テレ朝「やらせサル」完全否定 「餌付けしていない」(ITmedia)
テレビスタッフが野生のサルを餌付けするなどして人里におびき寄せ、あたかもサルによる被害が頻発しているかのような“やらせ”撮影をしていた――とブログが指摘したことをきっかけに、ネット掲示板などで「やらせ」「ねつ造報道では」などと批判が相次ぐ騒ぎがあった。
撮影シーンを含む番組を放映した、とネットで名指しされたテレビ朝日は2月13日、「サルにえさを与えたり刺激するような取材は一切していない」と指摘を否定。ブログ作者も「誤解を与える表現があった。テレビ朝日などに迷惑をかけた」と同日、記事を削除した上で謝罪文を掲載した。
ブログは志賀高原(長野県)のホテルが運営。「TVやらせサル」というタイトルで1月20日に投稿された記事中に、サルをビデオカメラで撮影する人の写真と、「今シーズンに入り初めてサルが来ました。マスコミが連れてきました。やらせです。みんな迷惑しています。この番組、TV放映したら教えて下さい」という内容を記した。
そう言えば割と最近にApeman氏が「朝日の捏造、という捏造」というエントリを上げておりました。捏造に躊躇しないお国柄なのに自らの捏造に自覚がないと、こういう事は頻繁に起こるのでしょうね。朝日新聞にしろテレビ朝日にしろ翼賛メディアには変わりありませんが、いわゆるネトウヨの脳内では左翼メディアという設定になっており、それがために色々と標的にされるわけです。
まぁ結局、火種になったブログの方は単なる誹謗といいますか、ありもしない罪でテレビ局を糾弾したわけです。捏造ですね。特に証拠も何もない単なる作り話であったわけですが、それがこうした大騒ぎになったのは、それだけ「共感」が集まったからでしょうか。つまり、彼らの脳内では左翼御用達という設定であるところの朝日系列のメディアを何とかして貶めたいという願望があって、その名分を探しているところに、格好の口実が投じられた結果なのだと。
たとえそれが根も葉もないでっち上げであったとしても、それが「好ましい」ものであれば信奉する、そういう心理があります。「そうあって欲しい」という願いに合致するものであれば、それがいかに根拠のない、いかがわしい代物であったとしても気にしないわけです。朝日系列のメディアは捏造メディアである、そういう脳内設定を持っている人は、現実の朝日系列のメディアも「そうあって欲しい」と願うわけで、一度その口実が与えられれば、それが説得力に乏しいものであってもそれに荷担するわけです。
朝日新聞やテレビ朝日を批判したいのであれば、こちらとかこちらとか、ちゃんと根拠のあるものがありますから捏造に頼る必要はないのですが、どうやら非難の理由を捏造することに抵抗のない人が相当数いるようです。非難の理由が事実かどうかなどは関係ない、自分の気に入らない相手が非難の対象になっていればそれで満足できる、そんな思考が渦巻いています。
法相、「冤罪と呼べない」 無罪判決の鹿児島選挙違反で(共同通信)
鳩山法相は13日、法務省で開催の検察長官会同で、鹿児島の選挙違反事件の無罪について「個人的な見解だが、冤罪と呼ぶべきではない」と述べた。同事件は、鹿児島地裁が「客観的証拠は全くない」として被告12人全員に無罪の判決を言い渡し確定。法相は訓示の中で、富山県氷見市の強姦冤罪事件と比較する形で「氷見事件の方は人違いなので、冤罪ということでしょう。選挙違反事件は冤罪と呼ぶべきではない」と述べた。
客観的証拠は皆無、全くの無罪である人間を脅迫的手段を用いて罪人に仕立て上げようとしたこの事件、確かに「冤罪」では生ぬるいかも知れませんが、しかし冤罪でなければ何なのでしょうか? そして冤罪ではないとするこの発言、もちろん法相個人の愚かさに拠るところも大きいのですが、決してそればかりとも言い切れません。
無実の人間を罪人に仕立て上げることと、虚偽の告発によって「やらせ」の汚名をかぶせて断罪すること、この両者を可能にする心理は全く同じものです。信憑性に乏しい情報に基づいて特定の団体を誹謗する、その信憑性の乏しさにもかかわらず、でっちあげの告発を事実として取り扱う、事実に基づく証拠ではなく嫌悪に基づいた虚言を信奉し、都合の良い「真実」を作り上げる、それに抵抗がないのであれば、無実の人間を有罪にすることにも同様に抵抗はないでしょう。鹿児島県警はこうした国民の目線に立った操作を行ったまでであり、鳩山氏が法相でいられるのもこうした国民の支えがあるからではないでしょうか。
http://d.hatena.ne.jp/pr3/20080213/1202889373#c
ちょっと想像を絶する問題発言です。日本はまともな法治国家じゃないなと強く思います。
また、Apemanさんのところの記事も、読んでいて爆笑してしまいました。よくもまあ、こんな愚にもつかぬでたらめを平然と書けるものだと思います。どんなに落ちぶれても、こんな嘘つきにはなりたくありません。
またまた、ご無沙汰です。お許しください。
>信憑性に乏しい情報に基づいて特定の団体を誹謗する、その信憑性の乏しさにもかかわらず、でっちあげの告発を事実として取り扱う、事実に基づく証拠ではなく嫌悪に基づいた虚言を信奉し、都合の良い「真実」を作り上げる、それに抵抗がない
仰るとおりでしょう。つまるところ、日本人はこれらのことに寛容だということですね。
では。
鳩山法相は「冤罪」の意味を取り違えていたと後に釈明していますが、法務大臣が自分の職務に関わる用語を知らないというのも異常ですし、そもそも勘違いがあったからといって許されるものでもありません。出鱈目で他人を誹謗したり陥れたり、そういうことに対する反省が皆無と言いますか……
>これお・ぷてらさん
こちらこそ、引き合いに出させていただきまして、事後ではございますが、ありがとうございます。
それはさておき、公正さに欠けると言いますか、気に入らない相手を叩くためなら捏造も辞さない、、自身を正当化するためなら偽ることを恥じない、何とも酷いものです。
>goenさん
もっと法相にふさわしい人間はいくらでもいるのでしょうけれど、そうした人が傍流に追いやられ、自身の正当化と他人の非難しか能のない輩が幅を利かせているのが小泉以降の自民党ですから。
弊ブログの記事をご紹介いただき、どうもありがとうございました。
ネット右翼やそのシンパは、すぐに「朝日の捏造」を捏造して喜ぶばかりか、昨年の伊藤一長・前長崎市長射殺事件の際に、犯人は何某という在日韓国人だとか言い出してそれが広まり、今に至るもその根拠を明らかにしていません。
私はしつこい性格なので、こういうことは決して忘れません。上記の流言を広めた「nikaidou.com」および「博士の独り言」の罪は極めて重いと思いますし、こういうサイトを読んで喜ぶ人たちを見て、絶望を感じます。
こうした捏造に国民が怒りを感じるようであればいいのですが、少なからぬ人々が同調しているのが現状ですからね。やはり国民が変わらないことには、と常々思うわけです。