ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

やってみせ、言ってきかせて・・・

2013年03月17日 | レッスンメモ
人を育てるときに指導者が心がけておくとよい言葉にこういうものがあります。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」

これは海軍の軍人、山本五十六の言葉だそうですが、私の大好きな言葉でもあります。すごくよく分かるんですよね、その気持ち。まさに毎日これを教室で実践しているのですから。といっても私の教室が戦前の海軍に似ているというわけではないので、その点は誤解のないように(笑)

たとえばスタッカート。これはただ音を短く切ればよいという、そんな単純なものではありません。そこにはありとあらゆるタッチのバリエーションがあって、実はとても奥の深い技術の一つなのです。レッスンをしていて、ここのスタッカートはもっと余韻の残るようなスタッカートにしたいとします。余韻の残るスタッカートとはどんなものなのか、これを生徒に伝えるには、やはりまず自分が弾いて聴かせて「こんな風に」というのが一番分かりやすいし簡単だと思います。つまり「やってみせる」のです。

やってみせたら真似をしてもらいます。ただ、何でもかんでも毎回「やってみせる」わけにはいきません。いつも私がそばにいるわけではないので、最終的には自分自身で私がやってみせたことをきちんと理解しなければなりません。真似をすることから理解することへと進む過程が「学ぶ」ということだし、そこで大事なのが「言葉」です。

色んなことを言葉に置き換える訓練も大切です。その言葉が何を指しているのかということについての共通理解を積み上げて行くと、学びの効率が一段と高まります。もういちいちお手本を聴かせてもらわなくても、「ああ、あのことか」と理解できるようになるのです。

というわけで、やってみせて、言って聞かせて、させてみるのがピアノのレッスンです。あとはとにかくほめる、ほめる。これも同じですね。帝国海軍の教育方針とピアノ教室の指導法の意外な共通点というお話でした。


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2 コメント

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Unknown (さと)
2013-03-18 08:13:12
おはようございます。
私もこの山本元帥の言葉が大好きで、後輩指導の際にこの言葉を頭の中で思い返したりするのですが…つい感情的になってしまい、反省する日々です
先生のご指導はまさにこの通りだと思います。帝国海軍方式(?)万歳です
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さとさん (yumiko)
2013-03-19 10:17:21
さとさん、海軍方式?とは違いますが、生徒への愛情と熱い教師魂で、自分も頑張る姿勢を貫きたいと思っているのです。お互い、頑張りましょうね。
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