さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

忌憚ない論評は護られねばならない

2021-10-02 15:48:52 | 長谷川穂積




長谷川穂積が、自身のYouTubeチャンネルにて、先の寺地拳四朗vs矢吹正道戦を振り返っています。







カンテレドーガの配信、その放送の解説を務めたとのことですが、私はそれを見ていません。
しかし、報道や今回の動画で、どういう見方だったのかはだいたいわかりました。


放送席が二階だったとのことで、それもあってか、序盤の採点は拳四朗リード、と見えたし、それが拳四朗の闘い方に及ぼした影響、というのも、長谷川の目には重大なポイントとして映った、とのことでした。

試合内容について、そして両者の今後について、端的かつ深く、自らの見解を語る貴重な動画で、興味深く見ましたが、気になったのは、端々に、どちらかに肩入れしているわけではない、という断りの言葉が入ったことです。


引退後の解説者としての活動を少しでも見ていれば、彼がよくある「誼」「柵」に縛られたくない、という意志を持って、ひとつひとつの試合について、率直に自らの見方を語ろうと試みていること...それは、日本のボクシング界においては極めて困難な仕事だったりするのですが、果敢に「挑戦」していることは、多くが認めるところだと思います。
単に偉大な元チャンピオン、というだけではない好意や敬意が彼に向けられる所以は、要するにそういうところにあるのだと。

しかし、実際には、自分が応援する、肩入れせる選手に対して、マイナスの「部分」(あくまで「部分」でしかなくても)に言及しようものなら、即座にそれに対して反撥するような意見を投げつけてくるような人も、残念ながら存在するのでしょう。
大手ジムの選手や、人気選手に阿るような論評、試合展開や結果に引きずられ、試合内容への言及を率直に出来ない、やる意思のない解説の方がむしろ「普通」であるボクシング界において、長谷川穂積の存在は、リングの上で闘わなくなってもなお、貴重なものである、と思っているこちらからすれば、なんと無体な...という話です。


ボクシングに限った話ではないのかもしれませんが、物事なんでも様々な見方があります。
その上で、仮に自分の見方と違ったからといって、即座に噛み付くようなやり方で、率直に、忌憚なく自身の見解を語ろうという姿勢を持つ、長谷川穂積のような解説者が「潰される」ようなことは、あってはならないことですが、世の中にはそういう認識を持たぬ人々もいて、おそらくですが、長谷川もその存在を、現実的なものとして、視界に捉えているのでしょう。
それはとても残念なことに思えてなりません。




今まで「せやねん」はこまめにチェックしていましたが(笑)、長谷川のYouTubeチャンネルはあまり数を見ていませんでした。
山中慎介の自宅を訪れ、玄関先で「こんにちわ」(長谷川)「すんません、今、留守です」(山中)という、お決まりのやつをやっているときのは見ましたが(笑)
なんか、ちらと一覧見ると、はじめの一歩の葉っぱ掴みに挑む、とか、しょうもない(笑)こともやっている反面、真面目に語るものもあって、これは今後、しっかり見ていこうと思った次第、です。



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2 コメント

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Unknown (アラフォーファン)
2021-10-02 18:09:42
あんまり難しい事言わず、選手目線で語れる、長谷川さんの解説はそこが好きですよね。また解説ではないですが、関西人の血なのか、彼は笑い取りに行けて、愛され要素満載、レジェンドですが、普通の気の良いあんちゃんのまま。素敵な方です
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2021-10-03 14:35:48
>アラフォーファンさん

色々と、こうあるべき、という意志が見える解説ぶりですね。この辺は協会加盟ジムの会長ではないことも幸いしているのでしょうが。キャラクターは魅力的ですし、なおかつ偉ぶらない、現役を立てる、というところも良いですね。この辺「心がけ」でもあるのでしょうね。
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