さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

2-0ではなく、2-3 岡澤セオン、ロンドン五輪金に惜敗

2021-07-28 06:30:52 | 関東ボクシング



東京五輪、ボクシング競技はこちらでライブ配信がありまして、全部見ろと言われても不可能ですが、見られる限りの試合はチェックしております。

一回戦のうちは、一部の優勝候補や有力選手がシードされていましたが、日を重ねるにつれ、一見して「おお」と思うような選手がちらほら、目につき始めました。
昨日はヘビー級、ベスト16に出た、キューバのフリオ・ラ・クルスがそうでした。
ライトヘビー級リオ五輪金で、全階級通じてもキューバの大エース、という位置付けの選手だったそうで、今回は階級上げたのがどう出るか、というところですが、確かに小柄ではあるが、まあ巧いこと。感嘆するのみ、でした。



日本勢は全員、初戦突破。成松大介の負傷による棄権は残念でしたが。
先日「せやねん」にも登場した岡澤セオンは、ウェルター級ですが一部では上位進出を、或いは優勝も、なんて展望記事もあるくらい期待されているようで、本人もアマチュア、とされているボクシングルールでは相当自信あり、というコメントをしています。
一回戦は、過去に一度惜敗したインドの選手にクリアな勝利。
しかし、二回戦は、ロンドン五輪では一階級下のライトウェルター級金メダルを獲得した、ロニエル・イグレシアスに惜敗しました。


初回は岡澤がよく動いて、右ジャブをボディへ送り、左も。ヒットの数で上回る。
2回、イグレシアスがプレッシャーを強める。というと聞こえは良いが、ゴング後に打ったり、離れ際、ブレイクの後も打つなど、ラフというか「タチ」が悪い。
しかしレフェリー、その辺はあまり注意しない。これで通るのか?と見ていて不思議。
と思いきや、ラビットパンチを取ったのか、イグレシアスに減点。
岡澤も懸命に手を出し、競った内容。

3回、イグレシアスが強引に出て支配。
岡澤がバッディングされ、後退したところ、レフェリーがカウントを取る。
自動的に10-8になるわけではないが、ヒットと見做したということか。どう見たらそうなるのか、理解不能。
これが自動的にジャッジ5名との共通認識になるのか?というところも、判然としない。
ラウンドの内容自体はイグレシアス優勢でしたから、関係ないといえばそうかもしれませんが。


判定はスプリット、3-2でイグレシアス、とコール。岡澤膝をついて悔しがる。
しかし、採点の数字を見ると、29-27のスコアで、二者が岡澤を支持。残り三者は、28-28。
これだと2-0なのだが、この三者が揃って、イグレシアス優勢、としたため、3-2でイグレシアスの勝利なのだとか。


トーナメントだからドローで済ませることが出来ず、勝敗を決めねばならない、それはプロの新人王などのトーナメントでも同じですが、さすがにこれは。
一方が過半数の支持を得ていない場合は、例えば警告や減点を受けた側が負けとか、合計ポイント数で決めるとかすればいいのに、というのは、プロのトーナメント形式の試合でも思っていたことですが、5人ジャッジ制で二者の支持を得て、あと三者がイーブンなのに負け、というのは...ルール上問題はないんでしょうが、ちょっと納得感がないですね。
こんなことがあるのか、と、何も知らんもので、びっくりしました。


岡澤セオン、初の五輪は二回戦で終わりましたが、ウェルター級で五輪に出て、曲がりなりにもキューバの元金メダリスト(その闘いぶりには感心しませんでしたが)相手に渡り合ったのですから、まずはその健闘を称えたいところです。
本人は「また五輪に戻ってくる」とコメントしたようで、アマチュアボクサーとしての誇りを語っていたとおり、そのボクサー人生は五輪、及び世界選手権の場において「勝負」するためのもの、なのでしょう。
今後の、さらなる健闘に期待したいと思います。



コメント (2)
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