Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

グラン・トリノ

2009-05-06 23:24:03 | 映画 か行
              
2008年/アメリカ/117分
原題:GRAN TORINO
監督・製作:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ビー・バン、アーニー・ハー、クリストファー・カーリー、コリー・ハードリクト、ブライアン・ヘーリー

あらすじ:妻に先立たれ、息子たちとも疎遠な元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、自動車工の仕事を引退して以来単調な生活を送っていた。そんなある日、愛車グラン・トリノが盗まれそうになったことをきっかけに、アジア系移民の少年タオ(ビー・ヴァン)と知り合う。やがて二人の間に芽生えた友情は、それぞれの人生を大きく変えていく。(シネマトゥデイ)

ミスティック・リバー以来、久々に観たクリント・イーストウッド監督の作品。ミスティック・リバーが作品の良し悪しではなく、内容が重過ぎてそれ以降の彼の監督作品は全然観てこなかった。しかし、グラン・トリノ直前のチェンジリングは見逃しても、これは是非とも観ておこうと予告編を観た時から決めていた。何てったって、クリント・イーストウッド主演作だ!!
その期待は裏切られることなく、しかもその先に待っていたラストは衝撃だった。頑固で人の言うことには耳を貸さず心を許さず、口を開けば差別的な言葉の洪水状態の老人コワルスキー。その言動に最初は戸惑うのだが、その言動の裏にある彼の心に抱える傷を知ることで、呆気にとられるほどの差別的言葉に滲む思いを知ることになる。
作品全体に流れる温かで大らかな愛とユーモアに笑いと涙を禁じ得ず、そしてともすれば悲観的、絶望の淵に沈みそうになる未来に対して希望の光を感じて胸がぎゅっとなるのだ。
どの登場人物も忘れがたい印象を残すのだが、やはり特にコワルスキー、隣家のモン族の少年タオとその姉のスーとのやり取り、そして犬のデイジーの忠実さが強く心に残る。

モン族については少数山岳民族で独特の刺繍シャンティ国際ボランティア会)を思い出すだけだったのだが、ベトナム戦争との関わりのことなどこの作品の中で初めて知ることができた。     
コメント
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