穴にハマったアリスたち

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スイートプリキュア♪ 第23話「ザザーン!涙は世界で一番ちいさな海ニャ!」

2011年07月24日 | スイートプリキュア♪感想
【今夏のプリキュアさん】

アリオ橋本の工藤真由・池田彩さんのミニライブを見てきました。
くどまゆさんが「どど」「れれ」してた。
何でも、くどまゆさんは昨日大阪でイベントだったとか。
本日はミニライブのために関東。そして明日は再び大阪でミュージカルのリハーサル。今週末も本番で大阪。
あの人たち、何かおかしい。

■スイートプリキュア♪ 第23話「ザザーン!涙は世界で一番ちいさな海ニャ!」

エレンさんがプリキュアとして自己認知しました。
おめでたいことです。
だけど心の中は、不安でいっぱい。

北条さん:
 「エレン、今、不安だと思う。突然プリキュアになっちゃって」

平穏な日常よさようなら。
ド派手なコスプレさせられて、殴り合いの日常が待っているのです。
もうあの頃には戻れない。同じ被害者を見る北条さん達の目が妙に優しげです。

しかしながら、エレンさんが悩んでいたのはそういうことじゃなかった。
今まで散々酷いことしたのに、コスプレして人を殴る資格なんてない。
先週解決したかに見えた問題を、いまだ引きずっていました。



エレンさん:
 「誰だって最後は一人よ」
 「私は一人ぼっちよ」

メイジャーランドの歌姫として称賛を浴びたのも遠い。
マイナーランドに鞍替えしても、誰も信用してくれず、居場所はなく。
楽しいことも、不幸に変わる。自分は一人だ。

そんなことを言うエレンさんを、ハミィは黙って見つめる。
「親友だ」と繰り返し言い続けたハミィさんからしてみれば、エレンさんの「私は孤独」発言はかなり哀しく響くはず。
だからこそ普段は喋り倒すあの猫の、黙って見守る姿は逞しいです。



そんな厄介な状況で出会った某少年、お父さんが長期出張に行くとかで駄々をこねてます。
はっはっは。北条さんを前にして、そういうこと言うか。
同じ境遇の北条さんなら容易く説得できる…と思いきや、逆に深刻さが伝わらない。
北条さんは、お悩み相談するには適さない子だな…。ご自分が突き抜けてるせいで。
結局、少年は自力で悟りました。

少年:
 「このままじゃ、きっと今度はパパが一人ぼっちになっちゃう」
 「僕はパパを一人ぼっちにしたくない」

逆視点の発想。
自分が一人だと感じるということは、他の人も一人だと感じている。
自分の人生に絶望する人は多いですが、それで終わりにしてしまっては他の人も絶望させてしまう。
一人ぼっちが嫌ならば、自分から拒否して相手を一人にしてどうする。
いつかは関係が終わると嘆くのなら、自分が意地でも相手を裏切らなければいい。実際、ハミィはそれを実行した。

そこに今日もおいでになるマイナーさん。さあ迎撃しよう。メイジャーランドの防衛兵器で。



目をつぶったまま、ずずいと前に。
怖い。もはや部外者と化しつつあるふたりだけに、怖い。
そしてどうにも蚊帳の外臭がするふたり、今日も地味にピンチに。



エレンさんは悩む。果たして自分にはプリキュアの資格があるのか。
が、現実に今、自分は皆を守りたいと感じている。
だったら守ろう。自分のビートが刻むままに。

エレンさん:
 「私は、プリキュアになりたい!」



くどまゆ:
 「その言葉、待ってたララ」
 「ようやく素直になったソソ」

やばい。くどまゆさんが格好良すぎて惚れる。
そしてエレンさんが、ようやく自発変身。
もうマイナーとかメイジャーとか難しいことは知らん。



ビートさん:
 「心のビートはもう、止められないわ」

この爽快感は凄いな。
「スイート」さんを見て最初に感じた猛烈な不安が、ようやく掻き消されたかのよう。
何せ仲間のはずのメイジャーさんすら、信頼できないのが「スイート」さん。
マイナーだからって悪とは限らない。
幸せのメロディで強制的に幸せにするのも、不幸のメロディで強制的に不幸にするのも、構造としては変わらない。

幸せなものだって、見方次第で不幸になる。
今回もネガトーンになったのは幸せアイテムのはずのマスコット。
毎回毎回、執拗なまでに幸せの象徴が襲ってくる。しかも今回は同じ「猫」。

何が味方で、何が敵か。見方次第で姿が変わるのなら、本質は何なのか。大好きなものだって嫌いになってしまうこの世の中。
足場が定まらない不安まみれの中、ビートさんが叫ぶ。私は私のビートを刻む。
確かに自分の鼓動はここにある。見方も何もない。我思う、故に我あり。

音楽にはさっぱり詳しくないですが、ロックはそういうものなんじゃないでしょうか。
難しいことは知らん。ただ、叫びたいことがある。
クラシカルな雰囲気が強かっただけに、両者への反発であるかのようなロックが格好いい。

自分の髪の毛を鳴らす描写も、視覚的・聴覚的な面白さ以外にも、「自分のビート」のテーマに沿ってる。
色々と小難しいこともあるけれど、とにかく自分がここにいて、自分の音楽が鳴っていることは事実だ。
テーマをこういう愉快な演出に落とし込んでくるなんて…。髪の毛を掻き鳴らせ!びぃぃん!



そんなわけで大暴れ。
玩具の取り扱い説明書によれば「小攻撃」と称されるビートソニックも炸裂。
これのどこが「小」だ…。

今まで物理攻撃主体だったプリキュア兵器としても異質です。
追加兵装?ああ、ガントレットね、結局、殴るだけ。
いやいやロッドでしょ。殴打武器。
先輩方のそんな言い合いとも無縁です。殴るとか殴るとか、難しいことは知らん。
ばりんとビートを鳴らして、銃撃ですよ。プリキュア世界に革命が起きた。乱舞して換装しまくるラリーとソリーも格好いい。

こうして魂のビートを鳴らし散らしたエレンさん、ようやく正式加入してくれました。
ただ「仲間になった」というのとはまた微妙に違うような。
良い意味で、北条さん達と距離があるような気がする。


(左画像)
スイートプリキュア♪ メロディコレクション (初回封入特典「DSオリジナル超レアデータカードダス」同梱)

(右画像)
スイートプリキュア♪ キュアドール! キュアビート

スイートプリキュア(音符記号)ボーカルアルバム(1)


…で、北条さん達は今後の身のふるまいをどのようにお考えなのでしょうか。
ビートさんと比べ、戦う動機もスタンスも弱いような。
そろそろ脊髄反射で「許さない!」と叫んでる場合じゃないのですよ。

【今週の3人目】

何でここにきてロックなんだろうと思ってたけど、今回の話で爽快に納得。
今までのプリキュア像とも違う戦闘スタイルもロックです。
玩具を通常戦闘にも駆使し、必殺技以外でも技も繰り出す。打撃と同時に、射撃タイプなのも珍しい。

…今一瞬、風キュアさんの顔が浮かんだけどすぐに忘れた。ロック精神の欠片もない。。

【今週の3人目2】

前回の変身にいたるまでの流れで使われた曲が「決意のテーマ」だったのは、ちょっと勿体ないと思ってた。
良い曲だけど、あれは桃園さんの曲だ。
だから今回の「本当の変身」で、「スイート」ライクな曲が流れたのはテンション上がりました。「スイート」さんには、「スイート」さんにしかできない回答がある。

【今週の3人目3】



ビートさんの新CM。
この方はCMに恵まれまくってると思います。
ラブギターロッドの娘さんなんて、もはや本編と入れ替えてくれてもいいレベル。

【今年のプリキュアさん】

ビートさんの加入に、アフロディテ様が一切関与していない。
もはや味方とは認識できないメイジャーランド本国、エレンさんの結論も「一緒に歌姫やる」とかじゃない。
もうじき「スイート」さんも折り返しですが、これからどう転ぶんだろう。

前にも書いた気がするけど、ギリシア神話のアフロディテは、愛と美の女神であると同時に、呪いと裏切りの女神です。
愛と裏切りはセットだし、惚れた腫れたは呪いの一種。神話のストーリー的にも、仲間を裏切り続けてるのがアフロディテ。
キリスト教ではアシュタロスの名で悪魔扱いされてます。メフィストとは同僚。

プリキュアさんでそのまんまな神話名が使われるのは珍しい。
「見方次第で変わる」というテーマと絡んで選んだのなら、まず間違いなく何らかの形で裏切るはず。

蛇足ですが、キリスト教で「他の宗教の神を悪魔扱いする」のは有名ですが、同じことは他の宗教もやってます。
ギリシア神話でも極端に弱い神様がいたりするのはそのせい。アレスとかアレスとかアレスとか。
ゼウスが女好き設定なのも、そんな色々な事情が絡んでる。

【今週の北】



南野さん:
 「私のカップケーキを食べちゃったら、もう友達だもん」

そうですか…。そんなのものを毎日貪ってる北条さんのステータスが心配だ。

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