ということで今日は、G+にて尾川堅一vs西谷和宏戦の放送を見ました。
立ち上がりから西谷がプレスをかけ、尾川は鋭いワンツーで食い止めにかかる。
両者とも好調で、序盤の攻防から濃密な時間が流れる。
「やっぱり、良いカードって組むもんやなあ」としみじみ思いました。
しかし3回、尾川が頭を下げ、目線を切ってしまった瞬間を、スイッチした西谷の、アッパー気味の左が捉える。
側頭部か、ちょっとわかりにくいところに当たったパンチで尾川ダウン。
けっこう効いていたようだが、尾川それを隠し、懸命に凌ぐ。
この流れで西谷がもっと詰めていれば、という感じだった4回最後の方、尾川の右ストレートで西谷がダウン。
といっても、映像やスローで見る限り、パンチが当たっているようには見えない。
頭をかすめるようなパンチが効いた、ということでもなさそうだが、角度が違えば見え方も違うのでしょうか?
別アングルの映像が全く無い、ということもない?でしょうが、放送では流れませんでした。
また、こういうとき、G+の実況解説は一切、疑義を口にはしません。判で押したように、という感じです。
ようしつけられてはるなあ、と今さら皮肉る気にもなれませんが...。
この裁定の是非はおいて、中盤以降、尾川は大柄な西谷の巧さに苦しみつつ、徐々に立て直す。
パンチ力と一瞬のスピードでまさっているので、当てて動いて、という展開が作れれば尾川が良い。
対する西谷はじりじり押して、ボディ攻撃も含めてヒットを取る。
全体的に競っているように見えて、4回を10-8として受け容れても、ドローか僅差くらいかと見えたが、97-91で三者が揃った、という公式採点。ラウンド数でいうと8対2。
そんな試合かなぁ...と首を傾げてしまいました。
まあ色々思うことはありますが、試合自体は両者の良さと不足とが全部見えたことも含め、好ファイトでした。
まずは両者に拍手です。
尾川はパンチの切れ、威力は出色ですが、頭の位置に無頓着で、防御なども含め、受け身になると色々ボロが出るというか、雑な面あり。
今回、下向いてやりすごそうとしたところをまともに打たれて、倒れたわけですが、本人、ちょっとショックだったんじゃないでしょうか。
何しろ、ボクサーとして、全体的に歪な作りのまま、ここまで来てしまっている、という面があるように思います。
あと、今回のダウン裁定のみならず、過去の試合の中でも、後楽園レフェリーの助けを受けている場面がいくつかあって、どうも好感度が低い。
あ、これは私個人の勝手な意見ですけど...。
西谷和宏、日本王座返上後の試合を見ていなかったので、今はどんな調子かと、ちょっと気がかりでもありましたが、130ポンドでも問題なく、懐の深さを巧く生かしつつ、自ら攻めて、スイッチしての左アッパーで勝負、という闘い方で、その実力を証明したと思います。
若手の頃、関西ローカルのTVで、体幹トレーニングに早くから取り組んでいる様子を見たことがあって、でも試合を見るとどうも安定せんな、という印象だったのですが、上位進出と共にそれが変わってきて、据わりの良い感じで、持ち味を生かして闘えるようになっています。
相手から見たら、いちいちやりにくいボクシングで、土屋修平のみならず、今回は尾川堅一をも苦しめました。
健闘、惜敗だったと思います。
結果は残念でしたが、こういう内容を示したボクサーには、またすぐ、次に注目度の高い試合の機会が与えられてほしいものです。
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ということで、一曲。
中村一義「セブンスター」。