<灯光舎 本のともしび> 第1弾 「どんぐり」
:寺田寅彦/中谷宇吉郎 著 古書善行堂店主・山本善行 撰
目次:どんぐり、コーヒー哲学序説、『団栗』のことなど、撰者あとがき
:科学者として活躍しながら、随筆家としても数々の名筆を残した寺田寅彦と中谷宇吉郎。
今回は寺田寅彦の「どんぐり」「コーヒー哲学序説」と中谷宇吉郎「『団栗』のことなど」の三編を一冊の書籍にしてお届けします。~灯光舎HPより
京都の古書善行堂さんに注文していた『<灯光舎 本のともしび> 第1弾 「どんぐり」』と大阿久佳乃さんの『パンの耳』が先週届いた。
古書善行堂とはいえどちらも新刊本である。
この「どんぐり」は「本のともしび」として灯光舎からこれから刊行されるシリーズの第一巻ということで届くのを心待ちにしていた。
先ず、本を手にとってその佇まいの美しさに打たれる。
大事に読もう、大事に読みたい、そう読み手に思わせる佇まいである。
寺田寅彦という名は知っていても、しっかり読んだ記憶はなく、彼を師と仰いだ中谷宇吉郎を読むのはこれが初めてだ。
古書善行堂店主・山本善行 撰による「どんぐり、コーヒー哲学序説、『団栗』のことなど」の三作が収められているのだが、「どんぐり」と「『団栗』のことなど」が見事に響きあい、哀しさが深められ、本を閉じたときに心がしんとする。
そして最後の「撰者あとがき」を読むと、この本で選んだ作家に対する思い入れの深さ、膨大な作品の中でこれらを選んだ経緯などが語られ撰者の「本」に対する思いが伝わりあたたかな気持ちになる。
何度も手に取り読み返したい、そういう本がまた一冊ふえたことが嬉しい。
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