11月30日（月）快晴
昨日の日曜日、高崎駅からバスに揺られて30分。乗客は僕1人、入館者も僕1人だけ。皇后陛下に養蚕の指導をしている藤枝館長自らが案内してくれたが、展示はお粗末。世界の絹の需要は増大しているが、日本の絹は絶滅寸前。日本各地の絹産地は世界遺産の追加指定のために緊急整備中だが、動機が不純過ぎる。
11月29日（日）快晴
休日に行くべきでなかった。混雑もひどいが、展示も歴史の改竄もひどい。富国強兵を目指す政府が明治5年に建設した国営の近代製糸工場。思うように生産量が伸びず赤字が解消されないまま明治26年には民間に払い下げ。毎日12～14時間働かされ、月に2日の休みという過酷な労働条件は「女工哀史」の悲劇を生んだ。
11月28日（土）快晴
新幹線で高崎に移動。高崎は人口37万人の群馬県最大の都市。金沢や富山と違って、商業主義と俗物趣味で歪んだ街。古い街並みが腐朽するまま放置され、空き地には粗大ゴミのようなビルが随所で新築中。ホテルの裏に「中央銀座」という商店街があった。アーケードも壊れ、多くの店のシャッターは下りたままだ。
11月27日（金）曇
富山市には全国的にも珍しい水墨画専門の美術館がある。白壁の瓦塀に囲まれた広大な敷地。前庭は大きな池のある和風庭園。京都の三十三間堂を模した美術館。芝生に1本の枝垂れ桜、そして立山連峰の借景のモダンな和風の中庭。水墨は精神性を重視する。数々の美術館の庭を見てきたが、ここの庭が日本で1番美しい。
11月26日（木）曇
ホテルから徒歩10分の大通りに古式床しい薬屋がある。江戸時代から続く富山の売薬「反魂丹」の製造販売元。富山市民族民芸村に売薬資料館があり、レトロ趣味のポスターが多数収蔵されている。しかし見学するなら池田屋安兵衛商店のほうが面白い。店内で昔ながらの道具を使って丸薬を製造し、店頭販売もしている。
11月25日（水）雨
金沢市も富山市も人口は50万人弱だが、加賀藩は100万石に対して富山藩は10万石。富山には立山や白馬登山のついでに寄った。50年前の学生時代だけど。金沢‐富山は新幹線では23分＝3130円だが、在来線で1時間＝970円を選択。富山市内に鉄筋コンクリートの小さな城があるが、観光用の模擬天守閣。
11月24日（火）雨
人混みは厭だから金沢港の「銭屋五兵衛」記念館へ。観光案内所で分からず、バス停探しに苦労した。「海の百万石」と呼ばれた五兵衛は北前船でユミのいる深浦に行き、僕の故郷の恐山にも献灯している。藩財政立て直しのための密貿易で豪州まで来たとか。藩の責任押し付けで獄死、家は取り潰された。
11月23日（月）快晴
3連休中に兼六園のライトアップが実施されるそうだが興味はない。駅に隣接して県立音楽堂がある。昨夜はパイプオルガンの「トッカータとフーガ」。一度は弾いてみたかった曲だ。今夜は「世界のダンス」。カルベリア・ジプシーダンスが圧巻だった。楽器とダンスをやめて15年になる。
11月22日（日）曇
3連休？！東京方面から食いしん坊た金沢に大集合。1日500円で市内乗り放題の周遊乗車券を買ったが、15分置きに来るバスはどれも超満員。兼六園の入場券売り場も観光スポットの食堂も長い行列。徒歩で7か所の美術館・文学館を見物。泉鏡花賞を受賞したばかりのゲージツ家・篠原勝之＝クマさんと遭遇した。
11月21日（土）快晴
今年開通した北陸新幹線で金沢へ。東京ー金沢が2時間40分。金沢はさすがに寒い。駅前に「北国銀行」があった。冷えるので駅周辺と駅前通り1㎞を歩いたが、飲み屋、漫画喫茶、ネオン、ファーストフードの店がない。掘割のある広い歩道に人影はまばら。五輪でも俗化しないで欲しい。
11月20日（金）曇時々雨
地下鉄都営浅草線特急で、新橋からYRP野比駅まで1時間半。YRPは横須賀市や京急など第3セクターによるテレコムパーク。日本のシリコンバレーを目指したが、日本の携帯の衰退で一時の勢いを失った。所長を務めている友人の案内で無線歴史展示室などを見学。日本の電波行政、電波利権、メディアの姿勢などについては大いに文句がある。（乞う御期待）
11月19日（木）快晴
昨夜日本に着いたら土砂降り。ホテル日航成田１泊7000円。今朝は快晴。シャトルバスで東京駅八重洲口まで1000円。気温は20度で寒くはない。予約している新橋のホテルまで皇居堀端を徒歩で移動。堀側のイチョウは紅葉しているが、ビル側のイチョウは緑のまま。今年の東京は気温が高いようだ。リュックを担ぎ、スーツケースを引いて1時間、12,650歩で宿に到着。
11月18日（水）快晴
日本でも一人暮らしの期間が長かったので、単身でも外食はしないで、毎日家で調理する。手抜きメニューや同じものを毎日食べたりはしない。冷凍食やレトルトは食べない。一人鍋なんて得意中の得意。魚屋からタコの脚を買って来てたこ焼きを作った。ケアンズの住人は家では、ほぼ1年中裸で過ごす。今夜から1か月間、寒い日本だ。
11月17日（火）快晴
南太平洋各地で見られるカヌー。安定性を増すために本体の片側あるいは両側にアウトリガーと呼ばれる浮きを付ける。ダブル・アウトリガーは外洋で宙に浮いた本体の重量では腕木が破損しやすい。シングルでは傾くだけで破損はしない。帆は用いず、櫂だけで島から島へと移動した古代海洋文化を偲ぶレースが各地で開催される。
11月16日（月）快晴
メルボルン・カップの翌日などに飲み過ぎで仕事に行くのが面倒という理由で欠勤。昨年度は労働者1人当たり年間8.6日さぼり、それによる損失額は30万円。全国規模の損失額は3兆2500億円。豪労働評議会では「有給病気休暇は労働者の権利。労働者自身や家族の健康を維持するために不可欠な制度だ」と主張するが…。
