4月30日（水）曇
山陽本線の和気駅のプラットホームの北側に、擂り鉢をひっくり返したような美形の山＝和気富士が間近かに見える。だが富士山のような独立峰ではなく、和気富士を起点に、観音山－竜王山－穂高山－神ノ上山などの名峰が連なる「和気アルプス」山脈。最高峰は神ノ上山で海抜370m。京都の大文字焼きと同じ日に、観音山では山肌を和の字に焼く「和の字焼き祭り」が開催されるらしい。
4月29日（月）曇後雨
和気町藤公園に隣接する丘の上に、和気神社が建っている。郷土の偉人の和気清麻呂（わけ の きよまろ）が祭られている。清麻呂は奈良時代末期から平安時代初期にかけての貴族。時の権力者の弓削道鏡（ゆげのどうきょう）が皇位に就こうと企てた時、宇佐八幡の神託によりこれを阻止して怒りを買い、 大隅（ おおすみ） に流罪となる。流刑地に赴く途中で福岡県の宇佐八幡宮に詣でようとした時に、300匹のイノシシが現れて道鏡の刺客から清麻呂を守ったらしい。だから和気神社は狛犬の代わりに2頭の狛イノシシが鎮座している。清麻呂は 道鏡の失脚後、光仁・桓武天皇に仕え、平安遷都に尽力した。要するに、青によしの奈良の時代にも皇室内の権力争いは熾烈を極めたということかな？
4月28日（日）快晴
昨日岡山後楽園の藤の咲き具合を検分に出かけた。藤棚が日当たりの悪い場所にあるせいなのか、藤の花は蕾の状態だった。折しも夕方のTVの地方ニュースで和気町藤公園が満開と聞いて、今朝早い電車で山陽本線の和気町に向かった。電車で25分、駅からタクシーで15分。連休中日の好天とあって、会場に向かう田舎道も交通ラッシュ。「種類の多さ、日本一の藤公園」がここのスローガン。全国各地から有名な藤100種類以上を集めて作った藤棚は200m以上。雨のように見える満開の藤棚は、むせるような甘い香りに包まれていた。
4月27日（土）晴
金平糖のような花、どこかで見た花だ。なかなか思い出せなかったが、ついに突き止めた。原産地はヒマラヤ。ネパールに井戸掘りボランティアで行った時に、丘の上に一面に咲いていた花だ。。花季は、真夏を除き春から秋まで。ソバの花によく似た小花が多数集まった直径1cmほどのピンク色の花を咲かせる。葉は緑色でV字形の茶色い模様が秋になると紅葉。茎が匍匐（ほふく）し、土に接した節から発根して猛烈な勢いで勢力圏を広げる。暑さと乾燥に強いので、夏のグラウンドカバーにお勧め。関東地方以西であれば、冬は地上部が枯れるが、根は残って冬を越す。よくぞ僕の「アジアへの思い」をよみがえらせてくれた。
4月26日（金）曇
僕が米国に住み続けなかった理由は次の通り。誰でも銃を持てる。進化論を学校で教えてはならない、中絶は禁止。10進法は不採用。黒人を差別し、殴りつけ、撃ち殺す警官隊。ポルノ女優と不倫して口止め料を払ったトランプが大統領に再選されそうだ。前回の大統領選でバイデンに敗れたトランプは支持者を扇動して米議会を占拠した。ユダヤ人からの資金援助欲しさに、ガザの無差別殺人を支持する民主・共和両党……今秋の米大統領選はひどい泥仕合になりそうだ。僕はオバマの暗殺を常に恐れてきた。こんな今だから、2008年の希望に満ちたオバマの登場を思い出そう。
4月25日（木）快晴
月に１回、川崎医大総合医療センターに通院している。医療センターまで徒歩１５分。街路樹にはアメリカハナミズキが満開だ。北米原産の落葉高木。日本のヤマボウシの近種。昨年９月に胆管癌で「余命６か月（ステージ5）」と宣告されてから７か月が経過。癌治療は拒否して、胆管にはプラスチックのステント（導管）が留置されている。留置から４週間後に高熱で救急入院したが、その後は異常なし。体調はすこぶる良好。先月開催された医学部の同窓会でも、友人たちから「胆管癌だなんて誤診だよ」とか「ステントを抜去すれば健常人に戻れるよ」とアドバイスされた。困ったことに、僕が元気過ぎるためか、主治医の機嫌がよろしくない。僕からステント抜去を提案するのは５か月後だな。
4月24日（水）曇時々雨
夕方ユミが新幹線で深浦から戻って来た。1人で過ごした1週間、外食1回、自炊2回の毎日を繰り返した。外食は徒歩5分のイオンの食堂街と、徒歩8分の岡山駅ビルの飲食街を利用。駅前の地下街もあるので外食に不便はない。少し遅い昼食を外で済ませた後には、イオンで総菜を買って簡単な夕食を作ることが多かった。朝食はイオンから配達された果物。調理は苦手ではないから、3食自炊でも良いのだが、我が家の狭い台所では調理の意欲が沸かない。台所が3畳足らずの狭い空間で、冷蔵庫も食洗器も小型。食器戸棚も狭い上に、3か所の分散されている。食品庫が台所の隣ではなくて玄関横にあるのも嫌になる。ここは借家だから魚や肉を焼くのは気が引ける。「明日の夕食は家でしゃぶしゃぶにしよう」とユミが言っているが、この家には食卓もないのだ。
4月23日（火）曇
安保理常任理事国だった台湾は1971年に国連から追放された。小国の台湾よりも、国土が広く人口が多い中国の方が貿易相手国にふさわしいという米国の思惑による。そして日本も台湾追放に追随した。台湾を50年間植民地支配した日本の贖罪や国際信義に反する姿勢に、僕は怒りと失望を覚え、以来台湾との民間外交に微力を尽くしてきた。その台湾が地震で大きな被害を被っている。
花蓮県は台湾東部中央に位置。面積としては同県が台湾最大だが、大部分は山岳地帯のため平地は7%に過ぎない。もとは原住民族であるアミ族、サキザヤ族、タロコ族などの居住する土地で、先住民の人口が県全体の約4分の1を占めている。タロコ渓谷は大理石が浸食された断崖絶壁が約20kmも続く景勝地だ。地震が終息したら台湾に行く機会があるだろうか？
4月22日（月）晴
「杜の街」のメインストリートに、2台のアストンマーチンが展示された。アイコニックな英国のラグジュアリースポーツカーメーカー。スーパーカーとは「アストンマーティン・ヴァルキリー 」。F1レースで複数回の優勝経験があり、 世界に150台しかないといわれる。納車までは7年かかるそうで、値段は登録費用など込みで約4億7000万円とのこと。英国の諜報部員を扱った映画「007シリーズ」では、DB5等が「ボンドカー」として登場している。また「杜の街」タワーの正面玄関脇に、昨年からオースチンが2台展示されている。こちらも100年以上の歴史を誇る英国車だが、現在は中国の南京汽車傘下に加入。新車・中古車とも1000万円以下。ロンドンのタクシーは今でも天井の高いオースチンが利用されている。
4月21日（日）曇時々雨
「杜の街」のメインストリートでは、毎月1回、市内のパン屋が露天を出して「パンのマルシェ」が開催される。アパートの住人だけではなく、大勢の外来者も押しかけて、どの店も長い列ができるほどの大盛況だ。時には「ワインのマルシェ」も同時開催され、試飲者が群がる。僕は酒屋には用がないので、外出を控える。
4月20日（土）晴
17日に震度6弱の揺れを観測した愛媛県と高知県では、余震が相次ぎ、影響が続いている。愛媛県で６人が軽傷、大分県で２人、高知県でも１人が軽傷を負った。倒木の影響で高知県檮原町松谷地区が一時孤立状態となった。気象庁は１８日未明の記者会見で「南海トラフ巨大地震発生の可能性が高まったとは言えない」との見解を示したが、異論を唱える地震学者も多い。愛媛県の四国電力伊方原発は運転を続けているが、発電機の出力が2％低下。典型的な半島部の原発で、能登半島地震で浮上した避難リスクが再燃。佐田岬半島にある伊方原発では、避難計画が必要な30キロ圏に約11万人が居住。県などの自治体は事故の際、ヘリコプターや、港から船で大分県などへの避難も想定する。岡山市は震度３だったが、耐震設計の「杜の街」タワーでは体感の揺れはなかった。
4月19日（金）快晴
快晴なのに空気が濁っていて、3㎞先の山並みもかすんで見える。今年も黄砂の季節がやって来た。黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象。黄砂は健康に有害な物質を多く含む。中国も本気で植林をしないと景気回復が困難だ。
4月18日（木）曇
第二次世界大戦下の米国。極秘に立ち上げられたプロジェクト「マンハッタン計画」に参加したJ・ロバート・オッペンハイマーは、優秀な科学者たちを率いて世界初の原子爆弾を開発する。しかし、原爆が実戦で投下され、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩する。その後、冷戦や赤狩りなど、激動の時代の波に飲み込まれていく…。米国で興行成績は、伝記映画としては空前のヒットとなった。これまでの伝記映画の興行成績首位は、英ロックバンド「クイーン」の軌跡を描き、日本でも大ヒットした2018年公開の「ボヘミアン・ラプソディ」だった。原爆の被害者意識を乗り越えて、やっと日本でも公開に踏み切った。広島は2月に訪問済み。来月には長崎に行く予定。
4月17日（水）晴
今朝8時の新幹線でユミが深浦に向かった。親父さんの7回忌と、畑に耕運機を掛けるのが主要任務らしい。青森はまだ寒いので僕は約1週間留守番。1人の期間はできるだけ家事は手を抜いて、食事は外食に出かけ、新しい飲食店を開拓することにした。というものの、一人で乗り込むのは僕にとって大仕事だ。今日の昼食はアクラ通りで見つけた和食店。案内された席はカウンターの片隅で、目の前に沢山のボトルキープの酒瓶が並んだ場所。人目につかない点では良いのだが、絶えずアルコールの香りが漂ってくるのには参った。
4月16日（火）曇
日本原産の常緑性の低木から小高木。高いものでは樹高15 mにもなる。ただしその成長は遅く、寿命は長い。花期は冬から春で、早咲きのものは冬さなかに咲く。花は紅色あるいは白色の5弁花で、枝の先の葉腋から1個ずつ下向きに咲かせる。5枚の花弁と多くの花糸のつけ根が合着した筒形になっていて、散る時は花弁と雄しべが一緒に落花する。「カメリア・ジャポニカ」と学名がそのまま英語名になっている珍しい花木。
