むつ政経文科新聞 第11号 昭和53年(1978年)8月25日発行
原子力のABC① 照射ジャガイモ (日本核医学学会員 桝田礼三)
放射線には殺菌効果と植物の発芽抑制効果がある。日本原子力委員会では、放射線照射食品として次の7品目を研究対象にしている。ジャガイモ、タマネギ、コメ、小麦、ウインナーソーセージ、水産練製品、ミカンである。現在のところ照射ジャガイモだけが実用化されている。米国食品医薬品庁では照射食品には次のような危険性があると発表している。
① 生殖能力の低下
② 死亡率の上昇
③ 体重減少
④ 赤血球の減少
⑤ 白内障の増加
⑥ 癌の発生
⑦ 栄養の阻害
このような理由で、世界中で照射ジャガイモを食べさせられているのは日本だけ。消費者には照射ジャガイモとそうでないものを見分ける方法はない。ポテトチップ、冷凍コロッケ、季節外れのジャガイモを敬遠するしかない。照射ジャガイモが市場価格を安定させたとの宣伝だが、冷凍食品と同様で高値安定という大企業にとって有利な状況を作り出しただけ。農林省では学校給食に照射ジャガイモを斡旋しているので注意が必要だ。