熱帯雨林のロリキート

11月30日（火）快晴

　　　

豪州の動物はあまり人間を恐れません。カモメ、トキ、ハト、マグパイ、ミツスイも馴れ馴れしいのですが、オウムとインコは遠慮を知らないのでレストランでは目の敵にされています。ロリキートはシドニーでも珍しくはない原色のインコ。食事を始めると客の頭や肩に乗って餌をねだります。姿・形が美しい相手から甘えられると結構うれしいのですが、いつでも誰にもそんな態度なのが少し憎たらしい気もします。

本日は記録意的な熱波のため日中は無用の外出は控え、屋外での運動は禁止、飲料水の携帯が呼びかけられていました。天気予報通り気温が42度に達すると、100人以上の死者が出て、ブッシュファイアーが拡大し、電車の架線は垂れ下がり、線路は曲がり、コンピューターも変調をきたし、かなりの混乱が予測されていたのです。しかし最高気温は38度。湿度の低いシドニーでは冷房が必要なほどの暑さでもありません。怖いもの見たさに何か拍子抜けした気分です。今日は仕事をサボってビーチに出かけた人が大勢いるとのニュースが流れています。　　

ワイルド・ターキー

11月29日（月）快晴

　　　ワイルド・ターキー

バーリントン・トップスでは熱帯雨林の中に小規模な宿泊施設があり、カンガルー、ウオンバット、ポッサムなど沢山の野生動物が人間ウオッチングにやって来ます。アフリカや北米の国立公園には獰猛な動物も多いので子供には危険ですが、豪州は大丈夫。レストラン周辺はカラフルな野鳥がたむろしていて、ほとんどが美声の持ち主です。ワイルドターキーは豪州固有種ではなく飼い鳥が逃げて野生化したものですが、土地に順応して容姿端麗、性格温厚、明朗活発、泰然自若としています。

クリスマスが近いと言ってもまだ春です。天気予報によると明日のシドニーの気温は42度だそうです。インド、ケニア、キューバ、ブラジルで43度以上を体験していますが、豪州で40度以上は初体験。日本では1964年阿波踊りに参加した時に四国で41.3度が最高でした。

コールドターキー

バーリントン・トップス

１１月28日（日）快晴

　　　　　バーリントン・トップス

家から北へ車で3時間、ハンターバレーの少し先にバーリントン・トップスはあります。ここは世界遺産に登録されている亜熱帯雨林。南緯33度ですから、日本で言うと熊本あたり。亜熱帯雨林と言ってもユーカリの仲間のブルーガムツリーが目立ちます。この木は天に向かってまっすぐに伸びて巨木になるOZ好みの木です。道路にも案内標識がなく、観光客の姿はありません。僕の田舎の青森にも白神山地という世界遺産がありますが、地元民もあまり行かないようです。百名山とか自然遺産とか天然記念物などをありがたがるのは都会の人間だけじゃないでしょうか。


質実剛健なOZは曲がったことが大嫌い。豪州の紋章にはカンガルーとエミューが描かれています。ともに前進はできても、後退はできない動物です。国旗は南十字星、国歌では「♪光り輝く南十字星の下♪私達の故国は海に囲まれ自然の恵に富んでいる♪進め美しきオーストラリア」と歌っています。単純、田舎者と言われても平気です。

豪州の紋章

還暦・フルムーン

11月27日（土）快晴

　　　還暦・フルムーン

♪この世をば、わが世たれそ常ならむ、それにつけても金の欲しさよ。藤原道長が光源氏のモデルかどうかはともかく、僕は世界は自分を中心に回っていると信じています。行きたい所にはどこにでも行き、やりたいことは何でもやり、来年3月には60歳。日本ではJRのフルムーン割引があるようですが、豪州でも60歳になると乗り物や入場料や各種学校などの割引が適用されます。バンジージャンプやスカイダイビングも割引になるそうです。豪州は年金制度が充実していて、年寄りは結構お金持ち。引退した老夫婦は平均1億円の資産を所有しているとか。長寿国なので近い将来日本と同じ道をたどりそう。だから老人優遇策が必要なのかどうか少し疑問です。豪州は所得水準が高く、生活の質も高いので、日本の老人よりかなり幸せそうです。今夜は満月、居間から月見です。

芋名月

お菓子な日本語

11月26日（金）快晴

　　　お菓子な日本語

週5日、9：00am－3：00pmは英語学校。日本人は少なく、級友のほとんどが韓国、台湾、タイ、インドネシアの20代。朝サンドイッチを作り、100円前後のお菓子も持参。だから僕はダイエット中の女性の人気者です。彼女たちは高校で日本語を学んでいてカタカナを読めるので、「オレーンヅ味」や「ミルワ味」に複雑な表情です。だってこの手のお菓子は彼女たちの母国で作られているのです。韓国や台湾の企業がカタカナを間違えて、いつまでもそれに気付かないのでしょうか？中華街ではまともな日本語のお菓子を見つけるのが難しいくらいなのです。日本人旅行者はこんな変な日本語を見つけて笑うかもしれません。だけど現地人がそんな日本人を陰で笑っているような気がするのです。白人コンプレックスでアジアに目を向けない日本への反感はかなり根強いのではないのでしょうか。

醜い日本人

水際作戦

１１月２５日（木）快晴

　　　水際作戦

来年１月に義父が豪州にゴルフにやって来るということで僕に案内を依頼した友人は、現在甲状腺を腫らして韓国に帰国中。日韓ゴルフ対決が実現するかどうかは不明ですが、10年振りのゴルフ再開に向けて朝夕72回の素振りを続けています。日本と違ってこちらのコースは林がほとんどないので、距離を出さないと勝てないと教えられフォームを改造中。たまには練習場にも行かないとねえ、なんて言ってもまだ3回目。練習場もコースも料金があまり変わらないし、1人でラウンドしてもいいのですけど億劫です。要するにゴルフのような、時間の割りに運動量が少ない、社交的なスポーツは好きじゃないってことです。

ハウスボート

11月24日（水）晴

　　　ハウスボート　

ヨットやボートを所有していなくてもどこの桟橋でも賃貸用の船舶が多数用意されています。立派な船室のついたモーターボートやヨットから、ジェットスクーターやカヤックまで予算に応じて借り上げが可能。家族や友達との水上パーティーにはお手頃価格のハウスボートがお勧め。いかだに２LDKの家が載ったようなボートで、スピードは出ませんが、10人くらいは1泊2日を快適に過ごすことができます。数箇所のビーチを巡りながら、BBQ、水泳、魚釣りなどが楽しめます。

豪州TV事情

１１月２３日（火）晴

　　　　豪州TV事情

シドニーで見られるTVは５局。在豪日本人はこちらのTVはつまらないと言います。確かに、お笑い、トークショウ、グルメ番組はありません。夕方８時までは子供に無害な番組ばかり。スポーツはラグビーとクリケット。家の改築、庭造りなどのハウツー物が手堅く視聴率を上げています。こちらの人気番組と言えば、新人歌手コンテスト番組の「オーストラリアン・アイドル」。一昨日オペラハウスで決勝が行われ、今年のチャンピオンが誕生。キャッシーは巨漢のティーンエイジャー。歌は確かにうまいけど、OZアイドルは容姿容貌はあまり関係ないみたいです。こちらにもカラオケはありますが、極東人しか行きません。だからかどうかOZには音痴が多いようです。


アイドルの歌

プライベート・ビーチ

11月22日（月）曇

　　　　　　プライベート・ビーチ

キャプテン・クックは1770年シドニーに上陸し、豪州の英領を宣言しました。こんな勝手なことが今でも豪州では認められるみたいです。シドニーは海岸線が複雑に入り組み主なビーチだけで50、小さなビーチや入り江は無数にあります。ヨットやモーターボートを所有する人たちは船でしか行けない入り江を勝手にプライベート・ビーチ宣言をして一夏占有しています。勿論建物を無許可で建てたりはできませんが、常設のテント村に大型のBBQコンロや発電機を持ち込んでいます。少し後ろめたい気持ちがあるのか、他の人が上陸すると歓待して、ご馳走してくれるみたいです。

ブロークンベイ

11月21日（日）曇

　　　　　ブロークンベイ

シドニーには3本の川があります。北にホークスバリー川、市中央にパラマッタ川、南にジョージス川。シドニーの北はずれはパームビーチ。そこからホークスバリー川クルーズの船が1日2便出ています。片道1時間半でクーリンガイ・チェイス国立公園の景色を眺めながら上流のボビンヘッドへ。ここで1時間の自由時間の後パームビーチに戻ります。この水路は植民地時代の重要な交通路。川口付近は岩が裂けたような荒々しい景色なので、キャプテン・クックがブロークンベイと命名。風が強く、波が荒い所です。折りしもアメリカンズ・カップの国内予選が行われていました。

ジャカランダ満開

11月20日（土）曇　

　　ジャカランダ満開
　
アメリカひじきとか豪州桜と言われてもローカルの人々にはピンと来ません。確かに南半球は田舎ですけど、「NZ富士」とか「豪州銀座」とか「リトル・トウキョウ」みたいな日本人の勝手な思い込みは通用しません。逆にOZの半数は日本がどこにあるか理解していないようです。家のすぐ隣のタウンホールで豪州桜ジャカランダが満開。冬が厳しい東北では春になると世の中が一変、花見が春の大イベント。だけど豪州では桜は地味で花期が短いので評価の対象外。一方ジャカランダの花期は2－3ヶ月間もありますが、木の下で宴会が繰り広げられることもありません。OZのほとんどはジャカランダの名前さえ知りません。

東北の春

ハンターバレー・ガーデン

11月19日（金）快晴

　　　　ハンターバレー・ガーデン

ラスベガスでギャンブルをせず、TDLでアトラクションの列に加わらず、四国でざるそばを注文し、携帯買っても持ち歩かない僕ですから、ワインも飲まないのに狩人谷まで行くのは何の不思議もありません。だけど実は最近出来た観光庭園を見物に行ったのです。庭造りはOZに絶大な人気のある余暇活用法。どこの街でも花壇コンクールが行われます。しかし3年連続の旱魃の影響でシドニー周辺では豪華な庭を見かけなくなりました。かつて住んだ下北でも十和田でも僕の家には広い庭があったので百姓仕事は日課になっていました。酪農経営の実績もあります。ユミは牧場の丘の上の大きな家に住むのが夢。豪州ではそんな物件は安く手に入りますけど、家畜や植物の世話って結構大変なんですよね。

讃岐うどんが豪州産小麦を混ぜていたと警察の捜索。粗悪な国産小麦の代わりに良質の豪州小麦を使用して罪になるとはね。と言うことは、並み寿司にウニやアワビを使っても有罪なのかな？


豪州麺

狩人谷のワイナリー

11月18日（木）快晴

　　　狩人谷のワイナリー　　　

豪州は自然保護と食品の品質基準がとても厳しい国です。ブドウ畑は美しく整備され、ワイナリーは田園風景によくマッチして、豪華でシックで清潔です。ハンターバレーのワイナリーはどこも規模が大きく、遊園地、ゴルフ場、テニスコート、乗馬クラブ、観光牧場、観光果樹園、博物館、美術館、キャンプ場、ホテル、ギフトショップ、ワークショップ、レストラン、カフェなどを併設しています。各レストランでは自社製ワインに合った料理を提供します。雰囲気は抜群で、値段も手頃で、味のほうも最高だとの専らの評判。だけど僕はワインもフランス料理も苦手だから関係ありませんけどね。

ハンターバレーでは日本人も時々見かけます。「日本人でしょう？絶対そうですよね！」と言われたので、「僕が日本人に見えますか？僕は暇人です」と日本語で答えたら「どうもすいません」と首を傾げていました。日本人はどうもユーモアのセンスに欠けますよね。

テースティング

11月17日（水）快晴

　　　テースティング

豪州のワイン産地は国内各地に44個所、ワイナリーは1000軒と言われています。ワインは庶民の飲み物で、高品質のワインが安く購入できます。「8000円の仏ワインを飲むくらいなら、1000円の豪州ワインのほうがいい」とワイン通は言います。たいていのワイナリーはテースティングができます。勿論無料だし、チーズやクラッカーなども用意されています。半日かけて数軒のワイナリーを巡るのはOZのお気に入りの行楽。豪州ではグラス1杯のワインでの運転は合法ですが、それ以上飲むと重罪です。豪州随一のワイン産地のハンターバレーでは飲酒運転の防止のためにワイナリー巡りの馬車が走っています。

狩人谷の結婚式

11月16日（火）快晴

　　　　狩人谷の結婚式

暇があったら知らない土地を訪ね、毎日1つ新しい発見をすること。これが退屈な人生を送らない秘訣です。晴遊雨読がライフスタイルの僕は先週末は家から北へ車で2時間、ハンターバレーで遊んでいました。狩人谷といってもここは谷あいの小さな村ではなく、いくつかの町を含む広大な谷で、花が咲き乱れる美しい田園風景がどこまでも続きます。ここは約50箇所のワイナリーが点在する世界1のワイン産地です。豪州ワインの品質の高さは、化学薬品・肥料によって汚染されてしまったヨーロッパなどのワイン産地ではまねできない、自然そのままの素晴らしい土壌とその栽培方法にあると言われています。丘の上に広がるブドウ畑を背景に白い教会で結婚式が執り行われていました。

2年前にも行きました