Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

銀の夜

2014-12-07 22:43:19 | 日々の雑感・近況
話は前後しますが、前述の「大いなる沈黙へ~グランド・シャルトルーズ修道院」を観る前夜、マリオ・ジャコメッリの写真集を眺めました。
特に見たかったのは
”Io non ho mani che mi accarezzino il volto(1961-63)/私には自分の顔を愛撫する手がない(1961-63)”
と題するセニガリアのヴェスコヴィレ神学校の若い神学生を撮った一連の写真でした。
不思議なリズムがあり、どこかユーモアを感じさせるこのシリーズの中の一枚が須賀敦子さんの『コルシア書店の仲間たち』の「銀の夜」に登場します。

本の中では「わたしには手がない やさしく顔を愛撫してくれるような・・・」と訳されて紹介されている”Io non ho mani che mi accarezzino il volto”というジャコメッリがその作品の題として使っているこの一節は、彼女の作品にしばしば登場する神父ダヴィデ・マリア・トゥロルドの処女詩集の冒頭であり、彼女が見たというモノクロの写真の絵葉書について「笑ってはいるけれど、ちょっとこわそうに足もとを見ているこちら向きの人物は、まぎれもなくわかいころのダヴィデで横を向いた眼鏡の男は彼の親友のカミッロ・デ・ピアツにちがいない」と続いて述べられています。

雪の舞うその向うにスケートをする若い神学生たち・・・
この夜見た写真が脳裏に残っていたところに「大いなる沈黙へ~グランド・シャルトルーズ修道院」の冒頭が雪がざんざん舞う情景だったのでその偶然に驚かされました。
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大いなる沈黙へ~グランド・シャルトルーズ修道院

2014-12-05 22:26:06 | 映画 あ行
                 
2005年/フランス・スイス・ドイツ合作/169分
原題:Die grosse Stille
監督・脚本・撮影・編集:フィリップ・グレーニング
解説:カトリック教会の中でも特に戒律が厳しいカルトジオ会に属するフランスの男子修道院、グランド・シャルトルーズの内部を、初めて詳細にとらえたドキュメンタリー。ドイツ人監督フィリップ・グレーニングが1984年に撮影を申請、それから16年の歳月を経て許可がおり、音楽・ナレーション・照明なしという条件のもと、監督ひとりだけが中に入ることを許された。監督はカメラを手に6カ月間を修道院で過ごし、俗世間から隔絶された孤独な世界で決められた生活を送りつづける修道士たちの姿を、四季の移ろいとともに映しだしていく。~映画.comより

そこにあるのは中世から連綿と続く修道院での生活。沈黙が支配するその世界を、音楽もナレーションも照明も一切なく写し取って見せてくれるのがこの作品だ。ある意味、究極のドキュメンタリなのではなかろうか。
沈黙の中に聞こえるのは自然の音、それは風の音であり葉擦れの音であり雪の舞う音であり、小さな足音、またものを造り出す音といった生活の中で聞こえる音を聞くことができる。が、それらは沈黙をより深めるために存在する音のようにも感ぜられる。
その中で祈りは修道院のそこかしこあらゆるところに立ち込められ、それは呼吸をするのと同じくらい自然に存在しているように思われる。そして流れる聖歌もその祈りの一つの発露としてあるのだと、つくづく感じていた。
こうした生活がこの現代に存在しているということが一つの奇跡のように思われる。そこで行われていることすべてが中世からずっと続けられている営みなのだ、という事実に打たれる。あ、これ絵画でみたことのある気がする、とハッとさせられる場面に次々出くわす驚き!そして、修道士たちの雪遊びをする姿に、彼らもまた朗らかな人間であるということを感じて感動を覚える。


川越スカラ座にて鑑賞。
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忙中有閑、いや忙中有缶・・・。

2014-12-01 22:02:25 | 食・その周辺
今日から12月。
気忙しさを語感からも感じてしまう師走。

それでなくても、ここのところばたばたしている私のもとに、妹から可愛いクリスマスツリー缶が届けられました!!
これこそまさに、忙中有缶(ぼうちゅうかんあり)

これは『スコットランド随一のショートブレッドメーカー『ウォーカー(Walkers)』のクリスマス限定缶!』で、缶の中にはツリー型の小さなショートブレッドが入っているのです。
私はウォーカー(Walkers)のショートブレッド、大好き!!なのですが、これは可愛過ぎてちょっと未だ食べられない。
でも缶の中がどうなっているかどうしても知りたくて、そおっとテープをはがして中を覗いてみました。

ある!ある!!小っちゃなツリーが~
 
コメント (2)
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