Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

宮廷画家ゴヤは見た

2008-11-14 23:27:54 | 映画 か行
             
2006年/アメリカ/114分
原題:GOYA'S GHOSTS
監督:ミロス・フォアマン
出演:ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルド、ランディ・クエイド、ホセ・ルイス・ゴメス、ミシェル・ロンズデール 、マベル・リベラ

観終わってからかなりの時間が経って、主人公のイネスと神父ロレンソを見ていたゴヤと彼の絵が一番印象に残っていることに気付いた。
とにかくゴヤの絵が画面一杯に何枚も映し出されることに感激~特にエンド・クレジットはまるで美術館にいるような気分。またまるで工場のような銅版画を作る過程も興味深かった。もう、それが見られただけで満足だった。日本で見る「プラド美術館展」じゃなくてマドリッドで彼の絵を見たいもんだなぁ~!
ゴヤは作品の中で激動の時代を上手く立ち回って生き抜いた人物として描かれている。でも上手く立ち回ることによってしか描きたいものを描き続けることは出来なかったのだろうとその時代背景がしっかり伝わることで納得できる。そしてそうすることで画家としての生涯をまっとうさせたんだということがひしひしと伝わってきた。聴力を失い、眼鏡をかけながら刑場の様子を一心不乱に描く姿に彼の絵に賭ける凄まじい気迫を感じる。

18世紀末から19世紀初頭の動乱のスペインの歴史がわかりやすく描かれ、重厚なエピソードが俳優の熱演に彩られて絢爛と展開する。しかし、作品全体の印象が淡々としたものに感じらてしまったのは何故だろう。
コメント (6)
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