豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

洋上結婚式

2001-12-01 21:55:44 | Weblog
12月1日(土)晴


 洋上結婚式

航海中に結婚式を挙げると、乗客、乗員全員から祝福されます。船長が証人になります。企画から準備、実行まで皆が参加してくれます。コーラスやアトラクションもバラエティーに富んでいます。3日間スイートルームが無料で使用できるという特典もあります。手作り結婚式の極致です。

..................................................................................................

   洋上結婚式

14:00より甲板で洋上結婚式が挙行された。新郎新婦の親戚は乗船していないが、200人以上の乗員が参列し、にぎやかな披露宴が行われた。神父役はJGツアーコーディネーターの徳本。ウクライナの女性クルー2人が民族衣装で介添え役、船長が祝福の挨拶をした。PBから2人に今日から3日間スイートルーム無料使用のプレゼントがあり、4日目に2人はパペーテで下船してタヒチでの新婚旅行を楽しむらしい。

今日の結婚式は「人前結婚」なのだろう。「神前結婚」とか「仏前結婚」とか「教会婚」など儀式は何でもいいが、婚姻制度と離婚制度は役所への届出でが基本となっている。これを廃止するとどうなるのか。婚姻制度がなくなると自動的に離婚制度も消滅する。戸籍制度も危うくなる。離婚や肉親の死亡時に財産分与の根拠がなくなるのか?それはあまり心配ない。結婚という概念がなければ離婚時の財産分与なんてありえない。私生児がかわいそうだということもない。肉親の死亡時には戸籍以前に生物学的な親子の関係が存在するからだ。

結婚制度は国家が支配形態としての最小単位である家族を明確に築くために必要なことであり、愛とか共同生活とは全く無縁の制度だ。逆に結婚により愛も共同生活も歪められる。愛という実質は結婚や家庭という形式で完結する、というのは嘘だ。家庭をミニ国家だと勘違いして、夫婦や親子間にストレスを作り出しているだけだ。

話が横道にそれるが、船内1の変人奇人の誉れ高い徳本は船で生まれ、船で育った生粋の船乗りだ。船上のピアニストのような伝説に彩られた人生を歩んできたらしい。38歳というがとてもそんなに軽くは見えない。船内の安全と秩序、スタッフの綱紀取締のためにあらゆる場所に神出鬼没、縁の下の力持ちと花舞台の千両役者をかねたような八面六臂の活躍ぶりだ。それもTPOをわきまえて、1日何度も衣装を変えて登場する。時にははずす。今回のクルーズの責任者はJGが平沢、PBが石丸だが、こちらはたいして才能を要求はされないし、ピンチヒッターはいくらでもいる。実はクルーズを仕切っているのは徳本なのだ。

世界1周航海も残すは3週間だ。40年前の無政府主義集団「しらかば」に僕が提起した16項目の方針が今尚耐えられるものであるか否かの検討を開始する。これは僕に先見の明があったか否かを問うのではなく、共産主義が敗退した現在無政府主義が世界を救い得るかを問う作業である。僕の方針は無政府主義にいたる筋道を示したものであり、人種、宗教、言語、文化、経済格差などを考慮した過渡的措置であるという制約を有する。現時点ではモスリム諸国やアフリカの軍事国家、人口が沸騰する中国やインドなどに特に視点を置いて検討する必要がある。結果は別論文にしたためる。



読書:「オペラをつくる」 武満徹、大江健三郎

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする