ということで日曜のWOWOWオンデマンド、チャーロ兄弟、揃って強敵を迎え、タイトルマッチを闘いました。
これをライブ配信で見られたのは、本当にWOWOWありがたや、です。
今後も、年末にかけて、コロナ蹴手繰り、一気の巻き返しという勢いで、あれこれとやってくれるようです。
反面、DAZNはカネロさんの件など色々あって、停滞気味ではありますが。
ジャモール「お兄さん」チャーロは、WBCミドル級タイトルマッチで、実力派のセルゲイ・デレビヤンチェンコに判定勝ち。
クリアに打ち勝っていたように見えましたが、終盤、二度目のクリーンヒットがあった次の回から失速あり。
拳傷めた?という風にも見えましたが、どうだったのでしょうか。
強打者ではあるが、後ろに重心残して、ジャブを突き刺しながら、引っ張るような左フックの強打で「チェック」し、右クロスも強烈。
デレビヤンチェンコも良さを出しましたが、またも届かずでした。
ミドル級界隈のあれこれは、もう色々あって、逐一誰がどう何がどうと言うのも面倒くさいですが、何しろ「世界ミドル級チャンピオン」の座は、ゴロフキンやカネロから、完全にこのお兄さんに移った、という理解で良いでしょうね。
次に見たいのは「元王者」ゴロフキンとの新旧対決です。カネロのことは言うだけ時間の無駄でしょう。
こちらもDAZNとの契約がネックになりそうなゴロフキンですが(株式がどうの、という話は、本当にややこしそう)本来あるべき「戴冠」或いは「奪還」の試合として、是非実現してもらいたいものです。
WBCスーパーウェルター級王者ジャーメル「弟さん」チャーロは、WBA、IBFのダブルタイトルを持つジェイソン・ロサリオとの三冠統一戦。
これも乱暴に言いますが、世界王者ジャーメルに、世界1位ロサリオが挑戦、という感じで見ていました。
細身で長身のロサリオが、ぐいぐい出てプレス。初回に左フック(かすめたようなのが効いていた?)でダウンしたロサリオですが、その後もジャーメルを押して攻め続け、あのジャーメルが何度か「自分から」のクリンチに出る場面あり。
ポイント的にも、ロサリオが追いついたか追い越したか、という6回に、ジャーメルの左フック、振りの小さい右が決まってロサリオがダウン。
そして8回早々、ジャーメルが放ったボディへの左ジャブでロサリオ悶絶、TKO。
ちょっと見たことないようなKOシーンでした。
ダメージの影響で、身体に力が入っていないところに、速いジャブが来て、腹筋を締められずに打たれた、ということなのでしょうか。
チャーロ兄弟、いずれも今、考え得る中で最も手強い相手と闘い、それぞれ苦しみつつも勝った、という試合でした。
共にそれぞれの階級で最強だと見ますが、それでも、アルファベット飛ばして世界ランク作ったら1位とか2位とかに来そうな強敵相手だけに、圧倒的に、一方的に、というわけにはいかず。
しかしそれも込みで、本当の「世界」を見ているんだなあ、という有り難みが伝わってくる、そんな試合でした。
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この興行、アンダーではスーパーバンタムの試合が妙に充実してまして、3試合が組まれていました。
日本にいる複数の上位選手の誰かを、ここに入れてもらえんものか、と思ったりもしましたが、それはおいといて。
ルイス・ネリーはWBCタイトル決定性で、同じサウスポーのアーロン・アラメダと対戦。
この段階で、曲がりなりにもWBCタイトルマッチに出られる、異様な優遇については改めて書きませんが、試合内容自体も、爆発的なものはあまり見られませんでした。
きつく言えば、バンタムの体重が作れない(或いは、作らない)ので、上げて然るべきスーパーバンタムで普通に計量し、薬も使ってない(と想定して)という条件の下では、ちょっと巧いというか、気の利いた狙いがある相手と闘うと「こんなもの」なのか、という印象でした。
次がダニエル・ローマンかブランドン・フィゲロアか、どちらと対戦するのか知りませんが、いずれも強打者ではないので、どうにかこうにか乗り切れる...のかも知れません。
ただ、手数で負けて受け身になったら、髭で隠した、尖った顎に集中打を浴びて、という展開もあり得そうですが。
そのローマン、フィゲロアはいずれも、これまで通りの闘いぶりでそれぞれ勝利。
軽量級だから少々は構わん、ということなのか、どちらもある程度打たせる感じもあって、こういうのはあちらでどう評されているのかな、ちょっと腑に落ちん、という部分もあります。
その点では、ローマンの方は少しマシですが、フィゲロアに関しては、本当にちょっとこう...まあ、あれで通っている今のうちは良いんでしょうが。
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ということで、一曲。
U2 “Levitate” です。