さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

結果はおいて、違和感ありの大差判定 ロペス、ロマチェンコに判定勝ち

2020-10-18 17:41:23 | 海外ボクシング



ということで、世界ライト級タイトルマッチ、生中継を見終えました。
細かいとこまで書いておこう、と思う試合内容と判定でした。まずは経過から。



リングに上がった時点で、テオフィモ・ロペスはうっすらと汗をかいている。
ワシル・ロマチェンコは涼しげな様子。

初回、ロペスがスタートダッシュをかけるのかと思ったが、速い左から入り、しっかり構え、じりじりと圧す。
対するロマチェンコ、偵察か観察か情報収集か、何しろホントに手を出さない。
ロペスは「荒し」「乱し」の手で、強打狙いに出る、という想像とは違う立ち上がり。
ロマチェンコが見ていると同時に、ロペスの方もロマチェンコをしっかりと見ている。意外な感じ。
この回ロペス。というか、ロマチェンコにはつけようがない回。

2回、ロマチェンコ左ショートのダブル。速いスリーパンチ。
ヒットの場面が二度あり、それ以外は丁寧に芯を外している。ロマチェンコ。

3回、ロペスの左フック、ボディブロー2発。浅いがヒットもあるように。右アッパーから左フック返しも出る。
ロマチェンコ、右フックリードから入ってヒットも。微妙だがロペスに振る。

4回、ロマチェンコの右リード、ヒットも数があまりに少ない。
ロペス、無理に出ず、左リードの速さで脅かす。ヒットがあるにせよ浅いのが僅かに、というところ。
これまた微妙だがロペス。

5回、ロペス右ロングで脅かし、ボディへ連打を送る。ロマチェンコ、ジャブとワンツー浅い。
ロペスのボディブローの力感と、主導権を握っている点を見て、ロペス。

6回、ロペスの左フックにロマチェンコ左リターン、速いが軽い。
ロペス、右アッパーから右ショート狙う。ロマチェンコ右ジャブ。攻勢をとってややロペスか。

7回、ロペスの右がロマチェンコのガードを巻いてヒット。
相殺に来るロマチェンコを、カウンターの右アッパーでも脅かす。
ロマチェンコ右フック、ボディをリターンするが、ヒット、攻勢でロペス。

8回、前の回をクリアに取られたという認識か、ロマチェンコが出始める。
左ヒットに続いてアタマも当てる。この辺、らしくもなく不細工。
両者パンチの交換になり、ロマチェンコ左ダブル、揉み合いになっても左を打ち続ける。
ロペスのワンツー、右アッパー鋭いがロマチェンコ外し、連打で攻勢。クリアにロマチェンコの回。

9回、ロマチェンコ右ボディに対し、ロペスの右アッパー。
ロマチェンコ出て、コンパクトな左右連打。ロマチェンコ。

10回、少しアタマが気になるが、ロマチェンコ出て、右フックでリード、ワンツーも。
ロペス右ストレート鋭いが、ロマチェンコは出ている割りには食わない。流石。
ラスト30、両者打ち合い。ロペスの右がローブローに。ロマチェンコ。

11回、ロマチェンコ、ショートの連打。返しの右フック振り下ろし、ボディも好打。
お得意の「終盤、忘れた頃にボディ打ち」が出る。
しかしロペスもボディにヒットを返し、ロマチェンコの追撃を食い止める。全体はロマチェンコ。
 
12回、ロマチェンコは逃げ切りという余裕はなく、最後も「抑え」にかかる風。
右フックリードで入り、ボディ攻撃、左ストレート。「詰めた」攻防共に巧さがある。
しかしロペス、際どいタイミングも怖れず、上下の連打。やっと「らしい」ところが見えた後、右ボディ。
ロマチェンコまた食い止められ、少し足が伸び加減に。
ロペス、詰めた距離で脅かす。最後右瞼カット。ロマチェンコの回。




ということで、さうぽん採点は114-114のドロー。
前半、微妙な回を全部ロペスにしたことも含め、ちょっとロペスに甘いかな、と思いつつ、判定を聞いたら、119とか、117とかいう数字。
この内容でロマチェンコの大差勝ちになるのか、今の採点はそういうものなのだなあ、自分の見方はもう古いのか...と思ったら、逆でした。
これはこれで驚きでしたが。


鮮明な映像を様々なアングルで見るのと、リングサイドから見上げるジャッジの採点が一致しないというのは、競った試合では当然、あることです。
仮に一方が、3分間で一発だけリードパンチを当て、相手のパンチを二十発外したとて、それが必ずしもポイントになるとは限らない。
有効打か攻勢か、となると、ルール上は有効打を採る、それはそうなんですが、ロマチェンコの軽いヒットより、ロペスが放つ力感あるボディブローが「かすめた」方を採る、という見方もあり得るでしょう。
また、その場合、攻勢はロペスの方が取っている場合が多かったはずです。


そういう細かいところの積み重ねが、このような「結果」に結びついた。
そして、その結果は、究極技巧を謳われる王者に対し、派手なことも無理なこともせず、バランスを乱さずに対峙し続けた、テオフィモ・ロペスの持つ「確かさ」故に、出たものでした。

もっと打っていきたい、という場面もきっとあったはずですが、しっかり構えて左リードで追いつつ、右アッパーの迎え撃ちも用意し、間が空けばボディストレートを伸ばして、ロマチェンコを遠ざけ、「旋回」からの攻撃を封鎖するという、地味な「タスク」をしっかりこなす。
終盤、攻勢に出たロマチェンコに対し劣勢となるも、ボディブローによってダメージを与えるなどして凌ぎきった。

その闘いぶりは、こちらの勝手な想像...ある程度、ではなく、それ以上に無理な、無茶な仕掛けをもって「パンチャーズ・チャンス」に賭けるしかないのでは、という想像を覆す、冷静にして沈着なものでした。
採点がどうというのを抜きにして、内容的に「健闘」だったと思います。



対して、王座陥落となったロマチェンコですが...何しろ相手は最強の挑戦者、何もかも好き勝手にやって勝つというわけにはいかない、という前提をもって見れば、何も悲観するような内容でもなかった、とは思います。
ただ、上記した、採点基準と「現実」の乖離を一切無視したような発想で、ポイントの優勢を信じていたのだとしたら、その判断は結果としてミスだったし、もし劣勢、ないしは互角に近いと見ていたのなら、反転攻勢に出るのが少し遅い、という印象でした。

そしてそれが、単なる判断ミスなのか、コロナによるブランクや、年齢による衰えやその他の問題なのか、体格面の不利もあってのことか...どう見るべきか、色々と迷うところではあります。
今後はおそらく、判定への不満を表明して再戦へ向かうのでしょうが、スタイルが今からがらりと変わるわけでもない以上、どのように今日の試合を省みるのか、それが彼の今後を決めるのでしょうね。



と、細かいことをあれこれと書いておいてナニですが、今日の試合が9対3とか、11対1やとか言われると、さすがに「どういうこっちゃ」と言いたくもなります。
両者が試合前、というか、以前から語ったり、噂されていた、この試合後の身の振り方、階級の選択を含めた活動方針などからするに、こういう結果が、ある立場の人々にとっては望ましい、ということなのでしょうか?
そんな勘ぐりをしてしまうほど、最初から決まっていたかのような数字だと思ってしまいます。いくらなんでもなあ...と。


試合としては「地味系」ではありましたが、生中継だったことも含め、緊張感をもって見られる12ラウンズではあったと思います。
もっと派手なことが起こって、はっきりと白黒ついていれば幸いだったでしょうが、スペクタクルを「企図」出来ないこともまた、ボクシングの、ある部分の価値を証明している、ということで、今日のところは収めるべき、なのかもしれません。


とはいえ、やはりすんなり腑に落ちる「まとめ」にはなりませんね。
この試合で、片方が119...ウソでっしゃろ、と...。



===================



ということで、一曲。
THE BRICK'S TONE 「ビジネスが蠢く」。









コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本時間11月1日、一日で三興行丸被り

2020-10-16 18:10:54 | 井上尚弥




あっという間に井上尚弥、ジェイソン・マロニー戦まで半月です。
専門二誌をのろのろと読みつつ、実感がわいてきたところ。
二週間の隔離を経て試合ということ、もう渡米しないといけないことになります。

最近また、欧米でコロナの陽性者が増加しているとのことですが、アメリカでは制限付きではあっても、有観客試合への模索が続いていて、それにまつわり日時や会場の変更が行われています。
その流れで、WBAがスーパーフェザーとライトの二階級王座を一試合で争奪することを認めたという、ジャーボンテイ・デービスとレオ・サンタクルスの一戦が、こともあろうに日本時間11月1日に。
日程が被ってしまいました。


井上、マロニー戦はWOWOWプライムで、午前10時半から生中継。
デービス、サンタクルス戦も、午前10時頃から、WOWOWオンデマンドでライブ配信とのことです。
「本放送」は、WOWOWライブで一週遅れ、11月9日のレギュラー放送枠とのこと。

本放送とオンデマンドの時間が被ると、なかなかはしごして見るのは難しいときがあります。
基本、井上の試合優先ですが、まあデービスやサンタクルスに対して、あれこれ思うところがあるにせよ、なんだかだ言って、せっかくライブ配信してるものだし、見てみたいし。
でもDAZNのような、オンデマンドが本業のところと違って、WOWOWオンデマンドは見逃したらそれきり、もう一度見ることが出来ません。
当然、録画も出来ないわけですし。
配信当日か、翌日くらいまでは見られるようにしといてくれたら助かるんですが。


ちなみにこの日は午前3時頃から、DAZNでもこちらの試合がライブ配信。
ウシク転級2戦目です。メインは午前7時前後というところでしょうか。
さすがに三興行、完全カバーというのは難しそうですが、あれこれ楽しみの多い来月1日になりそうです。



ところでDAZNといえば、次の日曜も午前3時からライブ配信があります。
DAZNのページには「WBA世界スーパーライト級タイトルマッチ」と表記がある、ルイス・リットソンvsミゲル・バスケス戦ですが、BoxRecによると、インターコンチネンタルのタイトルマッチとのことでした。
DAZNさん、ボクシングに対する雑なとこがまた出ました(笑)。

しかしWBAのことなんで、また「やった」んか、と一瞬思いましたが、さすがに違いました(笑)。
しかしミゲル・バスケスとはまた懐かしい。若きカネロやブラドリーには負けた頃からすでに「枯淡の味わい」だったんですが、まだ現役なんですねー。



====================



ということで、一曲。
布袋寅泰 “GLORIOUS DAYS” です。








コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

えらい人でも「きちんとしてない」という話

2020-10-15 15:29:49 | 関東ボクシング


日本プロボクシング協会の前協会長でもあった、ワタナベジム会長さんが罰金くらったとい記事
コロナ防止対策に反する行為により、ということです。

へー、こういうのちゃんと処分するんや、と感心...している時点で、自分が普段から、この辺の人たちをどう見ているか、という話ですが。
さらにいうなら「50万て、そんな大金、ホンマに払うんかね」とか...あ、いやいや。


まあ何しろ、地位があり、名が知れた人間とて、傍が思うほど「きちんと」してるわけではない、というのは、世間じゃざらにある話に過ぎません。
ボクシング界とて例外ではない、というか、むしろ当然というか。

しかし記事にある、咎めを受けた行動も、単に予防対策のことを何もわかっていなかったのか、または「自分だから良い」と思っての振る舞いなのか。
「認識が足りなかった」とは、どっちのことなんですかね。
まあ、どっちであってもアウトですが、そこを詳らかにしてもらわんとな、と思います。
単に反省してます、と言われても、何を反省してるのかがわかりません。

それに、ホンマに反省してるんなら、かつて要職にあった人間、自ら会見で謝罪くらいしたらどうやと。
「このくらいのことで」という「認識」なんでしょうけどもね、どうせ。


それにしても、このレベルの人たちと機嫌良うお付き合いをしていかんと試合が出来んとは、ただでさえ楽やないボクサー稼業、ホンマに大変です。
今日も今日とて、この同じ空の下で、どこかでボクサーが情けない思いしてるのかと思うと、遠い目になってしまいますね...。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「新生」への過程は見えた 阿部麗也、上々の再起

2020-10-13 22:03:49 | 関東ボクシング



ということで、先ほどA-Sign「大和魂」のライブ配信、メインイベントのみしか見られませんでしたが、見終えました。
簡単に感想を。


初回、両者高い集中。大柄な佐々木がプレッシャーかけている。
佐々木がボディなど単発ヒットを続ければ、阿部も左ストレートを決める。
佐々木よく動いて、手数でもまさる。佐々木か。

2回、両者、右リードの応酬。リング中央の「陣地」を奪い合う。
佐々木が出て、阿部がロープ際で振りの小さい左カウンター、ヒット。
佐々木前に出ながら膝をつく。スリップの裁定。足が滑ったと見たのか?
佐々木ダメージはないようで、前に出て左クロス打ち返す。
阿部の左カウンター(スリップですが好打とみなして)、右リードで阿部に振るが、競った回。

阿部は普段よりも引き締まった様子で、リードで崩して後続を狙う決意のようなものが見える。
この阿部に対し、怯まず攻め、動いて渡り合う佐々木も大したもの...と思っていたら、3回、佐々木の左クロスが阿部を捉える。
阿部、少しバランス乱す。ちょっとしたピンチ。佐々木。


しかし4回、今度は阿部が、より振りの小さい左をクリーンヒット。佐々木一瞬止まり、苦笑いも。
ダメージあった様子で、この回終盤、肩から入ってクリンチ。レフェリーに注意される。阿部。

5回、佐々木は左を当てるが、阿部が打つと体勢が悪くなり、クリンチ。表情も苦しそう。
先ほどまでの、右リードで撥ね付ける、という構えが少しずつ崩れる。やや阿部。


6回、佐々木右フックリード、しかし阿部がジャブを3、4発と返す。
佐々木懸命に単発のヒット、左クロス。阿部倦まずにプレスをかけ、より正確なヒットを返す。
派手なヒットは佐々木、インサイドから鋭く当てたのは阿部。阿部に振るが、割れる回なのかも。

7回、佐々木は遠くからジャブ伸ばすが、阿部はじりじり出て、すぐにジャブから左。
阿部のボディブロー、佐々木はクリンチ。この後、佐々木も同じく左ボディを決めるが浅いか。
阿部が中央に陣取り、佐々木が回り、追われる構図。阿部。

8回、阿部の左ヒットでスタート。佐々木は離れた位置からの単発狙いが精一杯。
じりじり出た阿部が最後、インサイドに小さい左アッパー入れる。阿部。



判定は3-0で阿部、妥当でした。
ベルトラインに「凡才」と入れたトランクスの阿部麗也、確かに捌く動きよりも、前に出て、圧して、或いは切り込んで、という姿勢が、以前より明確に見えたという印象。
元々の当て勘、外し勘も生きていて、それでいて高い集中が見える。
試合としては地味だったのかもしれませんが、再起戦としては、相手も「あんまり強くない」外国人ではなかったことも含め、上々だったのではないでしょうか。
もっとも「いつものホール」だったら、この内容で充分盛り上がったでしょうし、そうなれば印象も違うのでしょうね。


序盤は攻め込もうという意欲を、手数と動きで表現していた佐々木蓮でしたが、4回以降はあらゆる局面で「劣勢」が続き、苦しい闘いぶりでした。
しかし格上相手に、11戦目での初黒星となった苦闘を、良い経験に出来るだけの可能性を感じる「奮戦」でもあったと思います。


今日はアンダーまではチェック出来ませんでしたが、メインだけでも、やはりライブで見られて良かったと思える試合でした。
セミのカードが、コロナ陽性で中止になったのは残念ですが。
石川春樹、千葉開、両者の思いをプレビューで見ていただけに、彼らの無念が、実感をもって迫ってくるような気がしてしまいます。



とりあえず、こちらで全試合観られます。
視聴者数は1万超えてますね。






==================


ということで、一曲。
くるり「ソングライン」。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明日A-Sign興行ライブ配信 新生・阿部麗也誕生なるか?

2020-10-12 07:53:40 | 関東ボクシング



ということで明日はホールでA-Sign興行がありまして、またもYouTubeでライブ配信予定だそうです。

メインイベントは、和製サーマートとして大成するかと期待していたサウスポー、阿部麗也が、元全日本新人王の佐々木蓮と対戦。
これまた、上位陣が、若手の挑戦を受けるカードで、普段ならすんなりとはいかないかもしれないマッチメイクです。

両者のインタビューが見られるプレビュー動画、ご紹介。





日本タイトルマッチで二度、王座奪取ならなかった阿部が、その懊悩を率直に語っています。
フィリピン合宿を経て、ボクシングの捉え方、考え方を変えたらしい阿部の「新生」なるか、というのが見どころですね。
佐々木蓮は同じサウスポーですが、若くて大柄で、阿部にとっても怖いかもしれません。



セミでは石川春樹と千葉開の若手対決。これまた良いカードです。
日本ユースタイトルが新設されるまでは、こういうのもなかなか組まれなかったですよね。
これまたプレビュー動画。





石川春樹は、父を亡くして最初の試合で、こちらも色々悩みを抱えた状況?の強敵に挑むのだそうです。



今回のプレビュー動画は、これまでの、肩の力を抜いた感じのものとは違い、シリアスなものになっています。
これを見ると見ないとで、試合への興味の持ち方がだいぶ違うだろうなあ、という意味で、優れたプレビューになっています。


そりゃ、世界タイトルマッチも良いですが、国内のボクシングも、充分見どころがあり、多くの興味を引いて然るべきもの、のはずです。
そういう思いに、確信を持たせてくれるプレビュー動画でした。
明日は好ファイトに期待ですね。ライブ配信、楽しく見たいと思います。



===================



ということで、一曲。古くてベタなヒット曲。
Van Halen “Jump” です。







コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「世界ライト級タイトルマッチ」まで、言うとる間にあと一週間

2020-10-11 22:22:26 | 海外ボクシング



ワシル・ロマチェンコvsテオフィモ・ロペス戦、言うとる間に、あと一週間です。

これはビートのHPの記事ですが、先週載っていたものです。
何故かロマチェンコが関西弁を使っているのが、いとおかし、ですが。
「誤植は天下の回りもの」なんて言葉もあるそうですが(ほんまかいな)、こういう面白いのは大歓迎であります。


それはさておき、もう来週日曜なんですね(^^)
WOWOWライブ生中継ということで、これはもう見るしかないです。
アルファベット要らずの「世界ライト級タイトルマッチ」、王者に若い世界1位が挑む、という絵として、余計なことを考えずに見られる試合です。


と、A-SIGN動画でも、この試合について取り上げてはりましたので、ご紹介。




ロマチェンコの心意気というのか、自信なのか余裕なのか、いずれにせよ並外れたものがありますね。
まあ、真の「世界チャンピオン」と目すべき王者なのだから、普通の物差しで測れはしない、それで当然なのかもしれません。


と、A-SIGNはこの火曜、13日に興行がありまして、それもライブ配信ありなんだそうです。
その辺はまた明日。



===============



ということで、一曲。
Eve「羊を数えて」。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

期待以上に巧くて冷静 中島玲、元王者に判定勝ち

2020-10-10 09:03:50 | 関東ボクシング




昨日ホールで行われたミドル級8回戦、細川チャーリー忍に、デビュー4戦目の中島玲が挑んだ一戦、BoxingRaiseに動画アップされていて、見ることが出来ました。


中島玲は昨年、矢田良太vs別府優樹戦のアンダーで、3戦目を闘ったのを途中から会場で見ました。
小柄な代わりに分厚い上体を持ち、これも小柄で分厚い刺青タイ人コムサーンに判定勝ち。
途中からだったので、その時は全体的にどうかわからなかったのですが、印象としては構えはは低め、足が動いて、ボディ打ちなど左が巧い、アマ歴けっこうあるのかな、というところでした。

その後知ったところでは「けっこうある」どころではないキャリアで、全日本選手権3位などの実績があるトップクラスだったとのこと。
なるほど、3戦目にしてはこなれてたはずや、と納得。

ただ、あの試合では、なかなか良いと見えた中島の闘いぶりが何故か気に入らないと見えて、客席から応援、声援を飛び越え、叱咤激励のつもりが難詰、さらに言うなら因縁、というレベルの、聞き苦しい大声が間断なく飛んでいて、なんだかなあと思ったりもしました。



その後、ご多分に漏れずコロナによるブランクを強いられた次が、細川チャーリー忍戦というのは、大きなチャレンジでしたが、映像で見た限り、3戦目の印象に加え、こまめに頭の位置も変えていて、長身の細川のジャブに対しても「やや苦しんだ」程度に収めた、と言える闘いぶりでした。
小柄で、一発強打はないが、足が要所でよく動き、相手のサイドに回り込んで打つパターンも数回あり。
少し構えが低く、チャーリーが長いジャブで追って、追撃をする場面もありましたが、捉えられる、という段階に至る前に外し、食い止め、リターンで相殺し、という具合でした。
キャリアのある元タイトルホルダー、細川相手に、8ラウンズに渡ってペースをほぼ乱さなかったあたりも、評価されるべき点です。


判定は割れたが中島。
細川は判定に不満だったそうですが、突き放しきったり、捉えたりとまでは言い切れない以上、出るにせよ引くにせよ回るにせよ、能動的に試合を作っていた中島にポイントが流れるのも、充分あり得ることでしょう。


ということで、寝屋川石田ジムからまた、面白そうな若手が出てきました。
これもコロナ渦の副産物といいますか、プロキャリアこそ浅いがアマチュア歴が豊富で、意欲溢れる若手が、キャリア豊富な格上、元王者などに挑むカードが多く組まれていて、その流れから生まれたホープだと言えるでしょう。

中島玲、ここまで見た限り、技巧派の印象ですが、体型からして強打する場面があれば、パワーも発揮するかもしれません。
まだ未知数の部分もありますが、重いクラスの貴重なタレントとして、活躍してほしいものです。



====================



ということで、一曲。
花田裕之 “HARD DAYS+HEAVY NIGHTS” です。







コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

快勝の次に見たいもの 勅使河原弘晶、移籍初戦でTKO勝ち

2020-10-09 05:18:35 | 関東ボクシング



勅使河原弘晶が、ミツキジムの河村真吾と対戦して、6回TKO勝ち。
内容的には、機動力を増した試合ぶりで、快勝だったようです。
TVは次の日曜、フジテレビで録画放送です。関東ローカルですが、友人の厚意により、後日見せてもらえると思います。


勅使河原、IBFではすでに3位につけています。
王者がWBA、IBFのダブルタイトルを持つムロジョン・アフダマリエフで、IBF暫定王者が岩佐亮佑。
この両者は対戦の話があるとかないとかですが、その次はというと、今、1位と2位が空位なので、こういう場合は4位との間で挑戦者決定戦という流れになるのが普通です。
他の団体は知らず、この辺は「IBFあるある」ですね。

で、4位は誰かというとマーロン・タパレス。この位置に「残っている」んですね。うーん、という感じ。
むしろ5位のカルロス・カストロの方が手強そう。若き日の、新時代の旗頭として輝いていた頃の鬼塚勝也に、ちょっとイメージが重なる好選手です。
この先、IBF挑戦なら、この辺との対戦に勝った上で、という運びになる(ならざるを得ない?)のでしょう。

他の話をすると、WBCはネリー招聘が不可能。
WBOは新王者アンジェロ・レオ、来日があり得る選手なのかは?マーク。
一番、日本開催が出来そう?なのはタパレス戦でしょうが...。



しかし、先のことより何より、昨夜の試合は、如何にコロナ渦により強いられたブランク明けの試合とはいえ、直近5試合で2敗3分と苦戦しているさなかの中堅、実質ノーランカー同然の相手です。
少なくとも、世界や日本や東洋やを問わず、ランキングというのものが10位までの時代なら、10位に押し込むことは、さすがに誰にも出来なかっただろう、と思われます。

そういう甘いカードについて報じる記事で、その事実をもって批判的見解を書かないどころか、その事実をも敢えて記述しないまま終わるものが散見されます。
そういうものを読まされると、さすがに...如何なものかな、と思わざるを得ません。
少なくとも、昔日の専門誌記事には、このような立ち位置...曲がりなりにも「世界」を口にする選手が、これほど大きく、格的に差のある選手と闘えば、一言だけであっても、苦言のようなものが書かれていたものですが。
このあたりも、先日の吉野インタビュー記事一部削除の件と共に、今のボクシング界の空気感を、読んでいるこちら側に、はしなくも伝えてしまっていますね。



話を戻して、現実的に、外国選手との世界戦は、まだ簡単には組めない状況下でしょうが、それを取っ払っても、勅使河原弘晶の「次」が世界戦であってほしい、と熱望するような気持ちは、少なくとも、いちファンとしての、私の心中にはありません。
「もう一歩」「もうひとつ」何か納得感のある勝利が欲しい、と思います。
それがタパレス戦だとしたら、想像する中で最低ライン...というか、まだ良い方でしょうが、おそらく当分、目処は立たないでしょう。

そうなれば国内に目を向けるしかないんですが、他の階級では、それこそ伊藤雅雪と吉野修一郎を組もうという話になっているのに、スーパーバンタム界隈は、相変わらず「不可侵条約」でも結んどるんかいな、と思うような状況です。
こういうわけのわからん状況は、こんな時ですら変わらんものなんでしょうか?
それとも今後、劇的な展開がある?

期待したいところですが、はてさて、どうなりますか。
傍目には、お互い、もう勝手な都合で組める試合もないんだから、やったらどうですか、と思うのみなんですが。



=====================



ということで、一曲。
フジファブリック「陽炎」。







コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

100万ドルと300万円 日本ボクシングの風景

2020-10-07 19:44:52 | 関東ボクシング



先日、大橋秀行会長が、井上尚弥の、ジェイソン・マロニー戦における報酬が100万ドルであると、報道陣に語り、それが報じられました。
軽量級では、公になっている限り、マイケル・カルバハルなど少数の例しかない額だと思います。


過去には、辰吉丈一郎が、薬師寺保栄戦において、興行権の入札額を折半した額、約1億7千万円を得たとされていますが、対する薬師寺の方が、かなり報酬を減額された...2500万円くらいしか受け取っていない(と、当時報じられました)とのことですので、この入札額は、実体とはかけ離れています。

※今もそうかもしれませんが、当時、WBCは、日本のクラブ・ジム制度下にて、入札(落札)額と、実際に選手(イコール「両選手」)に支払われる報酬額に相違が生じ得ることなど、想定していなかったのでしょう。
事例としてはイレギュラーだと見るべきです。きつく言えば、詐欺に等しい行為だと思います。


海外での2試合を含め、乱立するタイトルホルダーや元王者たちを悉く打ち破ってきた井上のキャリアを見れば、いかに軽量級とはいえ、当然このくらいの報酬を得て当然、そうでなくては、という納得感があります。
何度も書いていますが、今の井上は、それこそファイティング原田のレベルに相当する、アルファベット要らずの「世界バンタム級チャンピオン」と目されるべき王者です。

ただ、井上が「最上位コンテンダー」たるジョンリエル・カシメロや、欧州最強のノルディ・ウーバーリらと共に、こちらも上位に位置するモロニーの挑戦を受ける一戦とはいえ、開催地がアメリカで、コロナ渦による影響から無観客試合であるにも関わらずこの報酬額、というのは、大橋会長ならずとも、やはり驚きです。
普通に考えれば「ネクスト・ドネア」としての期待と、それ故の投資なのでしょうが、本当に、それに並ぶかそれ以上のものを掴んでくれるのではないか、と思います。




翻って国内ですが、日本、OPBF、WBOアジアのベルトを保持するライト級チャンピオン、吉野修一郎が週刊誌のインタビューに、自らの報酬額や境遇を普通に語ったことが、あれこれ波紋を呼んだそうです。
記事はネット上で、ざっと読みました。

試合報酬が、年間3試合で300万円くらい、というのは、三迫ジムのトップ選手でもこんな感じか、と思ったものの、概ね、国内や地域タイトルのタイトルホルダーなら、多少の差はあれ、こんな感じだろう、と思いました。
国内及びアジアタイトルを保持しているボクサーでさえ、こんなに不遇なのか...という感想は、正直言って持ちませんでした。

吉野が、昔日の小坂照男のように、同じ東洋、アジアのライバルであるフラッシュ・エロルデのような強豪と何度も闘っていたり、高山、門田、石松、柿沢、山辺らが鎬を削っていた頃のように、中谷正義や伊藤雅雪と何度も闘っているというのならともかく、今の吉野のキャリアは残念ながら「その手前」の段階です。
現在、国内トップの地位にあることは事実ですが、他のスポーツや格闘技のスター選手同様に、有名になって好待遇を得るべき、とまでは言い切れないところです。

しかしそれは、あくまで選手の責任ではなく、ボクシング業界全体の問題です。
好選手同士が当然のこととして、国内最強を決めるカードが組まれることを「好カード実現」「関係者の英断に拍手」と語らねばならない、異様な状況が常態化し、選手各々にもれなくついてくる「会長」という方々のご都合が何より優先され続けた結果、国内カテゴリーのボクシングに対する世間の関心はすっかり薄れ、注目度は低いまま。
そこで「どこに出しても恥ずかしくない」「もっと多くに見て貰いたい」と思うような試合が実現し、それが実際に良い内容を残しても、選手が大して報われることもない。

そのような状況下で、ボクサーを志した若者たちの中から勝ち上がってきた勝者のひとり、例えば吉野修一郎が、残念ながら、充分に報われることのない日々を生きている。
それが、本人の口から語られたに過ぎない。
今回の記事について、その内容には何の驚きもありませんでした。


しかし、聞けば後日、吉野に対し関係者から批判、或いは非難の声が上がって、本人も謝罪のようなコメントを出したとのこと。
そして、当該記事も、一部を削除したか訂正したか、改めてネット上にアップされたのだとか。

いかにも古い、貧しい、そして卑しい、としか言いようがありませんが、メディアの記事が訂正されたというに至っては、言っては悪いですが、たかがボクシングごときに、今時そんな影響力が行使できるものなのか、と、改めて新鮮な驚きがありました。
こんなことに費やす手間や労力があるのなら、もっと普段、広報にも力を入れられんものか。呆れるほかありません。



それにしても、と思います。
100万ドルのリングに立つ者の、圧倒的な力を称えるだけなら、誰にでも出来ます。
しかし、ボクシング界が今行うべきことは、3試合300万円のタイトルホルダーが、もう一段上の待遇を得るための試合を用意すること。
そして、その試合の価値が、少しでも広く見知られるように、メディアを通じて働きかけること、です。

しかるに現実はというと...ほんまに、ようも毎度毎度、そんなしょうもない方向にばかり...と。
井上尚弥の話は、本来なら楽しみで、ちょっと心配で、でもやっぱり楽しみで、誇らしくて、というものであるはずですが、それとはまた別に、日本のボクシング界の風景というものは、そう簡単には変わらないものだなあ、とも思った次第、です。



======================



ということで、一曲。
くるり「心のなかの悪魔」。








コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やりにくさを安定して発揮した 西谷和宏、尾川堅一に惜敗

2020-10-05 23:09:23 | 関東ボクシング




ということで今日は、G+にて尾川堅一vs西谷和宏戦の放送を見ました。


立ち上がりから西谷がプレスをかけ、尾川は鋭いワンツーで食い止めにかかる。
両者とも好調で、序盤の攻防から濃密な時間が流れる。
「やっぱり、良いカードって組むもんやなあ」としみじみ思いました。

しかし3回、尾川が頭を下げ、目線を切ってしまった瞬間を、スイッチした西谷の、アッパー気味の左が捉える。
側頭部か、ちょっとわかりにくいところに当たったパンチで尾川ダウン。
けっこう効いていたようだが、尾川それを隠し、懸命に凌ぐ。

この流れで西谷がもっと詰めていれば、という感じだった4回最後の方、尾川の右ストレートで西谷がダウン。
といっても、映像やスローで見る限り、パンチが当たっているようには見えない。
頭をかすめるようなパンチが効いた、ということでもなさそうだが、角度が違えば見え方も違うのでしょうか?


別アングルの映像が全く無い、ということもない?でしょうが、放送では流れませんでした。
また、こういうとき、G+の実況解説は一切、疑義を口にはしません。判で押したように、という感じです。
ようしつけられてはるなあ、と今さら皮肉る気にもなれませんが...。


この裁定の是非はおいて、中盤以降、尾川は大柄な西谷の巧さに苦しみつつ、徐々に立て直す。
パンチ力と一瞬のスピードでまさっているので、当てて動いて、という展開が作れれば尾川が良い。
対する西谷はじりじり押して、ボディ攻撃も含めてヒットを取る。

全体的に競っているように見えて、4回を10-8として受け容れても、ドローか僅差くらいかと見えたが、97-91で三者が揃った、という公式採点。ラウンド数でいうと8対2。
そんな試合かなぁ...と首を傾げてしまいました。



まあ色々思うことはありますが、試合自体は両者の良さと不足とが全部見えたことも含め、好ファイトでした。
まずは両者に拍手です。


尾川はパンチの切れ、威力は出色ですが、頭の位置に無頓着で、防御なども含め、受け身になると色々ボロが出るというか、雑な面あり。
今回、下向いてやりすごそうとしたところをまともに打たれて、倒れたわけですが、本人、ちょっとショックだったんじゃないでしょうか。
何しろ、ボクサーとして、全体的に歪な作りのまま、ここまで来てしまっている、という面があるように思います。

あと、今回のダウン裁定のみならず、過去の試合の中でも、後楽園レフェリーの助けを受けている場面がいくつかあって、どうも好感度が低い。
あ、これは私個人の勝手な意見ですけど...。



西谷和宏、日本王座返上後の試合を見ていなかったので、今はどんな調子かと、ちょっと気がかりでもありましたが、130ポンドでも問題なく、懐の深さを巧く生かしつつ、自ら攻めて、スイッチしての左アッパーで勝負、という闘い方で、その実力を証明したと思います。

若手の頃、関西ローカルのTVで、体幹トレーニングに早くから取り組んでいる様子を見たことがあって、でも試合を見るとどうも安定せんな、という印象だったのですが、上位進出と共にそれが変わってきて、据わりの良い感じで、持ち味を生かして闘えるようになっています。

相手から見たら、いちいちやりにくいボクシングで、土屋修平のみならず、今回は尾川堅一をも苦しめました。
健闘、惜敗だったと思います。
結果は残念でしたが、こういう内容を示したボクサーには、またすぐ、次に注目度の高い試合の機会が与えられてほしいものです。



==================



ということで、一曲。
中村一義「セブンスター」。








コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする