心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

紅葉のカナダ・アメリカ旅行(その1)

2017-10-13 14:04:08 | 旅行

 夕刻、重たいスーツケースを引きずりながら家に帰ると、生垣のキンモクセイの香りがあたりに充満していて、やっと我が家に帰ったことを実感しました。
 10月初め、trapics企画の「紅葉のカナダ・アメリカ9日間」に出かけてきました。私にとっては、紅葉もさることながら、カナダはトロントで生まれ育ったピアニストのグレン・グールドの国であり、アメリカは「ウォールデン~森の生活」「歩く」を著したヘンリー・デイヴィッド・ソローが生まれ育った国、マサチューセッツ州はボストン郊外のコンコードであることにも、幾何かの思い入れがありました。
 もう少し欲張った言い方をすれば、マサチューセッツ州は同志社大学を創設した新島襄が学んだボストン郊外のアマースト大学(アーモスト大学)のあるところであり、少し離れたミシガン州のランシング、アナーバーには南方熊楠が一時期滞在したところでもあります。ツアー旅行ですから、現地を直接訪ね歩くことはできませんが、ボストンの街の空気を全身で感じた旅でした。
 10月2日、関西国際空港からバンクーバーを経由してトロント空港に降り立った私たちは、その足でナイアガラのホテルに直行しました。翌日、ナイアガラの滝を観光したあと、オンタリオ湖を時計周りにトロントを経由してベルビルに移動。その翌日、紅葉で有名なローレンシャン高原へ。という次第で、グールドの生きた街トロントはバスの車窓から眺めただけでしたが、DVD「グレン・グールド~天才ピアニストの愛と孤独」に登場する紅葉のメープル街道の景色を、車窓から眺めることはできました。
 今回のツアーは昨年参加の予定でしたが、紅葉の時期を逸していたので、今年は早めに申し込んでいました。ところが、今年は暑い夏が続き例年よりも紅葉が遅れ気味、というよりも紅葉の前に枯れてしまわないかと心配する向きもありました。メープルの紅葉の”赤さ”ではカナダ随一といわれるローレンシャン高原も、紅葉の一歩手前といったところでした。訪れた日はあいにくの雨模様で、写真で見るような色鮮やかな景色は望めませんでしたが、ゴンドラに乗ったり、モン・トランブラン村を散策したりしました。
  モントリオールに連泊して、旧市街地やノートルダム大聖堂などを見て回りました。ケベック市では、セント・ローレンス川を見下ろすテラス・デュフラン、プチ・シャンプラン通りなど、フランス風の街並みを楽しみました。いずれも美しい街でした。
 モントリオールからボストンに向かう街道沿いの紅葉は、まさにこれからといったところでしょうか。その道中、だだっ広い農園風景、森と湖の風景が広がっていて、どう見ても「ウォールデン~森の生活」の舞台になっただろう風景が広がっています。豊富な水にも恵まれ、至る所に川や湖が点在していました。ことしはソロー生誕200年を迎えますが、当時アメリカはイギリスから独立して日も浅い頃でした。

 バスの走行距離約500キロ。高い山は見当たらず、延々と続く森と地平線。午後2時過ぎにボストンの街に滑り込みました。ソローが卒業したハーバード大学などを見学しました。
 翌日は朝7時30分にホテルを出て、ニューヨークに向かいました。こちらは約380キロの走行距離。到着すると、昼食の後メトロポリタン美術館や五番街、タイムズスクエアなどを見学し、夜にはマンハッタン夜景観賞ツアーにも参加してニューヨークの街を楽しみました。翌日は、ワールドトレードセンター、グランドゼロ、リバティー島、ウォール街などを見学したあと、その足でバンクーバーに移動して1泊。そして帰国の途につきました。
 今回のバス走行距離は約2千5百キロという驚異的なものでした。その間、グレン・グールドが奏でるピアノ曲を聴きながら、車窓に流れる北米の風景を存分に楽しみました。この時期の海外旅行ツアーは初めてでしたが、参加者の大半はシニア世代。ほぼ同世代のご夫婦が多かったように思います。
 紅葉をテーマにざっとツアーの流れをご紹介しました。次回は、ニューヨークのメトロポリタン美術館など個別の視点から若干の補足をしたいと思っています。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (蓮の花)
2017-10-18 04:47:51
初めまして
昨日カナダ旅行から帰ってきました。
まさに、私の印象にも残った場所をアップしていますね。
思い出が蘇りました。
フランス語ができなくて結構困りましたが、筆者様は大丈夫でしたか?
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こちらこそ初めまして。 (ran_coffeebreak)
2017-10-18 08:18:56
蓮の花さん
こちらこそ初めまして。コメントをありがとうございました。
きのうカナダからお帰りですか。お疲れさまでした。まだ、時差ボケかも知れませんね。私はフランス語は全くわかりません。でもなんとなく心のコミュニケーションはできたような気がします(笑)。
今晩にも第二報をと思っていますが、さて、どうなることやら。これからもよろしくお願いします。
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Unknown (蓮の花)
2017-10-18 13:00:59
家はコネチカット州なのでカナダには車でそのままドライブして行ってきたのです。
ドライブだけだと5時間、休みをカウントすると7時間で行けちゃうのです。
モントリオールはフランス語だけでしたので結構不便でした。
夫もフランス語ができなかったので、手ぶり素振りでしたね。
なので時差ボケはなかったのです。
次回のアップが楽しみです。
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第二報をアップしました。 (ran_coffeebreak)
2017-10-18 23:12:24
蓮の花さん
そうでしたか。てっきり日本からのご出発と思っていましたが、コネチカット州にお住まいでしたか。ボストンからニューヨークに移動する際に通過した州なんですね。......車で7時間、お疲れさまでした。
さきほど第二報をアップしました。
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