ピアノの音色 (愛野由美子のブログです)

クラシックピアノのレッスンと演奏活動を行っています。ちょっとした息抜きにどうぞお立ち寄り下さいませ。

ショパンの名刺

2010年12月21日 | クラシック豆知識
皆さん、ショパンの名刺を見たことありますか? 先日、ポーランドから日本に帰っていらした河合優子先生が、ショパンの名刺を見せてくれました。ポーランドでショパンの資料の展示会があって、そこに本物のショパンの名刺が出展されていたそうです。先生はそのレプリカを手に入れて、見せて下さったのです。


写真では分りにくいですが、サイズは普段我々が目にする名刺と変わりありません。それなのに、なんと、この真ん中に書かれている名前の小さいこと!! 一体、どういう理由でこんなに小さくしてあるのでしょう。右下に住所が書かれていますが、そちらの字の方が大きいんです。

河合先生はこれを見てとても不思議に思って、資料館の方にその理由を尋ねてみたそうです。すると、ショパンは控えめだったからじゃないか?と笑って答えたというのですけど、果たしてそんな単純なことでしょうか? 私も河合先生も、それはちょっと違うんじゃないかと思ってます。もしかして、気難しい人だったのかしら? とか、なにか皮肉っているのでは? とか、いろいろな憶測をしてしまいます。

晩年のショパンは、胸の病も悪化し、気分もすぐれず、病のストレスからかわかりませんが、極度に神経質だったらしいのです。恋人のジョルジュ・サンドも、たいへんに手をやいていたようです。ショパンとサンドが別れるころに書かれた、ジョルジュ・サンドの小説には、神経質で意地悪をすることに心を燃やしている芸術家と、それに苦しめられる女性とが描かれているそうです。実話と同じではないにせよ、なにか暗示させるものがあります。

昨日、私は風邪で熱を出してベッドで一日中寝ていました。病気になると心までふさがれるような気がします。私の場合は、単なる風邪(インフルエンザではありません)ですから、一日で元気を取り戻しますが、ショパンのように、完治することのない、胸の病を抱えることが、どんなにストレスのたまる、辛いことなのか、想像するだけで暗くなってしまいます。この不思議な名刺、ショパンの名刺を見て、こんな名刺を作って実際に使っていたショパンの胸中に、思いを馳せるのでした。


クリックしていただけると嬉しいです。励みになります。
にほんブログ村 クラシックブログ ピアノ教室へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする