ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

古典派の季節

2015年09月07日 | レッスンメモ
秋の風を感じると、ドイツものの音楽が恋しくなります。バッハ、ベートーヴェン、ハイドン、モーツァルト、ブラームス、シューマンなど。もうピアノ科としては、クラクラするほどの大作曲家たちです。

そのドイツものの中でも、特に古典派の作品が弾きたくなります。秋になると空気が落ち着いてきて、自分のあるべきところに戻りたいという気持ちになります。古典派の作品は、自分の中で小さな頃から慣れ親しんだ、懐かしいお家に帰って来たような気持ちにさせてくれます。

私の子どもの頃の先生方の多くは、まずは古典派(ソナチネも含めて)をやってからロマン派や近現代の作品を与えていた方が多かったと思います。そういう時代でした。私も古典派をある程度やってからロマン派の作品をもらいました。初めてロマン派の作品をもらった時はとても嬉しかったです。ロマン派を知ると、たちまちその虜になり、ロマンチックで派手な曲は子どもや若い頃の私にとってとても魅力的でした。現代ピアノの力を思う存分活かせるように作ってある作品が多いということもその一因だと思います。私の場合はロマン派の名曲に出会うと、それにはまってしまって、それからしばらく古典派をあまり好まない時期すらありました。

でも今、年月を経て思うことは、古典派の大切さ。古典派をきっちり勉強するとしないとでは大違い。古典派がクラシック音楽にとっていかに大事か身をもって知るようになりました。古典派の特徴といえばまず、構成がきっちりしていること、ごまかしの効かない高度なテクニックが要求されること、曲の奥が深いということなどが思いつきます。何か個人的感情や気分で弾いてはいけない奥深いものが要求されるのです。個人的感情や気分を前面に出し過ぎてしまうと、かえって悪趣味(ダサイ感じ)な感じになってしまって古典派らしくなくなったりします。だからといって自由度が少ないかというとそんなことはなくて、むしろとても自由です。しかしロマン派とは全く違う雰囲気をもっています。

というわけで、古典派の作品をたくさん聴いていると古典派が好きになってきます。好きになれば当然またどんどんそれらを弾きたくなる。今年の発表会では中学生たちの曲をほとんどバロックと古典派にしたのも、実はそれが理由。生徒たちにもっともっと古典派の魅力を感じ取ってほしいという深謀遠慮(?)からです。発表会は11月。これから益々クラシックの季節になってきます。私の大好きな季節です!


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