さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

「1.5倍速」の猛攻 森脇唯人、優勝候補に敗退

2021-07-30 15:31:35 | 関東ボクシング


東京五輪、連日見られる範囲で見ております。
段々目が慣れてきて、クリンチの多い試合は眺める程度、そうでない試合はしっかり見る、という棲み分けも覚えました(笑)。
あと、全体的にレフェリー、ウザい(笑)人が多いですが、そこは精神修養として。



ミドル級の森脇唯人は、二回戦で優勝候補と目されるウクライナのオレクサンドル・ヒズニャクに判定負け。
立ち上がり、森脇が右のカウンターで迎え撃つが、ヒズニャク凄い速さと馬力で身体を寄せ、揉み合いでも圧しまくり、先手先手で打ち続ける。
森脇、連打また連打で攻め込んでくるヒズニャクに対して後手に回り、挽回しようと離れたり、突き放したりと試みるがかなわず。
単発の威力では負けていなかった森脇ですが、圧倒的な手数の前に押し込まれたまま、敗れました。


元世界選手権王者でもあるヒズニャク、ウクライナでは「第二のロマチェンコ」と言われるがその内実は猛ファイター、という評がマガジンの展望記事に載っていましたが、今回見て、ある意味では単なるファイター、連打型というではない、攻めるにもそれなりの「理」があるなあ、と見えました。

まず、何しろ速い。最初、いつ打つか、打ち始めるかのタイミングが速い。後続も速い。
森脇が遅いわけではないのですが、比べると「1.5倍速」という感じに見える。

そして、手数がえらく多い。それもいい加減な打ち方、と見えたら次がしっかりナックルを返していたり。
また、手打ちみたいな打ち方でも、身体に力があり、腕力もあって、それなりの威力がある。

矢継ぎ早に打てて、なおかつ相手を止められる威力を維持しつつ、旺盛な体力を見せて身体を寄せ、離れ、また打ち続ける、という具合。
「機先を制する」と言いますが、まさにその行為を3ラウンズ、9分間、休み無く繰り返す、というボクシングでした。


森脇はまともにやりあえれば、一方的にやられるような力の無い選手ではないと思うのですが「勝負」をさせてもらえずに敗れた、という試合でした。
まあ3ラウンズで終わるから出来る闘い方なのかもしれませんが、それにしても、世界には色んな選手がいるなあ、と感心させられました。

しかし森脇も、立ち上がり、右クロスのカウンターなどは鋭いものがありましたし、僅かに生じた間に反撃を試みていて、それは日本のこのクラスの選手としては、かなり秀でた切れと力あるものに見えました。
まだ若いですし、今後、世界上位に迫るところまで、成長していってほしいと思います。



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他にも見られた範囲で、ですが、フェザー級のタイ代表、チャッチャイ・デッチャブディー(で、いいんですかね)、なんと36歳だそうですが、バランスが良くて力強く、そして巧いサウスポーでした。
ポンサクレックを少し地味にして、良い意味で重みを加えた選手、という感じでしょうか。わかったようなわからんような表現ですが。


森脇の後に登場した、ミドル級のフィリピン代表、これまたサウスポーのユミル・マルシアルもなかなか強く、初回から優勢、左のヒットを重ね、反撃してきたアルジェリアのユネス・ネムシーを右フックで倒す。
再開後もヒットを重ね、ネムシーが瞼のあたりを切ってドクターチェック二度、試合終了。
スロー映像で見ると、バッティングもあったようでしたが。

このマルシアル、世界選手権準優勝の経験があり、日本同様フィリピンでは貴重な重いクラスの選手ですが、なるほど強い。
森脇唯人もいずれ、このレベルに追いついてくれたら、それこそメダル云々の話が出来るようになりますね。



コメント
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