やら配信やらがあって、何も無い方が珍しい、という有様で、ちょっと感覚的に麻痺しているところもあります。
今日も今日とて、ヒルベルト・ラミレスがブランク明けにも関わらず、難敵サリバン・バレラを見事に倒した一戦を、楽しく見ていたわけです。
そういう意味では、少し「空き」の週末があったとて、それはそれで良いか、という構えで、9月を楽しみに待てば良い、のかもしれませんね。



と、今朝はYouTubeとDAZNで、日本が誇る女子チャンピオンふたりが、米国リングで闘う様もじっくり見ることが出来ました。
藤岡奈穂子と天海ツナミ、共に日本が誇る伝説的なチャンピオンですが、結果は明暗分かれたとはいえ、それぞれに、長きに渡る拳歴で培ってきた強さを見せて、堂々と闘っていました。
この試合出場が、どの程度両者にとって報いるものかは知りませんが、なかなか良いものを見せてもらえたなあ、と思った次第です。



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外国人選手は「オリパラ後」から あの試合も先送りか

2021-07-08 18:17:37 | 話題あれこれ



少し前の話ですが、恒例の協会、コミッション連絡会議で、外国人選手の招聘について、スポーツ庁より「オリパラ後」でないと難しい、という感触を得ている、という話が出たとのことです。

よく見かける、階級違いな上にあまり強くない選手(世に言う「噛ませ」さん)はもとより、国内での世界戦に招かれる王者や挑戦者も、当然来日は難しい、ということになりますね。
オリンピックやパラリンピックはやれるけど、ボクシングの世界戦で、スタッフ含めて数名程度が難しい、というのは、よくわからんお話ですが...もう、この辺は理屈を言うだけ時間の無駄なのでしょう。

ぱっと頭に浮かぶのは、やはり年末にゴロフキン戦を目論む村田諒太の試合です。
8月にも他の相手とやって、その次に、という話でしたが、これも先送りにならざるを得ないことでしょう。
結局、全部国内開催が前提の話になっているがため、こういう状況では試合が組めないわけです。


しかし、ライトフライやバンタムの王者、今度はフライの王者がアメリカで試合をするなか、アメリカで試合するという選択肢を最初から切り捨てている「世界ミドル級チャンピオン」というのは、今さら言うても詮無いことですが、本当に考えものです。
ここに至っては、方向転換も出来ないのでしょうが(最初から最後まで、そんな意志はないのかもしれませんけど)、まったくもって「妙」なことになってしまったものだ、と...。

もし国内の事情が「年末」に縛られるとなると、もう一戦挟まずに次、という可能性も出てくるのでしょうかね。
まあ、年末とて、この調子ではどういう状況になっているものやら、知れたものではないでしょうが。


ところで昨日、豪州でティム・チューの試合があったそうですが、アンダーに出たジョー・ノイナイが、地元の選手と闘ってKO勝ち。
WBOアジアパシフィック王座を防衛したとのことです。
ハイライト動画がありましたんで、ご紹介。







日本で阿部麗也に敗れたものの、坂晃典、清水聡を連破し、尾川堅一と負傷ドローの戦績をもつノイナイ、その勢いは落ちていないようです。
「オリパラ後」のボクシング界が、噛ま...じゃなくてあんまり強くない選手とのカードを好きに組めるようになった後も、今みたいな好カード連続の流れが断ち切られることなく、この選手や、ジョンリエル・ラモナルのような選手に、我先にと挑んでいく日本のボクサーたちの姿を見たいもの、ですね。



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ハイライトですが動画紹介 伊藤vs細川戦

2021-07-07 12:51:14 | 関東ボクシング

A-Signチャンネルにて、先日の伊藤雅雪、細川バレンタイン戦動画がアップされていましたので、ご紹介。







アンダー含めたハイライトの形式ですが、最初は残念に思ったものの、考えて見ればこれはこれで、いい落としどころ?なのかもしれません。
G+や、他のTV局の放送、または配信がある場合、こういう形式で、軽く見られるものがあれば、間口が広がる、というものでもあろうか、と。
まあ、実際は妥協の産物、なのかもしれませんが。

あと、G+とは違うアングルの映像もあって、G+の放送では「なんで?」と思ったアンダーカードのダウンシーンが、ああ、こういうことやったのか、と視認出来たりもして、楽しく見られるものでした。

逆にG+は、意外にカメラの切り替えが乏しかったりして、よく見てみたい場面を全然スロー再生してくれなかったりとか、有料放送としては、色々不満のある局でもあります。
解説者の「躾」の良さ(←皮肉です)とか、右左の区別がつかない実況とか、他にも色々ありますが、それはおいとくとしても(笑)。

そういうところを補う意味でも、複数の媒体で試合映像が見られるのは、良いことだと思います。
少しずつではあっても、やっぱり、時代は良い方向へと進んでいると思いますし、今後も是非同様に...と、改めて願う次第です。



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名古屋ではなくて京都で 寺地拳四朗、V9戦は矢吹正道と

2021-07-06 00:30:55 | 関西ボクシング





少し前に、交渉されているという記事が出ていた寺地拳四朗、矢吹正道戦ですが、9月10日、京都市体育館で開催とのこと。
昼過ぎでしたか、スマホのおすすめ動画に、真正ジム興行の記者会見、というのが出て、何だろうと思ったらこの試合の会見でした。

拳四朗にとっては、世界王者となってから初の、地元京都での防衛戦となります。
京都市体育館というのは、島津アリーナとはまた別の会場ですね。
観客は今のところ、半数入れて2500人、という話のようです。


両者については、少し前に記事書いたことに、新たに付け加えることはありません。
矢吹正道は、世界タイトルに挑むコンテンダーとしての価値については、この試合で証明せねばならぬ面もあるでしょうが、少なくとも国内の108ポンド級において、拳四朗、京口紘人に次ぐ三番手、と見て間違いない選手ではあります。
現状、国内開催の試合では、考え得る中で最上級のカードたと見るべきでしょう。


しかし、そういうあれこれより先に、何しろこのご時世です。
拳四朗に限らず、どのチャンピオンにとっても、コンスタントな試合の機会があるならば、それがまず喜ばしいことです。
当日は何とか会場に足を運びたいものです。TV放送などは、全国どうという以前に、関西でも当てにならないかもしれませんし。
動画配信などは、何とか行われるかもしれませんが...。



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一気にリゴンドー応援の気分 カシメロvsリゴンドー、元通りに開催へ

2021-07-05 02:36:13 | 井上尚弥



ということで、結局元通りです。
8月14日のジョンリエル・カシメロvsギジェルモ・リゴンドー、再び決定

PBCがいったん、ノニト・ドネアに目移りしたこともあって?カードを変えた、みたいな話でしたが、ドネア陣営とカシメロ陣営のトラブルによりキャンセル、結局また、リゴンドーの出場が決まりました。

しかし、リゴンドーよう我慢するなあ、というか...その心中いかばかりか、と思わずにはいられませんね。
何でもカシメロのドーピング疑惑?について皮肉ったような発信をしているらしいですが、それを含めて受けて立つ、という感じなんでしょうか。

対するカシメロについては、本人か陣営か、或いはそう呼ぶに値しない周辺の「取り巻き」連中か知りませんが、何しろ程度の低さが色々明らかになりました。
まあ百歩譲って、それは他人の揉め事としても、やはりVADA登録を遅らせた件や、その背後にいる怪しい人間の存在などを考えると、ルイス・ネリーじゃないですが、井上尚弥と関わる前に、誰かに負けて欲しい、としか思えなくなってしまいましたね。
結局「薬抜き」の時間が欲しかっただけやん、と見られても仕方ないでしょうし。


そんなことで、なんか急に、リゴンドーを応援したい気分になっているところです。
カシメロがパワーで強引に攻めても、あの左レバーパンチで止めて、あとは当てて捌いて、と行って欲しいですが、出来ればダウンもさせるなど、明確に差を付けてほしいなあ、判定になるとちょっとの差ではわからんので...とか、今から老婆心全開です(笑)。



と、こうなれば井上尚弥の次は、もうあのお方しかいませんね。問題は日時、場所ですが。
井上陣営は、日本でやりたいのはやまやまでしょうが「情勢」がそれを許すかどうか、心許ないところでもあり。
井上というボクサーの名声を優先すれば、当然あちらでやるのが一番ではありましょうが。

しかし、日本のボクサー、タイトルホルダーの試合を、アメリカでやるとこ見たい、でもたまには日本で直に見たい、と思い悩むなんて、それこそ以前では考えられなかった贅沢です。
ボクシングファンとして、井上尚弥には改めて、色々な幸福を貰っているなあ、と思うところですね。





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「再挑戦」のために必要な「証し」 伊藤雅雪、パーフェクトな再起飾る

2021-07-04 18:29:41 | 関東ボクシング




ということで昨日はG+、伊藤雅雪vs細川バレンタインの生中継がありました。
簡単に感想。


初回から、伊藤雅雪の気合いが並々ならぬものと見える。
それは表情のみならず、ジャブで探って右を厳しく叩くボクシングからも見て取れました。
細川バレンタインとて、間合いを外さずに対し、反撃する「ルート」を探り続ける姿から、同様の決意が見えましたが、戦局自体は一方的に、伊藤の優勢へと流れていきました。

2回も同様の流れ。伊藤、左を伸ばして右を肩越しから。3回はそこに右アッパー、左ボディが追加される。
この回バッティングがあり、伊藤の右目周辺が少しだけ切れるが、大勢に影響はなし。

4回、細川も左ジャブ、右からアッパーと返す。両手下げ気味の構えなら、このくらい攻め手がないと話が合わない。
しかし5回、細川の右を外して伊藤が右カウンターする。この辺は伊藤のセンス。
そして古い表現ですが「ホイップ・パンチ」という感じのスリーパンチが決まる。肩の力を抜いて、弾くような打ち方。

6回、さらに伊藤優勢。左で測って右、右で探って左。ラスト、左ジャブを力入れて打ち、その後左右6連打。
フロリダで勝った試合でも見せた、脅威のコンビ。
7回、細川のジャブを目で外し、バネ仕掛けのように右が返る。
8回、伊藤が右ヒットから猛攻。手応えありか。クリンチを試みる細川を突き放し、右のパワーパンチが入ったところでレフェリーストップとなりました。


試合全般に渡り、伊藤の良さが十全に出た試合でした。
元々センス抜群で、細川のジャブを外すヘッドスリップや、カウンター、リターンのタイミングなどにそれは出ていましたし、加えて世界王座獲得の過程で挑んだスタイル変更...好機に見ず、追撃を狙い、さらに厳しく詰めるボクシングが、クリストファー・ディアス戦に近い形で実現されていた、と思います。

それは心身共に、そうとう厳しく追い込んで仕上げてきたから、とも見るべきなのでしょう。
知る限り、伊藤は一切言いませんが、昨年の三代大訓戦は、やはり調整段階で無理をしていた面があったのでしょう。
今回の試合を「この伊藤なら、もう一度三代と闘えば」と見る者に思わせるための闘い、だと見做すなら、100点満点の試合だった、と思います。
解説の浜さんが試合後に語った、世界云々という話を持ち出せば、5点減点、ではあるにせよ。



対する細川バレンタイン、完敗でした。
間を外さずに対峙し続け、カウンターも狙いましたが、大半は外され、終わってみれば負ったリスクに見合うリターンは何一つ得られず、と言わざるを得ない内容でもありました。
しかし、彼のやり方で「勝負」をし、結果は撥ね付けられてしまいましたが、それでも見応えある試合を作った。
彼もまた、この試合の、もう一方の「主役」ではあった、と見ます。健闘でした。



と、こういう良い試合を見終えて思うことは、日本のライト級はやっぱり、なかなかの充実、盛況だなあ、ということです。
ロマチェンコの牙城に挑んだ中谷正義、国内タイトル独占の吉野修一郎、そして元世界王者伊藤、その伊藤を破った三代大訓、いずれも世界ランカー、或いはそれに準ずるレベルの実力を備えたボクサーばかりです。

おそらくですが、20年前にWBA王座を争奪した畑山隆則、坂本博之らと比べても遜色ない、或いは上回る実力を持つ顔ぶれだ、と言えるでしょう。
坂本博之が「平成のKOキング」として浮上した頃と比較すると、坂本ひとりが出たら、あっという間に挑戦者枯れ、日本王座返上、という流れになってしまった、あのお寂しい時代が、ウソか笑い話のようですらあります。

こういうクラスが日本にあることを、ファンとして素直に喜びたいと思います。
そして、このクラスの「決勝」戦と目される試合の実現を、まずは期待します。そして、今回そこに「再挑戦」する資格を勝ち取った、と言える、伊藤雅雪の存在も、加わっていてほしい、と。

見る者にそう思わせる、認めさせる、充実した内容の完勝でした。伊藤雅雪に拍手です。お見事でした!




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好カード当たり前の時代? 三代大訓、次戦は西谷和宏

2021-07-03 13:19:23 | 関東ボクシング



今日は伊藤雅雪、細川バレンタインのサバイバルマッチがありますが、コロナ渦ならでは?の国内上位対決増加の流れで、またも好カードが決定。
昨年、伊藤を破った三代大訓の次戦は、尾川堅一に惜敗した西谷和宏で決定。9月22日、ホールとのこと。水曜日ですね。


吉野修一郎とのライト級ウォーズ「決勝戦」は先送りなのか、それとも無い話なのかわかりませんが、こちらとしては当然、コロナが今よりは落ち着いてから、ということで先送りにしているのだろう、と希望的観測を持ちたいところです。
その過程における試合として見ると、最大級に評価して良いカードではないでしょうか。
もちろん現状あればこその話にせよ、国内ランカー、上位、王者クラスとの試合ばかりのキャリアに、またひとつ、質の高い相手の名が加わることになります。


西谷和宏については、曲がりなりにも次、世界戦に出ようという選手に、実質勝ったような試合を、それも中央のメディアの目の届くところでやったのですから、結果以前の内容を評価され、こういう試合の話がどんどこ舞い込むようでないとウソや、と思っていました。
まあ、さすがにそこまで景気の良い話ではないにせよ、今回、こういう試合が決まったのは幸いなことです。
ここで勝ち残れば一発逆転、という大チャンスでしょう。
三代の左に対し、サウスポー基本、しかしスイッチも駆使して、巧さで上回れるかどうか、でしょうね。


ボクサーとしての技量力量の比較のみならず、両者の立場を含めて、大いに見どころのある技巧派対決です。
夏から秋にかけて、もう色々ありすぎて困るくらいです。
DANGAN興行ですので、BoxingRaiseで見られるでしょう。当然、ライブ配信に期待ですね。楽しみです。




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Sライト級も「ウォーズ」状態へ ホープ同士のタイトル争奪、配信も決まる

2021-07-02 08:02:10 | 関東ボクシング



先頃の日本スーパーライト級王者、鈴木雅弘の王座返上という残念な話がありましたが「その後」の展開が、予想外に前向きなものになってきました。
今月17日、A-SignチャンネルがYouTubeでライブ配信する、同級日本ユース王座決定戦の好カード、佐々木尽と湯場海樹の勝者が、日本1位の平岡アンディと、空位の日本王座を争うことが決まった、とのことです。


これ、1位の平岡陣営、つまり大橋ジムがアピールしているだけではなく、八王子中屋ジムも含めての発表とのこと。
つまり、正式に合意があって「やります」と「発表」したわけです。
嬉しい驚きというか、傍目のファンが「こうあってほしい」と思う、然るべき話が、こんな風にすんなり出てくるのも珍しいような。
要するに、関わる三選手、及び陣営がいずれも、自らの勝機を信じている、つまり力に自信があるから、こういう話が決まるのでしょう。

結果がどうなるかはともかく、ファンとしてはこの姿勢をまず称え、拍手したい気持ちです。
勝負の世界とはこうじゃなくちゃいかん、と思いますね。



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そして、今月21日の日本フライ級タイトルマッチ、ユーリ阿久井政悟vs桑原拓戦のひかりTV、dTVでのライブ配信に続き、この日本スーパーライト級王座決定戦も、「フェニックスバトル powered by ひかりTV」という興行になるとのこと。
当然、こちらもライブ配信がある、と期待していいのでしょうね。

阿久井、桑原戦は、ホール突撃も考えたくらい(さすがによう行きませんが)の興行で、私はdTVで観戦するつもりです。
今までみたいに、TVが買ってくれないような試合(ことによると、世界戦も含む)の逃げ道に使うのでなく、国内の好カード、或いはその枠を越えたカードをどんどん組み、YouTubeや各オンデマンドに「投入」するくらいでないと、いつまでも従来型のTV依存、という限界ありありの形態から脱却は出来ない、と常々思っていたので、こういう傾向は歓迎したいと思います。


さらに話が進めば、いずれは、こういう配信に、世界とつく試合、それもトップスターが絡むカードが「投入」される日が来て欲しい、と思ったりもします。
それこそ井上尚弥の試合だとか。ライブで見るには有料、地上波は録画のみ、というのは、彼が海外で闘う場合、WOWOWとフジテレビ、という形で、すでに実現しているとも言えるわけですし。
例えば井上尚弥vs井岡一翔が実現するとして(しないでしょうが)、日本開催の試合がオンデマンド配信で独占され、TVは翌日以降の録画、となれば...けっこう、楽しい想像が出来るように思います。


もちろんこれは、そのようなビジネス形態に「耐えうる」スターの輩出あればこそ、の話でもあります。
現状、井上以外に、このレベルの「商品価値」を持つボクサーはいないでしょう。しかし技量力量、潜在能力などを言えば、彼に「次ぐ」存在はいると思います。
問題は、それが広く認知されていないこと、見知られていないことであって、その機会を創出するためにも、国内好カードをTVの(狭く、貧しい)枠内に収め続けるのでなく、様々に新しい道を作り、広がりのあるビジネス環境を築いていかねばならない。
それが最終的には、次世代の井上尚弥、というべき、新たなスターボクサーの輩出に繋がることでしょう。



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そういうことで、少し(かなり?)脱線してしまいましたが、このような流れを主導しているA-Signチャンネルにて、明日、ネットではないですがG+で生中継される、伊藤雅雪vs細川バレンタインのプレビュー動画がありましたので、ご紹介。







「バレンさん」の語る言葉には、いちファンとして、共感するところ大、であります。
これも言うてる間に明日です。楽しみです。両者の健闘を!



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時間の空費だけはご勘弁 ドネア、カシメロ戦キャンセルを表明

2021-07-01 01:17:28 | 井上尚弥



まだこれから、色々あるんやろうなあ、と思ってはいた話ですが、やっぱり色々揉めてます。
ノニト・ドネア、ジュンリエル・カシメロ戦キャンセルを表明。
とはいえ、カシメロ側の会社は、まだやると言っているみたいですが、どうなりますやら。


ことの次第は記事の通りですが、カリメロ陣営がVADAの登録を渋り、それが遅れた、という話のみならず、その後に出した書類が偽造だったとか、効力を持たないものだったとか、ややこしい続きがある模様。
だからといって、ドネアの一存でキャンセル出来るような契約の段階だったのか、とか、不明な点もあります。


ただ、大雑把にいって、ドネアにしたら、カシメロに勝ってWBOタイトルも手にし、WBCと合わせて二本のベルトを引っさげた上で...という前提がなくとも、最低限、井上尚弥と再戦出来るなら「まあええか」てなものでしょう。
逆に言うとカシメロは、自分が井上やドネアより、格が下であることを承知していて、あのキャラクターを演じているだけで、ちゃんと立場自体は弁えているからこそ、当初リゴンドー、その後ドネアという難関に挑むことを受け容れたのだろう、と思っていたのですが...何かその辺、誤解していたのかもしれません。
まあ、単に検査されたら具合悪いだけかもしれませんが(嘆)、それ以前の立ち振る舞いも、それは違うやろう、と。


今のところ...というか、この話のままで進むなら、井上の次はドネアとの再戦が濃厚ですね。
アラム、トップランクの意志はわかりませんが、日本の大箱で2、3万規模の興行をするには、うってつけのカードですし、日本側は当然、数試合に一回はこういうのがないと...と考えていることでしょう。



ただ、そういう皆さんの、諸々のご都合を全部吹っ飛ばすのが、王者たる者のお言葉です。
いやもう、ホントにやましいところのない人間の言葉ってのは、実に清々しいものですね。
是非、これは英語に翻訳して、全世界のボクシングファンに広めていただきたいです。

と、カシメロ側の方から、さっそくリアクションがあった模様。
ひょっとすると、カシメロ本人というより、周りの人間の方が、上記したような「弁え」が無かったのかも、という印象です。
チンピラ同士の喧嘩やあるまいし、逃げる逃げんの話ですか、これ(笑)。

現状、カシメロの商品価値は、井上やドネアよりもだいぶ下であり、とにかくリングに上がって彼らと闘うまでは、キャラクター演出とは別に、色々と気を遣って話を進めねばならないはずなのですが、ドネア夫人とツイッター上でやりあったりしてるらしいですしね。阿呆ですね。



まあ、先月のマガジンで、増田茂氏が辛抱ならん、という感じで言及したように、実際のところ、大スターが色々怪しいことをしていても、長いものに巻かれといた方が目先の得や、ってなもので、誰もこういう「行き方」はしない、というのが、ボクシング界の常なのでしょうけど、ドネアにせよ井上にせよ、他の誰かにせよ、真に力あるものが、こうした真っ当な姿勢を貫いてくれれば、少しは物事が良い方に変わっていくでしょう。
もっとも、現実はなかなか...ですが、それでも、こういうボクサー(たち)がいてくれることは、不幸中の、と頭に付けて良いのか迷いますが、幸いなことではありますね。



何しろ、色々揉めてます(困)。
さらにこの先、まだまだ色々ありそうで気が滅入りますが、何しろ、要らんことで時間を空費しないでもらいたい、ということだけは、誰の思いも同じはずです。
以前少し書いたこともありますが、やはり実力以外のあれこれで、4団体王座獲得というのは、いよいよ難しくなってくるのかもしれません...と、井上尚弥はまだまだ、前向きで頼もしいコメントをしていますが
とりあえず次はドネアと再戦して、3団体目を狙う、というところで、すんなりと話が進んで欲しい、と願うのみ、ですが...はてさて。



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ということで、一曲。
warbear「掴めない」。













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