少し遅れましたが、「DX3」発売感想。
■映画「プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花」
〈映画「プリキュアASDX3」プロデューサー&監督対談〉part1 シャッフルの意味
〈映画「プリキュアASDX3」プロデューサー&監督対談〉part2 東日本大震災、想定外の想定外
【フルオープニング】
踊る舞台は宇宙。もはや訳の分らぬスケールの大きさ。
このご時世に、新しい固有名詞「プリキュア」を作りあげ、シリーズコンテンツとして成長した誇りを感じるようです。
第1作目でこれをやっても説得力はなかった。
各シリーズのコールごとに、びしりとポーズを決める娘さんたちが凛々しいです。
あとピンクチームの皆さまが整列して出てくるところで、懸命の自己アピールしてる桃園さん可愛い。
ロースペックなのに、健気に頑張っててゾクゾクします。
その直後、理解不能な派手なポーズ決めて出てくる花咲さんに唖然とするのも含めて。
ダメだ…。先輩がキラキラな夢原さんで、後輩がギラギラな花咲さんじゃ、桃園さんの分が悪すぎる…。
後半の必殺技乱舞で遊んでるプリキュアさんが邪気すぎて素敵。
こういうプリキュア能力の無駄打ちが、本編では足りてないんだ。
そして腕力パンチでぶん殴るだけの黒白先輩とか、すごく怖い。
【侵食される日常】
最初の見所の一つは、異常事態にも慌てず騒がず変身する諸先輩方のシーンじゃないかしら。
敵が現れた。うん、しょうがない。だってこんなにプリキュアがいるんだから。
そして見知らぬ新しいプリキュアがいる。うん、しょうがない。だってこんなにプリキュアがいるんだから。
訓練されすぎです。
上述の対談で「先輩プリキュアにとって未知の体験として『DX1』では『違うプリキュアとの出会い』を入れた」とあります。
2年前の当時は、確かにパニックになった。でも今では既知ですよ。
成長し、組織化されていく娘さん達が逞しすぎる。
細かい戦闘シーンでも、経験値の差がめりめりと。
砂漠バトルで敵が現れた瞬間、振り向くと同時に身構える先輩達と比べ、わたつくメロディさんの初々しいこと。
同じくミント先輩に守られ続けるリズムさんも。
その一方で、「守られプリキュア」のポジションを巡って死闘を繰り広げる黄色チームも熱いです。
レモネVSルミナスVSパインさん。
バンバン前に出るレモネに対し、要所要所を押さえるパインさんが怖い。
レモネと言えば、ルミナスさんとハイタッチするシーンで、
レモネ:
「やったね!」
とかおっしゃってます。唯一の同年代に対し、唯一のタメ口。
DSゲーム「全員しゅーGO!」でも、ルミナスさんに対してだけは太い態度を取っておられました。さすが芸能界関係者にして超体育会系のレモネ。上下関係に異様に厳しい。
次回のスイートさん映画で、おそらく最年少プリキュアとなるであろうオレンジさんが参入しますが、それはそれは酷い後輩教育を施すんだろうと思う。
楽屋に挨拶に来る順番とかも、厳しくチェックしたりするんですよ。
「私たちのところに来るの○番目なんだ。あなたの中で、そういう順位なんだ。舐めてるの?」とか執拗にやるんですよ。
【麻痺する常識】
すごろくシーンも、さりげなく彼女達の訓練されっぷりが現れていると思います。
プリキュアコスチュームなのに、普通に会話してるんですよ。
あの格好で、暢気に歩き回ってるんですよ。
かつて花咲さんは、変身直後にあまりに短いスカートに羞恥で動けなくなりました。
それが今ではどうでしょうか。あの引っ込み思案だった花咲さんが、すっかり薄汚れてしまった。
「プリキュアなんて恥ずかしい」と言っていた水無月先輩も、気がつけば普段着と変わらない立ち振る舞い…。
実際あの子ら、どんな心境なんだろう。
胸の中では「私のコスチュームが一番可愛い」とか、「ぶっちゃけあの格好はない」とか考えてるんでしょうか。
なんだかドギマギするので、是非考えていて欲しい。
【ひたすらに訓練されていく人々】
同じく敵さんも対プリキュアに特化していくのが面白い。
真正面から打ちあわず、足場を崩す→突風で吹き飛ばす等々。
接近戦にも自信のある氷結コンビ&魔女さんなのに、足場を作られるまでは近づこうとしない。
しかも狙い撃ちするのがプリズムフラワー=プリキュアシステム。
最初に玩具を機能不全にするんだ。そうすれば、勝てる。
一方で訳の分からにことを言い出して反撃開始するプリキュアさんに「こいつら何を言ってるんだ…」とドン引きするのも面白い。
プリキュアさんは、理解できる生き物じゃない…。
あの子ら、自己完結して殴りかかってくるから性質が悪い。
結果論でいえば、プリキュアさん達の側は過去の経験が裏目に出てます。
執拗に「仲間と合流しなきゃ!」と走ってたピンクチームは、むしろそのせいで体力消耗してますし。
ラストシーン直前の変身能力が失われるところ、先輩方の方が心折れてたのは、なまじノウハウがあったせいかもしれない。
【非日常の終わり】
最初に心がくじけたのは、もちろんあの方でした。
桃園さん:
「今度こそ、本当におしまいなの…?」
「日常のなんでもない幸せ」がエネルギーな桃園さん、必然的にメンタル面は弱くなる。
と、それは良いのですが。
次に下を向いていたのはあの先輩。
秋元先輩:
「今の私達にはプリキュアになる力が、もう…」
守りのプリキュアである先輩が諦めてるのは重いです。
状況がいかに厳しいか、よく分かります。
それともリズムさんのお守で、純粋に疲労してたのか。
ただ「DX2」もそうですが、別に放っておいても、時間差があっただけで皆さま自力で立ち上がったのだろうと思う。
たまたま前回は「ハートキャッチ」組が、今回は「スイート」組の立ち上がりが早かっただけで。
実際に、本編でも心折っても立ちあがってるわけですし。
【旅立ち】
結果的に3部作となり、最後の今回のテーマは「旅立ち」。
あえてリクエストを探すなら、「プリキュア能力なし」で立ち向かう姿も見たかったかな。
個人的に「玩具が破壊される」シーンは、「仲間が倒れる」シーンよりも胸をうつものがあります。
人命を軽んじているようだけど、やっぱりお話の流れ的には、前者が重いかなと。
前回の「DX2」の桃園さんの髪飾りに亀裂が入るシーン、初めて見た時、自分でも意外なほど胸が痛んだ。
玩具が…。大事な、玩具が…。
その桃園さんの同僚の「シンケンジャー」さんで、玩具がどんどん壊れながらも突き進み、最後は丸腰同然で刺し違えるシーンがあるのだけど、そういうのも見たかった気がする。
プリキュアシステムが無くても戦える。それが正真正銘「旅立ち」なのかなと。
ただ「プリキュア」って劇中では「希望」の象徴なんですよね。
だから「プリキュア」抜きで戦うと言うのは、希望が無い状態で戦うのと意味的には同じ。
それは筋が通ってない。だから逆に「どんな状態になろうと、希望を捨てなければプリキュアはいる」が正しい考え方なのだと思う。
ついでに書くなら、プリキュア能力がなくてもあの子ら戦ってるから(例:「DX1」の花鳥組)、頼りきってるわけでもないし。
【旅立ちその2】
上述の対談にもありますが、本来のパートナーとバラバラになっても戦える、そして再び会える、というのも「旅立ち」テーマ的にすごく納得いきます。
そういえば、映画第1作の「MH」のED曲「心のチカラ」を聴いたとき、あれだけ「ふたり」を強調したお話なのに、歌詞が「別れ」を唄ってて驚いた覚えがあります。
『愛した人を守る勇気 おなじ気持ちを捧げたい』
『いつか君に また逢えた時 誇れるように』
「表面的には離れていても、孤独というわけではない」というのは「5」のテーマ。
一つのものが終わっても、形を変えて繋がっていくのが「プリキュア」さん。
この辺のテーマを、エンターテイメントとしても楽しめるものにしながら、しっかり描いてるのは、本当に凄い。
【プリズムフラワー】
「世界をつなぐ」という設定は、異なるシリーズの集まりの「DX」シリーズ的にも説明がつく。
「異なるシリーズ」には、映画を見てる私達も含まれる。
プリズムライトを振れば、映画の中とこちらの世界がつながります。
プリズムフラワーの力に依る「プリキュア」を通じて、普段は別々のところで生活してる私達もつながりあえる。
こうして弊ブログを読んでいただけてるのも、世界をつなぐ「プリキュア」さんあってのこと。
プリズムライトも、単に子供の気を引くためだけではなく、ストーリー上もテーマ上も意味を持ってる。
後付け設定とはいえ、「プリキュア」の設定にここまで意味を持たせたのは凄い。
ついでに書くなら、よく言われる「オタク趣味は本来は外に出るべきではない」といったのは、ひどく古い発想だと思う。
悪目立ちするのは論外としても、異なる世界ともつながっていくことをテーマにしているコンテンツを見ながら、身内だけでよりそってるというのは、何か矛盾してないかしら。
【プリキュアさん】
今回、公開の直前に大震災が起こった。
そのため劇中の台詞は「大災害を前にしても諦めない人々」をとても強く想起する。
それこそ、震災を踏まえて作ったんじゃなかろうかとすら思えます。
でも対談にもあるように、震災を想定してたわけでは勿論ない。
いつも貫いていたテーマを、今回もそのままやっただけ。
普段は「綺麗事すぎる」とも言われがちな『恥ずかしい』までに真正直な台詞や演出が、こういう時に物凄い説得力を持ちます。
それもこれも、真剣に作られてるからこそだと思う。
「子供向けだから」なんて安易な理由だけで綺麗事を言わせてるわけでもないし、お話の展開上お約束だから戦いに勝ってるわけじゃない。
と、そんなこんなを考えさせられる映画でした。
色々な条件が重なった結果、色々な側面から見れる映画だと思う。
こういうコンテンツを作れることを、心底尊敬します。
【蛇足】
我らの美翔舞さんも大活躍。
美翔さん:
「最強のコンビが聞いてあきれるわ!」
「全然当たってないじゃない!」
イラッ!
よくある挑発シーンと分かっていても、苛立ちを押さえられません。名演技。
そりゃフリーズンたちも怒り心頭ですよ。
この鳥…!飛べるくせに足場を理由に逃げてる鳥のくせに!
あと来海さんが海に落ちたシーンで、「あちゃー」とかやってますね。端々で光る美翔さん。
【蛇足2】
特典映像の舞台挨拶。
プリキュアさん達と共に決め台詞を叫ぶシーンがありますが…
沖さん:
「ぴ、ピーチっ?」
桃園さんとの連携が軋んだ瞬間。
会場で見てましたが、なんか桃園さん、全然別のところを見ててタイミングがズレたんです。
あの日の桃園さんは輝いていたと思う。(舞台挨拶の感想記事)
■映画「プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花」
〈映画「プリキュアASDX3」プロデューサー&監督対談〉part1 シャッフルの意味
〈映画「プリキュアASDX3」プロデューサー&監督対談〉part2 東日本大震災、想定外の想定外
【フルオープニング】
踊る舞台は宇宙。もはや訳の分らぬスケールの大きさ。
このご時世に、新しい固有名詞「プリキュア」を作りあげ、シリーズコンテンツとして成長した誇りを感じるようです。
第1作目でこれをやっても説得力はなかった。
各シリーズのコールごとに、びしりとポーズを決める娘さんたちが凛々しいです。
あとピンクチームの皆さまが整列して出てくるところで、懸命の自己アピールしてる桃園さん可愛い。
ロースペックなのに、健気に頑張っててゾクゾクします。
その直後、理解不能な派手なポーズ決めて出てくる花咲さんに唖然とするのも含めて。
ダメだ…。先輩がキラキラな夢原さんで、後輩がギラギラな花咲さんじゃ、桃園さんの分が悪すぎる…。
後半の必殺技乱舞で遊んでるプリキュアさんが邪気すぎて素敵。
こういうプリキュア能力の無駄打ちが、本編では足りてないんだ。
そして腕力パンチでぶん殴るだけの黒白先輩とか、すごく怖い。
【侵食される日常】
最初の見所の一つは、異常事態にも慌てず騒がず変身する諸先輩方のシーンじゃないかしら。
敵が現れた。うん、しょうがない。だってこんなにプリキュアがいるんだから。
そして見知らぬ新しいプリキュアがいる。うん、しょうがない。だってこんなにプリキュアがいるんだから。
訓練されすぎです。
上述の対談で「先輩プリキュアにとって未知の体験として『DX1』では『違うプリキュアとの出会い』を入れた」とあります。
2年前の当時は、確かにパニックになった。でも今では既知ですよ。
成長し、組織化されていく娘さん達が逞しすぎる。
細かい戦闘シーンでも、経験値の差がめりめりと。
砂漠バトルで敵が現れた瞬間、振り向くと同時に身構える先輩達と比べ、わたつくメロディさんの初々しいこと。
同じくミント先輩に守られ続けるリズムさんも。
その一方で、「守られプリキュア」のポジションを巡って死闘を繰り広げる黄色チームも熱いです。
レモネVSルミナスVSパインさん。
バンバン前に出るレモネに対し、要所要所を押さえるパインさんが怖い。
レモネと言えば、ルミナスさんとハイタッチするシーンで、
レモネ:
「やったね!」
とかおっしゃってます。唯一の同年代に対し、唯一のタメ口。
DSゲーム「全員しゅーGO!」でも、ルミナスさんに対してだけは太い態度を取っておられました。さすが芸能界関係者にして超体育会系のレモネ。上下関係に異様に厳しい。
次回のスイートさん映画で、おそらく最年少プリキュアとなるであろうオレンジさんが参入しますが、それはそれは酷い後輩教育を施すんだろうと思う。
楽屋に挨拶に来る順番とかも、厳しくチェックしたりするんですよ。
「私たちのところに来るの○番目なんだ。あなたの中で、そういう順位なんだ。舐めてるの?」とか執拗にやるんですよ。
【麻痺する常識】
すごろくシーンも、さりげなく彼女達の訓練されっぷりが現れていると思います。
プリキュアコスチュームなのに、普通に会話してるんですよ。
あの格好で、暢気に歩き回ってるんですよ。
かつて花咲さんは、変身直後にあまりに短いスカートに羞恥で動けなくなりました。
それが今ではどうでしょうか。あの引っ込み思案だった花咲さんが、すっかり薄汚れてしまった。
「プリキュアなんて恥ずかしい」と言っていた水無月先輩も、気がつけば普段着と変わらない立ち振る舞い…。
実際あの子ら、どんな心境なんだろう。
胸の中では「私のコスチュームが一番可愛い」とか、「ぶっちゃけあの格好はない」とか考えてるんでしょうか。
なんだかドギマギするので、是非考えていて欲しい。
【ひたすらに訓練されていく人々】
同じく敵さんも対プリキュアに特化していくのが面白い。
真正面から打ちあわず、足場を崩す→突風で吹き飛ばす等々。
接近戦にも自信のある氷結コンビ&魔女さんなのに、足場を作られるまでは近づこうとしない。
しかも狙い撃ちするのがプリズムフラワー=プリキュアシステム。
最初に玩具を機能不全にするんだ。そうすれば、勝てる。
一方で訳の分からにことを言い出して反撃開始するプリキュアさんに「こいつら何を言ってるんだ…」とドン引きするのも面白い。
プリキュアさんは、理解できる生き物じゃない…。
あの子ら、自己完結して殴りかかってくるから性質が悪い。
結果論でいえば、プリキュアさん達の側は過去の経験が裏目に出てます。
執拗に「仲間と合流しなきゃ!」と走ってたピンクチームは、むしろそのせいで体力消耗してますし。
ラストシーン直前の変身能力が失われるところ、先輩方の方が心折れてたのは、なまじノウハウがあったせいかもしれない。
【非日常の終わり】
最初に心がくじけたのは、もちろんあの方でした。
桃園さん:
「今度こそ、本当におしまいなの…?」
「日常のなんでもない幸せ」がエネルギーな桃園さん、必然的にメンタル面は弱くなる。
と、それは良いのですが。
次に下を向いていたのはあの先輩。
秋元先輩:
「今の私達にはプリキュアになる力が、もう…」
守りのプリキュアである先輩が諦めてるのは重いです。
状況がいかに厳しいか、よく分かります。
それともリズムさんのお守で、純粋に疲労してたのか。
ただ「DX2」もそうですが、別に放っておいても、時間差があっただけで皆さま自力で立ち上がったのだろうと思う。
たまたま前回は「ハートキャッチ」組が、今回は「スイート」組の立ち上がりが早かっただけで。
実際に、本編でも心折っても立ちあがってるわけですし。
【旅立ち】
結果的に3部作となり、最後の今回のテーマは「旅立ち」。
あえてリクエストを探すなら、「プリキュア能力なし」で立ち向かう姿も見たかったかな。
個人的に「玩具が破壊される」シーンは、「仲間が倒れる」シーンよりも胸をうつものがあります。
人命を軽んじているようだけど、やっぱりお話の流れ的には、前者が重いかなと。
前回の「DX2」の桃園さんの髪飾りに亀裂が入るシーン、初めて見た時、自分でも意外なほど胸が痛んだ。
玩具が…。大事な、玩具が…。
その桃園さんの同僚の「シンケンジャー」さんで、玩具がどんどん壊れながらも突き進み、最後は丸腰同然で刺し違えるシーンがあるのだけど、そういうのも見たかった気がする。
プリキュアシステムが無くても戦える。それが正真正銘「旅立ち」なのかなと。
ただ「プリキュア」って劇中では「希望」の象徴なんですよね。
だから「プリキュア」抜きで戦うと言うのは、希望が無い状態で戦うのと意味的には同じ。
それは筋が通ってない。だから逆に「どんな状態になろうと、希望を捨てなければプリキュアはいる」が正しい考え方なのだと思う。
ついでに書くなら、プリキュア能力がなくてもあの子ら戦ってるから(例:「DX1」の花鳥組)、頼りきってるわけでもないし。
【旅立ちその2】
上述の対談にもありますが、本来のパートナーとバラバラになっても戦える、そして再び会える、というのも「旅立ち」テーマ的にすごく納得いきます。
そういえば、映画第1作の「MH」のED曲「心のチカラ」を聴いたとき、あれだけ「ふたり」を強調したお話なのに、歌詞が「別れ」を唄ってて驚いた覚えがあります。
『愛した人を守る勇気 おなじ気持ちを捧げたい』
『いつか君に また逢えた時 誇れるように』
「表面的には離れていても、孤独というわけではない」というのは「5」のテーマ。
一つのものが終わっても、形を変えて繋がっていくのが「プリキュア」さん。
この辺のテーマを、エンターテイメントとしても楽しめるものにしながら、しっかり描いてるのは、本当に凄い。
【プリズムフラワー】
「世界をつなぐ」という設定は、異なるシリーズの集まりの「DX」シリーズ的にも説明がつく。
「異なるシリーズ」には、映画を見てる私達も含まれる。
プリズムライトを振れば、映画の中とこちらの世界がつながります。
プリズムフラワーの力に依る「プリキュア」を通じて、普段は別々のところで生活してる私達もつながりあえる。
こうして弊ブログを読んでいただけてるのも、世界をつなぐ「プリキュア」さんあってのこと。
プリズムライトも、単に子供の気を引くためだけではなく、ストーリー上もテーマ上も意味を持ってる。
後付け設定とはいえ、「プリキュア」の設定にここまで意味を持たせたのは凄い。
ついでに書くなら、よく言われる「オタク趣味は本来は外に出るべきではない」といったのは、ひどく古い発想だと思う。
悪目立ちするのは論外としても、異なる世界ともつながっていくことをテーマにしているコンテンツを見ながら、身内だけでよりそってるというのは、何か矛盾してないかしら。
【プリキュアさん】
今回、公開の直前に大震災が起こった。
そのため劇中の台詞は「大災害を前にしても諦めない人々」をとても強く想起する。
それこそ、震災を踏まえて作ったんじゃなかろうかとすら思えます。
でも対談にもあるように、震災を想定してたわけでは勿論ない。
いつも貫いていたテーマを、今回もそのままやっただけ。
普段は「綺麗事すぎる」とも言われがちな『恥ずかしい』までに真正直な台詞や演出が、こういう時に物凄い説得力を持ちます。
それもこれも、真剣に作られてるからこそだと思う。
「子供向けだから」なんて安易な理由だけで綺麗事を言わせてるわけでもないし、お話の展開上お約束だから戦いに勝ってるわけじゃない。
と、そんなこんなを考えさせられる映画でした。
色々な条件が重なった結果、色々な側面から見れる映画だと思う。
こういうコンテンツを作れることを、心底尊敬します。
(左画像) 映画プリキュアオールスターズDX3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花【Blu-ray】 特装版 (右画像) 映画プリキュアオールスターズDX3未来にとどけ!世界をつなぐ (アニメコミック) |
【蛇足】
我らの美翔舞さんも大活躍。
美翔さん:
「最強のコンビが聞いてあきれるわ!」
「全然当たってないじゃない!」
イラッ!
よくある挑発シーンと分かっていても、苛立ちを押さえられません。名演技。
そりゃフリーズンたちも怒り心頭ですよ。
この鳥…!飛べるくせに足場を理由に逃げてる鳥のくせに!
あと来海さんが海に落ちたシーンで、「あちゃー」とかやってますね。端々で光る美翔さん。
【蛇足2】
特典映像の舞台挨拶。
プリキュアさん達と共に決め台詞を叫ぶシーンがありますが…
沖さん:
「ぴ、ピーチっ?」
桃園さんとの連携が軋んだ瞬間。
会場で見てましたが、なんか桃園さん、全然別のところを見ててタイミングがズレたんです。
あの日の桃園さんは輝いていたと思う。(舞台挨拶の感想記事)