ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

部分練習  「犯人を探せ」の巻

2013年01月24日 | レッスンメモ
ピアノの曲を弾いていく中で、つっかえるところは部分練習をするというのは常識ですね。

でも、ときどき「部分練習をしたけどうまくいかないんです」と訴える生徒がいます。そのうまくいかないというのには2種類あります。一つは、その部分だけ取り出してやればできるけど、また最初から通して弾くとやっぱり駄目になる。もうひとつは、その部分だけを練習してもしても、ちっとも弾けるようにならない場合。

前者は、その部分が弾けるようになったので、いきなり最初から通そうとして失敗するパターンです。これはその前の音とのつなぎがうまく行ってないから起こることなので、部分練習の1音前をくっつけて弾く練習をします。その後、2音をくっつけて、そして3音、・・・とだんだん広げていって、1小節をくっつけるという風に段階を経るとうまくいきます。

厄介なのは、後者。そこの部分練習をやってもやってもうまく出来ないというう場合。こんなときは、やみくもにそのフレーズを100回やっても無駄です。さて、そこから犯人探しの開始です。何が原因でそこがうまくいかないか。そのフレーズ全体を練習してもうまくいかないなら、まずもっと小さく分解して出来ない個所をしっかり分析する必要があります。たとえその部分がたった5音で成り立っているスラーだとしても、2音ずつ「こことここがだめかな?」「ここと次の音?」と、一つずつずらしてみて、2音の間のどこが滞っているのかを探します。そうすると、すんなりいく2音とそうでない2音の場所を探り当てることができます。はは~ん、犯人はこれかと特定できると、後は、2音ずつから練習して、一音ずつ増やしてひろげていくのです。

これらの方法は私が自分自身の練習で苦労しながら編み出したものなので、その効果は保証付きです。皆さんも是非お試しください。

とはいえ、犯人探しというのはそんなに簡単なものではありません。

たいてい滞るところというのはその前の場所から力みが入っていることが多いです。その原因は何も心理的なことだけではなくて、音と音が離れているために手を広げる、指を広げるなどの時にも力みが発生しやすいです。それも犯人の一つ。

それから、指番号をしっかり頭の中で整理できていない場合もそうです。指があやふやで音だけ分かっている場合があります。その指があやしいのも犯人。さらに、右手でつっかえていてそこを練習していても、実は原因は左手にあって、それが原因でつっかえている場合もあります。

犯人は単独行動の場合もあれば、複数で襲ってくる場合もあります。こちらとしてもあらゆる角度から犯人探しを充分にやり、それを突き止めたと思っても油断せず、本当のボスが潜んでないか、常に目を光らせながら、町の秩序ならぬ曲の秩序を守らなければならないのです。

私の場合、長年やっているせいか、生徒の曲の犯人探しはかなり上手になりましたが、それでも自分の弾く曲でなかなか真犯人が見つからないまま、迷宮入りしてしまいそうな曲もいくつかあります。でも絶対いつか必ず見つけ出します。何しろピアノの道に時効はないのですから!

クリックしていただけると嬉しいです。励みになります。
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノ教室へにほんブログ村
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« グループ・アイ定例会 | トップ | 業務連絡 スマホメールが使... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

レッスンメモ」カテゴリの最新記事