Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

クロワッサンで朝食を

2013-07-30 23:26:44 | 映画 か行
             
2012年/フランス・エストニア・ベルギー/95分
原題:Une Estonienne a Paris
監督:イルマル・ラーグ
出演:ジャンヌ・モロー、ライネ・マギ、パトリック・ピノー、フランソワ・ブークラー、フレデリック・エポー
ストーリー:憧れのパリで家政婦の仕事をすることになったアンヌ。母を看取ったばかりのアンヌはエストニアを発つが、彼女を待ち受けていたのは毒舌で気むずかしい老婦人フリーダだった。高級アパルトマンに一人で暮らすフリーダは、おいしいクロワッサンの買い方すら知らないアンヌを追い返そうとするが、アンヌの中にかつての自分を重ねるようになり…。~allcinemaより

ジャンヌ・モローに惹かれてこれは観たいね!!と友人とかなり前から観るのを楽しみにしていた作品、そして期待は裏切られることなく
エストニアのいかにも厳しく寂しそうな雪景色から一転、働きに出たパリが対照的に華やいで描かれる。主人公のアンヌは中年の女性なのだが、その彼女がこの作品の中でどんどん変化し磨かれていくのを見ているのは楽しい。初めはなんだかちょっと変なフランス語が流暢になっていくように、彼女の立ち居振る舞いが洗練されていくのだ。仕事を終えて夜中に街を散歩するアンヌ、初めての散歩で彼女がふっと足を止めて眺めるショーウインドウ、そこに飾られていた美しい服をまとったマネキン・・・彼女と一緒に夜の静かな街を歩いているような気分になる。
そして、その彼女が家政婦として働くことになるのが、裕福でしかし孤独なフリーダなのだが、これを演じているのがジャンヌ・モロー。彼女の存在感にはもうもう、ただただ圧倒される。凄まじいまでのその迫力!!そして同時に華やかさと可愛らしさ。あのアンヌと二人でステファンのカフェに向かう時の彼女の足取りの軽やかさ!!とても85歳とは思えないそしてシャネルを完璧に着こなしているそのあでやかさ~
最近、高齢の女優が活躍する作品に遭遇する機会が増えているのだけれど、つくづく彼女たちの歳の取り方の見事さに感じ入っている。この作品を観ていても、刻まれたしわまで美しいなと感動していた。

ところで劇場には観客が押し寄せていて、その、なんというのか「マダムたち」の醸し出す熱気に場内包まれていたようでした。しかもその「マダムたち」が纏っている雰囲気が非常に似ているのは何故?と思ったりもしましたが。場内、満席で立ち見も出てました。
コメント
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