亡命50年

8月31日（火）曇

 

僕の高校のクラスに小西君という「北朝鮮（共和国）亡命者」がいる。1970年3月31日、共産主義者同盟赤軍派の9人が日航機「よど号」をハイジャックして北朝鮮に政治亡命。現在なお残党6人が平壌で暮らしている。僕は平壌で数回彼と会ったことがある。彼は望郷の念を抑え難く、日本への帰還を強く希望している。誰でもEメールで彼とのコンタクトは可能だ。今秋のリモート・クラス会は、ZOOMで開催することに決まった。今年度クラス会の幹事の僕は、クラスの全員にEメールの案内状を発送しないといけない。小西君にも発送したが、果たして彼は参加するだろうか？

 

よど号赤軍派が全面降伏？　

高校の入学式

8月31日（火）曇

 

今年の高校クラス会幹事を初めて務めることになった。コロナ禍なので「グループLINE」を使用するリモートクラス会だ。早速Webで「グループLINE 」を検索して使用説明書を読んだが、日本語のIT用語を全く理解できない。過去20年以上の海外生活。その20年間にITが急速に発展して、多くのIT用語が作られチンプンカンプン。「幹事は無理だ」とあきらめて、高校時代のアルバムを眺めて善後策を練る。僕は1960年3月に東京都豊島区立駒込中学校を卒業し、4月に都立小石川高校に入学。2か月後に国会突入で初逮捕。写真の矢印が61年前の僕で、その前にいるのが亡妻。級友51名中9人が故人だ。

 

妻の30回忌　

豪州トキ（鴇）

8月29日（日）晴

 

僕の書斎のテラスに太陽鳥のカップルが巣作りに適した場所を探しに、1日何度もやってくる。山鳩やスズメも来るが、こちらは糞害がひどいので、巣作りを始める前に追い払う。豪州ツバメがアパートの1階駐車場に巣を作り始めた。ズグロトサカゲリ（頭黒鶏冠鳬）が、いつのまにかプールサイドで抱卵している。ビーチでは豪州トキの求愛行動が始まった。オスが小枝をくわえてメスを追い回す。豪州トキは、中国から輸入した日本のトキ（ニッポニア・ニッポン）と違って、背中が黒く、頭も黒く、不気味な顔をしている。ゴミを漁るのでOZは嫌う。人間は勝手なものだ。

 

ズグロトサカゲリ  

ハイビスカス

8月28日（土）晴

 

真冬でもケアンズは枯れ木の山にはならない。樹木のほとんどは常緑樹なので緑は鮮やか。ブーゲンビリアやハイビスカスは真冬でも花を付けている。火炎樹（アフリカン・チューリップ）が鮮やかな花を咲かせ始めた。ハイビスカスは、日本では「ハワイの花」、「熱帯の花」と言われるが、原産地は不明。マレーシアの国花。アオイ科フヨウ属の花のうち熱帯または亜熱帯に分布する中高木。和名は仏桑花（ぶっそうげ）。日当たりを好む。亜熱帯では春～秋、熱帯では通年花を咲かせる。花色は赤、橙、黄、紫、白など。古代からお茶として利用されていて、クレオパトラも愛飲していたとか。

 

タチフヨウ　

モデルナ

8月27日（金）晴

 

モデルナ社の共同創業者はハーバード大学で幹細胞の研究を行っていたデリック・ロッシ氏。mRNAという新技術に着目し、2010年にバイオテクノロジー企業のモデルナ社を設立。2019年の時点で約830名の従業員を有し、約半数は修士や博士を取得している。本社は米国マサチューセッツ州。mRNAワクチンの利点として、従来のワクチンよりも構造が単純であるため、製造が容易な点が挙げられる。小規模な設備であっても素早く製造できる。赤字のベンチャー企業だったが、コロナワクチンの世界的需要増大で、2021年の売り上げは2兆円と予想される。

 

マサチューセッツ　

将軍慶喜の遁走

8月26日（木）晴

 

慶喜は倒幕を目ざす薩摩藩・長州藩との直接対決を避けるため、大政奉還によって政権を朝廷に返上。朝廷には政権を運営能力がなく、新たな体制のもと徳川家が主導権を握れるだろう、と読んでいた。倒幕派は京都御所でクーデターを決行し王政復古の大号令を発し、天皇を中心とする新政府の樹立を宣言。これに対抗して慶喜は大坂城から鳥羽・伏見の戦いに臨んだ。だが慶喜は大阪城を密かに脱出し、側近や妾や老中らと共に開陽丸で江戸に遁走した。親幕府の立場をとっていた諸藩は一気に崩壊し、討幕派は京都から江戸に進軍。大金をヘリに積んで国外逃亡したアフガンのガニ大統領とそっくり？

 

太陽女王の遁走　

米軍アフガンから敗退

8月25日（水）快晴

 

8月15日、タリバンが首都カブールに侵攻。米人と米国に協力していたアフガン人は飛行場に殺到。群がる人々を蹴落として飛行機は離陸した。米国が10兆円を投じて装備品を提供し、米軍が訓練を施したアフガン軍は、米軍撤収開始から3カ月余で崩壊。政治家たちはいち早く国外に脱出した。米国の過去20年間の220兆円の投資と米兵2400人の戦死は水泡に帰した。1973年3月にベトナムの同じようなニュース映像を見た。僕は一貫してベトナム戦争に反対して、ベトナム解放戦線を支援した。しかしアフガン戦争では、米国とタリバンのどちらをも支持できない。

 

ベトナム戦争とバナナボート　

昨夜の満月

8月23日（月）快晴

 

満月は8月22日、今日は実は8月24日。昨日は朝から晩まで忙しくて、日付の感覚がおかしくなっていた。曜日の感覚は元からない。多忙が原因ではなくて、老人性痴呆が原因かな？そういえば物忘れがひどくなった。コロナで2年間も巣ごもりの独居生活を続けていたのが悪かったのか？という訳で、日記形式のBlog投稿の昨日と今日の日付が逆になっています。今後同じようなことが続くとすれば、いよいよ病状が悪化して来たとお考え下さい。暦の上では来月から南半球の春。ケアンズもかなり暖かくなってきた。今日の最高気温は29度との予報。

 

巣ごもり生活　

ロックダウン

8月24日（火）晴

 

既にお知らせした通り、ケアンズでは8月6日～20日の2週間、ロックダウンされた。旅行者1人と住人1人がコロナ陽性になったためだ。南隣のNSW州ではデルタ株患者が多数発生して州全体がロックダウン。西隣の北部準州では、1人のデルタ株患者のために、やはり州全体がロックダウン。不要不急の外出は禁止で、感染経路と濃厚接触者の洗い出しが徹底的に行われる。ショッピングセンターではマスク着用が義務。カフェやレストランでは店内の飲食禁止で、テイクアウト限定。8月20日（金）午後4時にロックダウンが解除されると、みんな一斉にマスクを外した。

 

北部準州は制限速度が130㎞～無制限　

シティーの再開発工事

8月22日（日）曇

 

コロナで観光客が少ないタイミングを利用して、シティーではエスプラネード（海岸通り）の大規模な再開発工事が行われている。2車線の一方通行の車線を1車線に改良。効率主義の日本から見ると「改悪じゃないか」との声も出そうだが、確実に車の乗り入れが減り、安全性が増す。街路樹を増やし、舗装はカラー化。道路の美化に合わせて、各店舗も工夫を凝らして装いを新たにした。テラス席を大幅に増やし、店内と店外の境界を取り払った。肩を擦れ合うほど狭かった歩道も拡幅され、歩くだけでも心が躍る。間もなく工事も終わるが、観光客は戻って来るのだろうか？

 

シティープレースの再開発　

ニューノーマルの時代

8月21日（土）晴

 

科学者の想定ではコロナは今後5年間は世界で猛威を振るう。その理由はワクチン争奪戦で、アフリカなど途上国の接種率が50％を超えるまで5年を要するから。コロナ終息後にも以前のような日常は戻らない。ポスト・コロナの世界は、ニューノーマルの時代とも呼ばれるIT・AIの時代であり、SDGsの時代でもある。職場も学校も病院も、リモートが当たり前になる一方で、移動手段も大きく変わる。CO2を大量に排出する乗用車や飛行機は敬遠される。既に欧州では、3時間以内の飛行機は禁止し、鉄道が復権しそうだ。旅客船も生き残りが困難。当面、観光はバーチャル（仮想空間）になりそうだ。

 

電子図書館　

ビーチの生演奏

8月20日（金）晴

 

週末にはビーチの伊レストラン「ルニコ」からライブ音楽が響く。声楽や弦楽は店内で上演するが、管楽器の場合には歩道で演奏するので、散歩中の住人は無料で聴ける。リスペクトの精神が旺盛なOZは「無視して通り過ぎるのは失礼」、「ただで聴くのは気が引ける」と素人アーティストにでも投げ銭を入れる人が多い。投げ銭は＄1（80円）以上。カード時代となり、僕は2年以上現金で支払いしたことはない。上手な演奏とは言えないが、プロのライブも2年以上聞いていない。だから週末の夕方には小銭入れを持参して散歩に出かける。

 

アンデスから来たアーティスト　

コロナワクチン接種の義務化？

8月19日（木）快晴

 

豪州は合理主義の国。社会道徳や立法は「最大多数の最大幸福」の基礎原理。ペットを飼うには5種混合ワクチンが義務だし、避妊・去勢をしていない場合は高額の罰金。子供を保育園に入園させるには必要なワクチンの接種証明書が必要。接種していないと入園できないだけではなく、児童手当がもらえない。選挙には投票義務がある。投票していないと2000円の罰金を取られ、選挙人名簿から抹消される。ゴミの不法投棄や交通違反も厳しく処罰する。罰則があれば、公平・厳密に処罰する。僕は60㎞制限の道路で62㎞出して8000円の罰金を取られた。コロナワクチンも義務化されるのか？

 

ペットのしつけ　

貸家の住人母子

8月18日（水）晴

 

ケアンズ市内に貸家を3軒所有している。日常の管理は不動産会社に依頼しているが、1年に1回は所有者が現地査察に出かける。その中の1軒の貸家に親子3人の一家が住んでいる。元気な4歳くらいの女の子と、やや太めのお母さんが出迎えてくれた。家は３LDK（205m2）で、敷地（1232m2）のすぐ横の緑地には高い木が茂る。広い芝庭にはトランポリンや各種遊具が並ぶ。写真奥の移動式の大型鶏舎に8羽の鶏を飼っていた。帰り際に女の子が新鮮な卵1ダースを持たせてくれた。20年前の豪州移住直後に半年ずつ3軒の戸建てに住んだことがある。庭のある家もいいものだ。

 

兼業農家　

疫学的（感染経路）調査

8月17日（火）快晴

 

8月7-10日の4日間ケアンズはロックダウン。7月23日に旅行者1名がコロナ陽性、8月6日に濃厚接触者の市民1名の陽性が判明。彼の7月23日から8月6日までの行動履歴の詳細が発表された。リストには100か所以上の立ち寄り先が記されている。7月23日（金）に彼はトリニティービーチの保育所とタイ食堂「TUk TUK」を訪れ、僕が買物に行くモールの「サブウエイ」と「アリババ」も訪れた。同日同時刻に僕は買い物に行き、ビーチも散歩したが、3軒の食堂には近づいていないから申告不要。日本ではとっくに疫学調査は放棄している。豪州では五輪選手団は帰国後2週間の隔離措置中。

 

迷走ガースー政権