Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

大いなる沈黙へ~グランド・シャルトルーズ修道院

2014-12-05 22:26:06 | 映画 あ行
                 
2005年/フランス・スイス・ドイツ合作/169分
原題:Die grosse Stille
監督・脚本・撮影・編集:フィリップ・グレーニング
解説:カトリック教会の中でも特に戒律が厳しいカルトジオ会に属するフランスの男子修道院、グランド・シャルトルーズの内部を、初めて詳細にとらえたドキュメンタリー。ドイツ人監督フィリップ・グレーニングが1984年に撮影を申請、それから16年の歳月を経て許可がおり、音楽・ナレーション・照明なしという条件のもと、監督ひとりだけが中に入ることを許された。監督はカメラを手に6カ月間を修道院で過ごし、俗世間から隔絶された孤独な世界で決められた生活を送りつづける修道士たちの姿を、四季の移ろいとともに映しだしていく。~映画.comより

そこにあるのは中世から連綿と続く修道院での生活。沈黙が支配するその世界を、音楽もナレーションも照明も一切なく写し取って見せてくれるのがこの作品だ。ある意味、究極のドキュメンタリなのではなかろうか。
沈黙の中に聞こえるのは自然の音、それは風の音であり葉擦れの音であり雪の舞う音であり、小さな足音、またものを造り出す音といった生活の中で聞こえる音を聞くことができる。が、それらは沈黙をより深めるために存在する音のようにも感ぜられる。
その中で祈りは修道院のそこかしこあらゆるところに立ち込められ、それは呼吸をするのと同じくらい自然に存在しているように思われる。そして流れる聖歌もその祈りの一つの発露としてあるのだと、つくづく感じていた。
こうした生活がこの現代に存在しているということが一つの奇跡のように思われる。そこで行われていることすべてが中世からずっと続けられている営みなのだ、という事実に打たれる。あ、これ絵画でみたことのある気がする、とハッとさせられる場面に次々出くわす驚き!そして、修道士たちの雪遊びをする姿に、彼らもまた朗らかな人間であるということを感じて感動を覚える。


川越スカラ座にて鑑賞。
コメント
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