Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

鬼に訊け 宮大工 西岡常一の遺言

2012-03-03 23:12:14 | 映画 あ行
            
2011年/日本/88分
監督:山崎佑次
出演:西岡常一、西岡太郎、石井浩司、速水浩、安田暎胤、他

物語:千年先に、いのちを繋ぐ
~「鬼」と称せられ法隆寺の昭和大修理、薬師寺の伽藍復興に一生をささげた匠の生涯~
木は鉄を凌駕する、現代文化に対する西岡棟梁の静かなる反論。
1990年5月、薬師寺回廊第一期工事。西岡は最晩年にあたるこの時期、癌に冒されながら最後の教えを若者達へ授けていた。「千年の檜には千年のいのちがある」「木は鉄より強し」。速さと量だけを競う、模倣だけの技術とは根本的に異なる日本人のいにしえの叡智、そして明快な指針。千年先へいのちを繋いでゆくという途方もない時間の流れが、所縁ある人々へのインタビューから浮かびあがってゆく。~チラシより

飛鳥時代から受け継がれてきた寺院建築の技術を後世に伝えた『最後の宮大工』西岡常一姿を追ったこのドキュメンタリ映画をどうしても観たいと思っていたところ、渋谷まで行かなくても(しかも連日満員だという)川越スカラ座で上映されることを知り週末出掛けた。
かなり以前に西岡棟梁の仕事についてTVで見た気がしたのだが、いや本だったかも・・・と思いつつ上映を待った。
あの「鬼」と言われた西岡棟梁がそこで語っている姿に思わずのめり込んで目を開き、耳傾けていた。薬師寺の現場で若者達に仕事を教え、インタビュアーに答えて木のこと、宮大工について、学者と論争になった話、木と土の話とともに、彼の育った環境、歩んできた歴史、そして昭和の大修理を終えた法隆寺、薬師寺の復興された伽藍にその仕事の凄さを感じていた。また道具の色々、そしてどう組み上げて一つの建物にしていくのかといった、なかなか見られない貴重な作業も垣間見ることができ、建っている姿しか見られない寺院が実はこんな風に細かな部分部分を組み合わせ、組み上げ、木と人々とが技術と心を合わせて作られているのだということを初めて知り深く感動を覚えた。

ところで、上映館の「川越スカラ座」。初めて訪れたのだが、昔からの映画館というレトロな雰囲気いっぱいの所だった。歴史を見ると明治38年「一力亭」(寄席)としてスタートとあり、昭和15年から映画館となりしかも平成19年5月に閉館し、8月に地元の有志の方々の呼び掛けによって(これは他の方に聞いた)再び開館して現在に至るという。
入り口の感じ↓
          
中はこんな感じ。(館の方に許可を頂いて撮影しています)そして、最前列と2列目の間には何故か不思議な机がある。机の下に見える椅子が出せるかというと、どうも出せないようで・・・。手荷物置き場に最適!
 

川越スカラ座は西武新宿線「本川越」駅から蔵の並ぶ通りを歩き、「時の鐘」の前を通り過ぎて住宅街の中に少し入ったところにあるのだが、川越は何年ぶりだろう~、な私は映画館に着くまですっかり観光客気分を満喫。
<クリックで拡大します↓>
  
コメント
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