枯草熱

4月30日（土）快晴

　 枯草熱

日本では花粉症が猛威を振るっているようですが、アレルゲンはスギ花粉で日本の国民病みたいなものです。山々が天然林で覆われていた第2次大戦前には花粉症は報告されていませんから、戦後のスギ造林が原因。僕も50歳になってから花粉症に悩まされるようになり、年々ひどくなる傾向にありましたから、豪州移住は正解だったかも。花粉症は英語では 枯草熱（hay fever）。牧草のカモガヤが原因で、牧草地の多い欧州では珍しくはありません。つまり日本でも欧州でも、天然林伐採による文明病なのです。豪州は牧場だらけですが、乾燥地で牧草栽培には不適で、カモガヤは生えません。しかし牧草農家では散水して牧草を作り、巨大ロールにして販売します。湿潤地帯にはカモガヤが生えるので、豪州も牧草地帯では花粉症があるようです。

北海道の牧草

豪州・緑の日

4月29日（金）快晴

　　　　豪州・緑の日　

エンデバー号で太平洋を探検していたキャプテン・クックは1770年4月29日、シドニー空港のあるボタニー湾へ上陸し、１週間滞在しました。クックはこの発見した地を当時のジョージ３世の息子ウェールズ皇太子の名前から「ニュー・サウス・ウェールズ」と命名しました。そして上陸したこの湾で多くの珍しい植物を発見したことからボタニー湾と命名しました。日本では「緑の日」を「昭和の日」に改めるんですか？靖国神社参拝、教科書改竄、竹島の日制定と矢継ぎ早の挑発攻勢。また戦争がやりたくなって来たのかな？


ボタニー湾

ポートアーサー殺人事件

4月28日（木）快晴

　　　　　　ポートアーサー殺人事件

事件は1996年4月28日（日）午後1時、タスマニア州の観光地ポート・アーサーで起きました。マーチン・ブライアントは、「今日は日本人の観光客が少ないな」と言うと突然銃を取り出し、付近の人々を銃撃し始めました。その後車を盗み、走りながら他の車や通行人に向けて発砲し、数名を射殺。約5キロ離れた簡易宿泊施設に篭城し、包囲した警官隊に向かって発砲を続けました。翌朝投降するまでに死者35人、重傷者約20人。史上最悪の大量殺人事件です。豪州は銃の規制があり、比較的治安の良い国で、死刑制度はありません。写真はポートアーサーの監獄跡。

ポートアーサー

アヘン戦争

4月27日（水）快晴

　　　　　　アヘン戦争

中国庭園のトイレに麻薬の注射器回収箱がありました。コンドームの自販機もあります。どちらもエイズ予防策で、麻薬が合法なのではありません。豪州の麻薬の大半は東南アジアとパキスタンで作られ、アジア人が持ち込みます。だから豪州の警官は人種差別的なほどアジア人に厳格です。先週バリ島で豪州から麻薬を運んだOZの9人組が逮捕されました。銃殺刑の可能性がありますが、世論調査で80％は「同情しない」との結果。1840年林則徐のアヘン貿易禁止にいちゃもんを付け、英国が武力で不平等条約を押し付けたのがアヘン戦争。21世紀のアヘン戦争の行方やいかに？

バリ島

中国人の豪州兵

4月26日（火）快晴

　　　中国人の豪州兵

中華街の一角に豪州のために戦った中国人の戦没者記念碑があります。豪州は1970年まで白豪主義を貫き、中国人が目の敵にされました。1850年代のゴールドラッシュの頃には中国人排斥暴動で、多くの中国人が生き埋めにされました。豪州は昔から労働運動が盛んですが、組合も中国人労働者には徹底した弾圧を加えました。中華街の記念碑には、アンザックの記念碑と同様に「我々は決して忘れない」と書かれています。OZはここに近付きたがりません。忘れることも大切かな、と妻と子供を亡くした僕は思いますけど。日本からはJRの大事故のニュースが入ってきています。

黄金と成功の街角

アンザック・デイ

4月25日（月）快晴

　　　アンザック・デイ

退役軍人がハイドパークのアンザック記念館で式典の後シティーを行進し、市民が国旗を振ります。軍事パレードは何度見ても不気味です。アンザック・デイのスローガンは「我々は決して忘れない」。米国の真珠湾と同じです。日本人は歴史や先祖を大切にしません。金にならない歴史的建造物はどんどん壊すし、3代前の先祖は誰も覚えていません。しかし他の国では歴史は民族の記憶です。日本で一方的に教科書を改竄すれば歴史が変わるといった簡単なことではありません。

歴史的なアンザック・クッキーとスイトン

豪州のニッポン不信

4月24日（日）快晴

　　　　　　豪州のニッポン不信　

ハワード首相が中国訪問のついでに日本も訪問。今や豪州にとって中国は日本より重要な国。事情は米国も同様。マサワのイタリア軍が引き上げた後、ニッポン自衛隊の守備をを豪軍が引き受けることにOZの70％が反対しています。平和憲法下の自衛隊派遣は矛盾。派遣は石油欲しさか、安保理事国入りのためのポーズと見られています。中国の反日デモにOZは肯定的。背景として、豪州には中国人迫害の後ろめたい歴史があり、同時に第2次大戦の日本軍による豪軍への数々の残虐行為があるからです。アンザック・デイを明日に控えて、TVでは捕虜首切りの映像が流れています。写真は飛騨高山の猿の曝し首。

アンザック・デイ

健忘症・ニッポン

4月23日（土）快晴

　　　　健忘症・ニッポン

中国庭園で盆栽を見ました。本来の姿を矮小化し、幹や枝を捻じ曲げるのは日中共通。中国の盆栽は2000年の歴史がありますが、日本はせいぜい300年。日清戦争は111年前の出来事。「反日デモは中国政府のやらせだ」との声もあります。しかし東南アジア諸国でも最近の日本の右傾化を警戒し、国連安全保障理事国入りに反対の声が上がっています。「日本軍の残虐行為は昔話」なのでしょうか？中国での集団買春、破廉恥パーフォーマンスで日中関係が緊迫したのは、ここ1，2年の出来事なんですよ。

集団買春

トムヤムクン

4月22日（金）快晴

　　　　　トムヤムクン

クラスメートの韓国人トム君、中国人ワン君と、熱くて辛いトムヤムクンを食べながら政治談議。2人とも愛国心が強くて本当に困ります。愛国心は権力による分断支配の道具、百害あって一利なし。インドネシアでは華僑が殺され、ロサンゼルスでは韓国スーパーが略奪され、タイでは日本車が焼かれました。中韓日に共通するのは儒教。儒教は天王や家父長をトップとする政治思想。孟子は「革命が必要」と申しましたが、他の儒家は女性蔑視の保守反動。徳治礼節、仁義忠孝はともすれば権力志向、差別主義、成金趣味に堕落します。

腹話術のトム君

アウトバック

4月21日（木）快晴

　　　アウトバック

「OUT・BACK」とは豪語で、未開拓、奥地、行く価値のない場所という意味で、豪州中央の砂漠地帯を指します。アウトバックにあるウルル（エアーズロック）はアボリジニの聖地。現在はアボリジニに返還されて、観光客は入場料を払います。ダーリン・ハーバーにあるアウトバック・センターは、観光案内所とアボリジニ文化の展示場を兼ねています。ダーウィンやカカドゥー国立公園のあるアラフラ海沿岸も未開の地ですが、こちらは「TOP・END」と呼ばれています。

Tバック

CATHAR（カタリ派）

4月20日（水）晴

　　　　CATHAR（カタリ派）

礼拝堂から白い煙が上がり、ドイツ生まれの新法王が決まりました。これに先立ちシドニーの上空にも白く「CATHAR（カタリ派）」の青空広告の文字。カタリ派は中世南フランスの禁欲主義を信条とするキリスト教派。悪神と善神の二神論を唱え、教会の儀式、十字架、洗礼、肉食、婚姻、家族、制約、権力を否定。ローマ教会の異端審問で信者全員が火刑に処せられ、滅亡しました。一説では同性愛を肯定していたとか。女性を軽視し、避妊、堕胎、同性愛を敵視するバチカンも教条主義を改めないと、再びナチズムと共同歩調を取ることになりますよ。

カタリ部

偽十字星

4月19日（火）快晴

　　　偽十字星

サザンの海賊版は中華街だけではなく、南の空にもあります。南十字星「座」のすぐ横にある偽十字星は「帆座」と「竜骨座」の一部で作られて、本物より大きくて、立派に見えます。その昔は「アルゴ座」という巨大船の星座でしたが、あまりに大きな星座なので1763年にラカイユが「とも(船尾)」「ほ(帆)」「らしんばん(羅針盤)」「りゅうこつ(竜骨)」の4つの星座に分割してしまいました。舵取りをうまくやらないと、巨大船・中国もソ連のように分裂しますよ。
　（天体図はアサヒネットより引用）
　　　　
南十字星座
南半球の星座

花の王様

4月18日（月）快晴

　　花の王様

ユミが1週間前にウインザーで1本100円で買ったキング・プロテアが開いてきました。切花でも長持ちするので、満開までにユリを2回は更新しないといけないようです。原産地の南アフリカ共和国の国花ですが、気候が似ているので豪州でも盛んに栽培されています。樹高は1m前後の常緑低木で、花は直径約30cmもあり、花の王様と賞賛されています。花色はピンクで1年中出荷され、フラワーアレンジメントやドライフラワーの中心的な花材として用いられます。インターネットを見たら日本では、楽天市場で1本2000円です。

400円の女王

知的所有権的・サザン・クロス

4月17日（日）快晴　

　　　　知的所有権的・サザン・クロス

中華街ではサザンの海賊版CDが安く買えるそうです。だけどサザン・オールスターズってOZが聞くと、OZかNZのグループだと勘違いします。両国とも南十字星が国旗にあしらわれています。日本ではサザン・クロスという名の花が数種類売られています。いずれも南半球原産の外来種らしいのですが、いかにも客受けしそうな名前に勝手に変更しています。写真が本家本元の豪州産サザン・クロスです。

豪州国旗

マルブラ・ビーチ

4月16日（土）快晴

　　　　マルブラ・ビーチ

ボンダイの南にあるマルブラ・ビーチは家から車で20分。観光客が少なく、地元民でにぎわっています。マルブラはノーブラの人が多いので写真撮影は禁止。だから写真はビーチの反対側の岩場。どこのビーチでも、カメラや携帯を持ったアジア人は警戒されます。最近はシドニーも中国からの団体旅行客が多くて、日本・韓国と共通の行動様式。隊列を作り、大声で叫び合いながら、写真を撮って、お土産を買いあさって去って行きます。先祖をたどれば共通の民族なので、全体主義と近親憎悪は遺伝的なものなのでしょうか。今日も気温は30度。そちらも熱いようですね。

北朝鮮・北方領土